映画『世界殺人公社』あらすじネタバレ結末と感想

世界殺人公社の概要:暗殺を請け負う会社「世界殺人公社」という変わった組織の代表である主人公が、殺人に反対するヒロインに自分の暗殺を依頼されたことで暗殺者同士の壮絶な殺し合いが始まる。1969年製作のイギリス映画。

世界殺人公社 あらすじネタバレ

世界殺人公社
映画『世界殺人公社』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

世界殺人公社 あらすじ【起・承】

20世紀初頭のイギリス。ソーニャ・ウィンター(ダイアナ・リグ)は当時まだほとんどいなかった女性の新聞記者を目指していた。彼女は新聞社社長のボストウィックに認めてもらうため最近多発している殺人事件の秘密を探るとくダネ記事を書くと申し出る。

彼女は、新聞の個人欄を使い殺人を請け負っている人物がおり一連の殺人事件はその人物の仕業だと見抜いたのだ。ボルトウィックはこの話に乗ってくれ、彼女は自ら依頼者となりその人物とコンタクトを取る。

用心深い道のりを経てウィンターはある屋敷に案内される。そこにはイワン・ドラゴミロフ(オリヴァー・リード)という男がいて、彼は「世界殺人公社」という暗殺者組織の代表だった。そして彼女が彼に依頼したのは何と“ドラゴミロフの殺害”だった。

彼はその依頼を2万ポンドの報酬で受ける。彼はすぐに各国から幹部を集め経緯を説明し“自分を殺すか、自分に殺されるかだ”と言う。その場には組織の副代表としてボストウィックの姿もあった。ボストウィックが見届け人となり、殺るか殺られるかの暗殺ゲームが始まる。

ボストウィックは取材へ行くウィンターにドラゴミロフの動向を逐一報告するよう指示する。実は彼は組織を乗っ取り、その力で欧州を支配しようとしていた。そのために彼女を利用していたのだ。

何も知らないウィンターはパリへ向かったドラゴミロフを追いかける。組織の幹部が経営する売春宿へ忍び込んだドラゴミロフはピンチを迎えながらも売春宿を爆発させ幹部を殺害し、次の目的地スイスへ向かう。ウィンターは汽車の中まで彼を追いかけてくる。

その汽車の中でもドラゴミロフは自分を殺しにきた幹部を逆に殺し、スイスでも銀行の頭取をしている幹部を殺すことに成功する。ウィンターはそんな彼とずっと行動を共にする。

世界殺人公社 あらすじ【転・結】

ボストウィックはドイツのピンク将軍と組んでドラゴミロフを何とか暗殺しようと躍起になっていた。

一方、ドラゴミロフとウィンターはウィーンにいた。2人は酒場で楽しんでいたが、そこにも暗殺者がやってくる。ピンク将軍はソーセージに爆弾を仕掛け、ドラゴミロフを殺害しようとする。しかし罠に気づいたドラゴミロフはソーセージ爆弾を投げ返し、その爆弾によってルテニアの大公が死んでしまう。

ドラゴミロフはウィンターにボストウィックの裏の顔を明かし、彼女もドラゴミコフを信用するようになる。

2人はドラゴミロフの父の親友だった幹部に会うためベネチアへ行く。しかし、その幹部は強欲な妻に毒殺されてしまう。

彼の屋敷を訪れたドラゴミロフは婦人の様子から異変を察し、自分も毒殺されたフリをする。そして運河に彼を捨てようとした船頭を殺し、自分が死んだように偽装する。この作戦は成功し、ウィンター以外は彼が死んだものと思い込む。ドラゴミロフとウィンターは旅を続けるうちに愛し合うようになっていた。

第一次世界大戦前のこの時期、欧州は不安定な状態にあった。そこで各国首相がオーストリアのリンツ城に集まり首脳会議を開くことになる。ボストウィックたちは飛行船から大型爆弾を城に投下し、各国首脳をいっせいに暗殺するという恐ろしい計画を立てていた。

これを知ったドラゴミロフはウィンターに城へ危機を知らせるよう指示し、自分は飛行船に潜り込む。彼は飛行船の中でボストウィックたちと格闘の末、爆弾を飛行船ごと上空で爆発させ自分は脱出することに成功する。

ウィンターがやっとたどり着いた城内の広間では、ドラゴミロフが平和を守った英雄として勲章を授与されていた。

世界殺人公社 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1969年
  • 上映時間:110分
  • ジャンル:サスペンス、コメディ
  • 監督:ベイジル・ディアデン
  • キャスト:オリヴァー・リード、ダイアナ・リグ、テリー・サヴァラス、ベリル・リード etc

世界殺人公社 批評・レビュー

映画『世界殺人公社』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

大掛かりな舞台設定と巧みな演出

「世界殺人公社」という暗殺組織の代表である主人公のドラゴミロフが正義感の強いヒロインのウィンターに自分の暗殺を依頼されてしまうという設定からすでに巧妙だ。しかも、主人公はその依頼をあっさり受けてしまうのだから先が気にならないはずがない。

そこから組織の幹部たちと主人公の殺し合いが始まるのだが、それも単にその辺で行われるのではなくフランス、スイス、オーストリア、イタリアと場所を移動しながら、毎回様々な舞台設定の中で趣向を変えた暗殺劇が繰り広げられる。それが非常に面白い。

クライマックスの戦いの舞台は上空高くに浮かぶ不安定な飛行船の中で、さらに大型爆弾まで積んである。その上、主人公がこの戦いに敗れたら彼の命どころか城ごと各国首脳が吹っ飛ぶことになるという大変な状況だ。今ならCGでいくらでも迫力ある映像が作れるだろうが、この時代にそんなものはない。それでも飛行船の中で繰り広げられるアクションシーンは工夫を重ねた演出により、かなり見応えのあるものになっている。

昔の人の発想の豊かさと映画作りへの情熱には拍手を送りたい。

かっこいいオリヴァー・リード

主人公のセクシーな暗殺者を演じているのは個性的な魅力を放つオリヴァー・リードだ。

危機に直面しても冷静沈着に対応し常に攻めの姿勢を貫くこの主人公の人物像がそもそもかっこいいのだが、どこか不良っぽいオリヴァー・リードがこの主人公の持つ魅力を倍増させている。実際に彼は若い頃かなりやんちゃだったらしく俳優というよりカリスマ性のあるロックスターのような雰囲気がある。

ダイアナ・リグの演じた生真面目なヒロインが、だんだん彼にメロメロになっていくのもわかる。最初はそうでもなかったのに、この主人公(=オリヴァー・リード)は物語の中でどんどんかっこよく見えてくるのだ。

世界殺人公社 感想まとめ

「世界殺人公社」というタイトルからもっとふざけた映画なのかと思っていたら。意外にもヨーロッパ各地の紳士淑女が登場するしっかりした作りの映画だった。

20世紀初頭の欧州の政治状況を絡めながら進むストーリーは予想できない展開だったし、暗殺者たちがみんな上流階級の人間なので映像全般に品がある。イギリス映画らしく登場人物のスーツ姿やドレス姿も決まっていて、その衣装や調度品を見ているだけでも楽しい。

古い映画なので爆弾の造形や合成された映像は確かにしょぼいが内容が面白いのでそういうことは気にならない。全く退屈せずに最後まで楽しめて予想以上に満足出来る娯楽映画だった。なかなかの掘り出し物なので見る機会に恵まれた人はラッキーかも。