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映画『サヨナライツカ』あらすじとネタバレ感想

映画『サヨナライツカ』の概要:『サヨナライツカ』は、辻仁成原作の映画。2010年に『私の頭の中の消しゴム』のイ・ジェハン監督によって製作された。主演は本作が12年ぶりの主演作となった中山美穂。バンコクで出会った男女の恋愛を描く。

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映画『サヨナライツカ』 作品情報

サヨナライツカ

  • 製作年:2009年
  • 上映時間:134分
  • ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
  • 監督:イ・ジェハン
  • キャスト:中山美穂、西島秀俊、石田ゆり子、加藤雅也 etc

映画『サヨナライツカ』 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

映画『サヨナライツカ』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『サヨナライツカ』のあらすじを紹介します。

1975年のタイ、バンコク。婚約者との結婚を数か月後に控えているエリート会社員の東垣内豊は、早く昇進するためにバンコクに赴任する。そこで会社の仲間と飲んでいた時、謎の美女・真中沓子と出会う。

沓子が豊の家を訪ね、体を重ねたことをきっかけに、二人はそれから激しく逢瀬を重ねることになる。沓子が暮らすホテルのスイートルームで過ごすことが多く、豊は会社を頻繁に休むようになる。

会社を休みがちなことを同僚に指摘され、ついに沓子との関係も知られてしまう。元々タイにいる間だけ、結婚するまでの間だけ、と軽い気持ちでいた豊だが、頭で考えている以上に沓子に惹かれていることに気付き、このまま関係を続けるべきか悩む。

一方、沓子も豊を愛するようになっていた。美しさもお金も持っていて、何不自由なくただ「愛されること」が一番だった沓子が、豊と出会ったことで、叶わぬ恋と知りつつも「愛すること」が何よりの幸せだと気づく。

豊は沓子との関係を終わらせて婚約者の光子との結婚を選び、沓子を冷たく突き放すようになる。

婚約者の光子は、沓子の存在に気付いていた。豊に知らせることなくタイにやってきた光子は、沓子のホテルの部屋を訪ねる。「一度でも豊に愛していると言われたことがあるか」と問うた光子に、沓子は答えることができない。最後に、日曜の午後1時までにいなくなるように言って光子は去った。

日曜、空港で必死に豊に縋り付く沓子だったが、豊は冷たく体を引きはがして二人は別れる。沓子が去った後、豊は静かに涙を流していた。

そして25年後、二人は昔一緒に過ごしたホテルで運命的な再会を果たす。お互いにまだ想い合っていた二人だったが――。

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映画『サヨナライツカ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『サヨナライツカ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

光子の詩「サヨナライツカ」

映画のタイトルである「サヨナライツカ」とは、光子が書いた詩である。途中まで書かれたこの詩を勝手に読むところからこの映画は始まっている。

「人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと愛したことを思い出すヒトとにわかれる」

豊は死ぬときにどちらを思い出すかを沓子に問うと、「愛されたこと」と返される。しかし、沓子は25年もの間たった一人を想い続けることを選ぶのである。

光子の詩から始まったこの映画は、光子の詩で終わっていく。25年後、沓子と再会した後東京に戻った豊だったが、もう一度沓子に会いに行こうとタイに向かう。その直前に光子に詩集を渡され、そこで初めて完成した「サヨナライツカ」を読む。

同じホテルでまた再会した沓子は病に侵され、翌日に亡くなってしまう。ただ「愛している」と伝えに来たはずだったのに、言えないまま終わってしまったのだ。沓子は愛されたことを伝えられないまま、ただ愛したことだけを考えて死んだ。

この映画は光子によって二人が動かされているなと感じた。光子は詩の最後を「私はきっと愛したことを思い出す」と締めくくっている。光子も沓子も、「愛していると言って」と豊に頼む。この二人の女性は似ている。ただ愛して、愛されている自信はない。豊だけが「愛されたこと」を知っているのではないだろうか。

色彩表現

この映画の前半、1975年の映像は、色彩が豊かだと思った。タイの気怠いような熱、湿気も表現されているし、沓子のメイクや衣装も色使いが鮮やかだ。

対して25年後は、全体が青みがかったような、灰色っぽい画面で、無機質で温度を感じさせない。

この対比は良い演出だなと感じた。1975年の豊と沓子の激しい愛を思わせる暖色系の色使いから一変して画面は暗く冷たくなり、「ああ、彼女のいない人生はこんなにもつまらないのか」という豊の心情を表しているようでとても良かった。

沓子の変化

作品前半の沓子はメイクも衣装もド派手で妖艶で、中山美穂は歳を感じさせないなあと驚くほどだった。ところが、豊に突き放されるようになってからどんどん素朴になっているように感じた。

特に空港で別れる日の姿はまるで化粧っ気がなく、服もシンプルだった。あんなに飾り立てて男性を惹きつけていた沓子が今度は自分の想い一つで豊の心を引き留めようとしているのか、と思うと本当に切ない。

25年後はホテルのスタッフをしていて、あの豪華な暮らしぶりはどうしたのかと思うほど素朴だった。

豊を愛したことをきっかけに沓子が変わっていく様子も見どころなのではないかと思う。


豊がめちゃくちゃ悪い男というか、女心を無意識に弄ぶ罪な男なのに、彼を愛してしまう2人の女の気持ちも物凄く分かるので感情がぐちゃぐちゃになりながら鑑賞していました。
光子のように、全てを知っていながらも豊を愛し続け、自分を崩すことなく生きていけるのは本当に強くて立派な事だと思いましたが、彼女が書いた詩には本当の気持ちが綴られていたように感じます。
光子に対して可哀想だと思うのは失礼かもしれませんが、こんなにも愛しているのに愛してもらえないのは辛すぎて哀れに思ってしまいました。(女性 30代)

映画『サヨナライツカ』 まとめ

主役を演じる二人は40代前後で、20代そこらの若い役をやるのは無理があるのではないかと思っていたら、実際は25年後の50代の姿の方が酷かった。老けメイクがあからさまで、不自然だった。沓子は病気の設定だし仕方ないのかとも思うが、もう少し自然なメイクにできなかったのかと残念だった。

作品全体としては完成度が高いと思う。バンコクと東京、過去と現在などの対比も良かった。豊・沓子・光子それぞれ演じる俳優の演技はさすがだなと思った。特に光子は、ともすれば目立たない存在になり得る役どころだが、要所要所でいいアクセントになっていて良かった。

観た後しばらく引きずる。きっとまた何度でも観返したくなり、色褪せない映画である。

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みんなの感想・レビュー

  1. フジミネ子 より:

    25年前の沓子はゴージャスで、男にとっての「夢の女」。
    25年後、豊は、社長になるという自分の夢をまず叶えた上で沓子のもとへ。25年も暮らした貞淑で、出世に必要だった妻や、まだ未成年の次男を放っぽり出して、「自分の愛の為」に冒険しちゃう。

    しかし沓子は静かに死んで退場。この先のリアルな老後の生活や夫婦喧嘩は一切なし。
    25年間、豊だけを愛し続け、待ち続け、魅力的なのに新しい愛など考えもせず死んでしまう沓子。

    なんとも男にとって理想的な「夢の女」のお話でした。