映画『さよならドビュッシー』あらすじとネタバレ感想

さよならドビュッシーの概要:2013年に公開されたミステリー映画で、原作は「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した中山七里の推理小説。監督は俳優でもある利重剛、主演は橋本愛。ピアニスト清塚信也の俳優デビュー作品でもある。

さよならドビュッシー あらすじ

さよならドビュッシー
映画『さよならドビュッシー』のあらすじを紹介します。

遥とルシアは同い年ということもあり、仲のよい従姉妹同士。
医者である父と母が治安が悪い海外の土地に赴任することになり、その間ルシアは遥の家に預けられるが、両親が突然消息を絶つ。

そのままルシアは遥の家で暮らし、姉妹のように育った2人は16歳になった。
ルシアの暮らす離れの部屋で将来について語り合っていた遥たちは火事に気がつき、同じ離れに住んでいる、体が不自由な祖父を助けに向かう。
だが2人も火事に巻き込まれてしまい、遥だけが生き残った。
全身に大やけどを負ったものの、治療で元通りの顔を取り戻し、必死のリハビリで動けるようになったが、声だけは元に戻らなかった。

祖父の遺産を受け取る条件がピアニストになる事だったため、音楽学校に戻り、偶然出会った若手ピアニストの岬洋介からレッスンを受ける事に。
何者かに命を狙われ、学校では“フランケン”と呼ばれる事に悩む遥だったが、岬の説得でコンクールに出場することを決意する。

コンクールで弾く曲には、火事の夜にルシアと約束したドビュッシーの「月の光」に決める。
そんな中、遥の母が意識不明の大怪我をして病院に運ばれ、事件として扱われることに。

コンクール予選を通過し、岬と共に会場から帰宅すると遥の命を狙っていた人物が判明していた。
そしてコンクール本選直前、遥の指が動かなくなってしまった。
岬に助けを求める遥だったが、彼の口から出たのは意外な言葉だった。

さよならドビュッシー 評価

  • 点数:55点/100点
  • オススメ度:★★☆☆☆
  • ストーリー:★★☆☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★☆☆☆

作品概要

  • 公開日:2012年
  • 上映時間:131分
  • ジャンル:ミステリー、青春
  • 監督:利重剛
  • キャスト:橋本愛、清塚信也、柳憂怜、相築あきこ etc

さよならドビュッシー ネタバレ批評

映画『さよならドビュッシー』について、感想批評です。※ネタバレあり

ピアニストの俳優デビュー作

「のだめ」シリーズの玉木宏や「神童」の松山ケンイチなどのピアノ演奏の吹き替えを行ってきた、ピアニストの清塚信也の俳優デビュー作であり、この作品のほとんどのピアノ演奏が清塚信也のものという作品。
また橋本愛の演奏指導も行ったという、本格的なピアノ演奏を取り入れた作品になっている。

陰のある雰囲気を持つ若手女優の橋本愛が、姉妹同然に育った遥と共に火事に巻き込まれ、勘違いから遥として生きなければならなくなったルシアという重い運命を背負った役を演じている。
頑固な祖父役にミッキー・カーチス、遥を殺害するよう操られる家政婦に熊谷真実、遥の主治医の新条役には吉沢悠など、実力派が脇を固めている。
しかし、黒幕の加納役の印象が薄すぎるのが気になる。

不幸に負けずにピアノに打ち込む少女の青春映画のようで、終盤に描かれる岬とルシアの「キスしてください」というやり取りから恋愛映画のようにも見え、原作の推理小説というジャンルを考えるとミステリー映画にもなるのだが、全て中途半端な設定でどれも主張しあっているので、統一感が無い作品。

映画のトリックは穴だらけ

ミステリーのトリックやストーリーとしてはツッコミどころだらけ。
やけどが酷く、遺体の損傷も激しかったとはいえ、Tシャツのプリントだけで本人確認を済ませてしまったり、当の本人に何故確認を取らなかったのかなど、明らかに矛盾点が多い。
家政婦をしていたみち子が遥を殺害しようとまで思いつめるのにも不自然で、黒幕の加納がどうなったのか明らかにされないのもスッキリしない。
原作を読まずに映画だけ見てしまうと、これで推理小説になるのか?と疑問に思えてしまうほど。

気管熱傷で出なくなっていた声の合成がきちんとされていたのに、後半から急に自然な声に変わっていて、それこそおかしいと思わせる。
コンテストでのピアノ演奏シーンも、回想シーンや遥がルシアに変わっているなどという工夫がなければ、長すぎるものになってしまっている。

遥とルシアの2人をイメージさせるような、鏡に写った姿や写真たてに映りこむ姿と、それを過度に出しすぎない演出は、2人が入れ替わっていたというどんでん返しにピッタリだ。

さよならドビュッシー 感想まとめ

中山七里の「このミステリーがすごい!」大賞受賞作の映画化作品であり、ミステリーファンでなくても見やすい作品。
また、クラシックミュージックをテーマにした映画の多くの吹き替えをしており、ピアニストとしても活躍している清塚信也が俳優として出演、主人公を支える立場だが謎も解くという役を演じている。
ピアノの演奏シーンや、橋本愛に教える場面での独特な表現には見入ってしまう。

コンテストの審査員の中に、「ケイゾク」、「トリック」といったドラマ・映画を作り出してきた堤幸彦監督が友情出演しているにも驚かされる。
原作は未読なのだが、映画の中でのミステリー部分やトリックは矛盾点が多くお粗末としか言えないもので、本格派ミステリーというよりは、親しみやすさのみを全面に出した作品になっている。

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