映画『選挙』あらすじとネタバレ感想

選挙の概要:ベルリン国際映画祭で出品され以来、全世界騒然。世界200カ国で放映されたドキュメンタリー。党公認・非公認候補両目線から日本の選挙の実態を抉り出す。日本人すら知らない選挙の全てがここにある。

選挙 あらすじ

選挙
映画『選挙』のあらすじを紹介します。

時は’05年9月小泉政権。

東京在住の切手・コイン商の山内さん(当時40)は、小泉首相のファンというだけで、川崎市市議会候補の補欠選挙に自民党の落下傘候補として立候補。山さんは気象予報大を現役で合格した気象予報士で、東大も合格した、本来ならば、そのまま官僚になれるはずのエリートなのだ。なのに気が向くままに趣味の鉄道旅行を楽しみたくてコイン・切手商の道へ。
何事もこだわらない、風がふくままに生きていた山さんを変えたのが、小泉政権だった。

地域・看板・金など、政治家に必要ないわゆる『三バン』がない山内さんこと、山さんは、川崎市で票を獲得する為に、ドブ板営業に周り、保育園にも回る。そんな山さんを推薦した党幹部は、何としても当選させる必要があるので街頭演説の度に有力幹部を送り込むが、思う様に支持が集まっていない山さんを叱り付ける。
意気揚々と出馬を決めた山さんだが、党幹部に主張を押し込められ言いたい事は言えずじまい。そんな山さんを支えているのは、奥さんのさゆりさんだった。コイン商をやめて立候補する事を許してくれた上、さゆりさんは近所の人たちに議員の妻になれば裕福になれるわねと勘違いされたイヤミまで言われてしまう。

とうとうキレたさゆりさんは、山さんに八つ当たりしてしまうが、山さんは党幹部というよりも、奥さんの為に当選する事はできるのだろうか・・・

選挙 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:2006年
  • 上映時間:120分
  • ジャンル:ドキュメンタリー
  • 監督:想田和弘
  • キャスト:山内和彦 etc

選挙 ネタバレ批評

映画『選挙』について、感想批評です。※ネタバレあり

これを見れば日本の政治政党のからくりが判る

ドキュメンタリー最大の売りは、これを見れば日本の政治のからくり、特に小泉チルドレンがどうやって作られたかという事が外国人にも判ってしまう事だ。
何故日本では選挙カーが、やかましく街頭を走るのか。それが『予算ある候補や党幹部へのコネ』がある候補しか出来ない事実も映画を観れば判る。日本の政治界に立候補するには、諸外国以上に不平等だという事が一目瞭然だという事実も判る。

落下傘候補だからといってのうのうとしていられない

自分の土地に縁がない所から党公認として立候補する落下傘候補の実態も諸外国の人々からみれば不自然極まりない。

党幹部が山さんへの応援をしているのは、わずか数回。山さん憧れの小泉さんが街頭演説に来るのはぜいぜい選挙活動中のうち1回。後は山さんが、地元でドブ板営業をする。カーネルサンダーズの人形にまで深々と頭を下げる山さんの姿を目の当たりにした人は、『日本の選挙ってここまでやらされるのか』と思うに違いない。
弁護士と議員のWバッチを持っている議員以外は、議員をやめると無職になる実態も案外外国人は知らない。

政治に目覚めた山さんが取った行動とは

『選挙』には続きがある。山さんは、小泉チルドレンの一員として『当選』したもののわずか1年半の任期でやめてしまうのだ。

が、山さんは、政治に本格的に目覚めて自分なりに落とし前をつけようとした。それが続篇の『選挙2』に描かれている。

『選挙2』では、政治に目覚めた山さんが、党推薦なしで完全無所属で’11年に立候補する。世の中が自粛報道に向かう中、脱原発をスローガンに掲げ、費用は徹底的にムダを省き、1人で演説した結果、選挙費用は8万円代に収まったという事実まで描く。
当然の事ながら山さんは同じ選挙区で党が推薦してきた擁立候補に負けてしまうのだが、この映画を通して見えるのは一部の泡沫候補の存在はムダではないという事だ。

選挙 感想まとめ

日本の選挙は外国人から見ると摩訶不思議。この映画はその謎を、政治に全く縁のなかったズブの素人が立候補する事で解き明かしす事が売りだ。

『選挙』は、コイン商の山さんが自民党公認候補となる事で、日本の選挙の実態を描いたものとして各国から好評を得ました。そうなるとやはり続篇の『選挙2』で山さんの顛末も見て欲しいと思う。
『選挙』で党幹部のいいなりになって当選したとしても、議会、国会で言いたい事を言えないのだとすれば、それは全く意味がないんじゃないか。そういう議員を送り出す私たちにも責任があるのではないかと思わせてくれる映画だ。

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