映画『さらば、ベルリン』あらすじネタバレ結末と感想

さらば、ベルリンの概要:ポツダム会談の裏で動く国家間の陰謀と、その中心にいる人々を描いた2007年公開のアメリカ映画。スティーブン・ソダーバーグ監督が1940年代の作風に挑んだ実験的な映画となっている。

さらば、ベルリン あらすじネタバレ

さらば、ベルリン
映画『さらば、ベルリン』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

さらば、ベルリン あらすじ【起・承】

1945年、ドイツ・ベルリン。

ポツダム会談の取材のためにベルリンに来たアメリカ人従軍記者のジェイク・ガイズマー(ジョージ・クルーニー)を、専属運転手のタリー伍長(トビー・マグワイア)が迎える。日頃から現地で悪事を働いていたタリーは、例によってジェイクの財布を盗む。

タリーには娼婦のレーナ・ブラント(ケイト・ブランシェット)という恋人がいた。ある日、レーナの部屋に行ったタリーは謎の男に襲われ、エミール・ブラントという男の所在を聞かれる。エミールとは、レーナの亡き夫だった。

エミールに値打ちがあることを知ったタリーはジェイクの財布に入っていた身分証を使ってソ連領に入り、生死の情報がないにもかかわらず、金と引き換えにソ連にエミールを提供することを約束する。その数日後、タリーは何者かに射殺された姿で発見される。

アメリカ側もソ連側もタリーが殺された事件を深堀りしないことに疑問を感じたジェイクは、単身で調査を始める。そして、レーナがこの事件にとって重要な存在であることを知る。実はジェイクとレーナはかつて愛人関係にあったのだった。

さらば、ベルリン あらすじ【転・結】

アメリカとソ連の両者がエミールを探していることを知ったジェイクは、レーナや周囲の人間、警察や軍関係者の調査を進める。そして、かつてエミールはロケット開発者の秘書をしていて、唯一情報を握っている人物だということを知る。

調査を進めながらレーナを守ろうとするジェイクだったが、彼女の変貌を前に困惑する。ジェイクと関係を持っていた時の彼女は記者だったが、戦争の影響で娼婦として生きていくしかなくなっていた。

レーナは地下壕に秘密を隠していた。ジェイクの尾行を振り切り地下壕へと向かうレーナ。そこには、死んだはずのエミールの姿が。2人は国外逃亡を企てていたのだった。

やがてエミールが生きている事実を知ったジェイクは、彼ら2人の国外逃亡を手助けすることを決意する。だが、エミールは何者かに襲われて命を落としてしまう。

後日、ジェイクの援助により国外への出国ができることになったレーナ。彼女は自分の出国のために周囲の人間を利用していたことを示唆して去っていく。

さらば、ベルリン 評価

  • 点数:50点/100点
  • オススメ度:★☆☆☆☆
  • ストーリー:★★☆☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★☆☆☆

作品概要

  • 公開日:2006年
  • 上映時間:108分
  • ジャンル:サスペンス、ミステリー、フィルムノワール
  • 監督:スティーヴン・ソダーバーグ
  • キャスト:ジョージ・クルーニー、ケイト・ブランシェット、トビー・マグワイア、ボー・ブリッジス etc

さらば、ベルリン 批評・レビュー

映画『さらば、ベルリン』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

宙づりの物語

より面白い映画を作るためには、実験も挑戦も大事だと思う。それが未来に向けられたものであれば。

ただ単に過去の作品を踏襲して「やってみたかったことをやる」だけの映画なんて、お金を払って観る者からすればたまったものではない。せめて午後のロードショーで放送するくらいにしてほしい。

1940年代の作風を再現するための映像や演出にはかなりのこだわりが見えるが、そこに注力しすぎて肝心の物語が宙づりになっている。

国家間の陰謀やレーナの抱える謎を紐解いていくストーリーなのに人物描写が曖昧で、謎解きも結局は中途半端に終わってしまう。主役3人以外の登場人物に関しても、誰がどういった立場なのか分からなくなってくる。

複雑と煩雑を同義として提供すれば、観客は混乱するだけだ。

ケイト・ブランシェットの救い

今作ではケイト・ブランシェットが唯一の救いとなっている。

モノクロ映画ということで照明を使った演出にはかなりこだわっていて、それによって生み出される影が何とも言えない哀愁を漂わせているのだが、この哀愁を身にまとったケイト・ブランシェットが本当に美しい。

整った顔立ちがモノクロ映像にマッチしていて視覚的にも美しいのだが、彼女の内に秘められた業火のような生命力が画面から伝わってきて目を離せなくなる。

その反面、時代背景に合わせた動作が演技的ながらも自然で、そこからは彼女の冷たさのようなものを感じる。

この、反発しあうものを持ち併せたケイト・ブランシェットの神秘的な美しさが作品に奥行きを与え、なんとか最後まで観られる作品となっていた。

さらば、ベルリン 感想まとめ

脚本に粗さは見られるが、戦争によって人生を狂わされた人物たちのセリフには気づかされるものがある。

戦争で命を落とすことは、耐え難い苦痛を伴うだろう。

だが、戦後を生き続けるということも、経験した者にしか分からない苦痛がある。それまで普通に生きてきて、ツナ缶1つのために体を売らなければならなくなるなんて、誰が想像できるだろう。

劇中でレーナが語る。「戦争は便利なもの。なんでも戦争のせいにするのよ」と。

戦争は何もかもを正当化してしまう。

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