映画『千年女優』あらすじネタバレ結末と感想

千年女優の概要:「東京ゴッドファーザーズ」や「パプリカ」の今敏監督作品。藤原千代子という昭和に活躍した女優の愛と人生をドキュメンタリー風に描いた。声の出演は折笠富美子、山寺宏一、鈴置洋孝。2001年製作の日本アニメ。

千年女優 あらすじネタバレ

千年女優
映画『千年女優』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

千年女優 あらすじ【起・承】

昭和の大女優、藤原千代子(庄司美代子)は、芸能界を引退してひっそりと暮らしていた。
ところが引退して30年後に、撮影所の取り壊しが決まり、そのインタビューを受けることになった。

インタビューにやってきたのは、長年、藤原千代子のファンだった立花源也(飯塚昭三)とカメラマンの井田恭二(小野坂昌也)だった。

まず、インタビューの前に立花は、藤原千代子が失くしたはずの鍵を差し出した。
千代子はその鍵を見つめ、“一番大切なものを開くカギだわ・・”と愛おしそうに言う。
すると、彼女の中から思い出が一気にあふれ出してゆくのだった。

彼女が女優になったきっかけは、女学校時代のスカウトだった。その帰り道で、特高に追われていた画家の青年“鍵の君”(山寺宏一)と出会う。

千代子は、“鍵の君”を自宅の蔵に隠す。その時に、満州に逃げるという話を聞いた。
また、“大切なものを開くカギ”として、彼が持っていた鍵を見せてもらう。

だが、翌日。女学校から帰ってきた千代子を待っていたのは、彼を特高の目から逃がしたという番頭の言葉だった。

“駅へ逃げました”と番頭から聞いた千代子は、すぐに彼を追いかけるが、既に電車が出た後だった。
“私、行きます!必ず、逢いに行きます!”と叫ぶのだった。

その後、女優として活躍を始めた千代子は、演技に悩みながらも、“満州”での撮影に臨んだ。満州で占い師に観てもらうと、彼はさらに北へ向かったのだと言う。
彼に会いたい一心で、北へ向かう千代子。

次に時代劇の撮影が始まり、千代子は姫の役を演じていた。そこで、怪しい老婆から、“千年の恋に身を焼かれる”という秘薬を盛られてしまう。それを飲んだ千代子は千年の呪いにかけられてしまうのだった。

だが、京都や収監所など様々な場所で、“鍵の君”に会っても捕まえることはできないのだった。それでも、彼を想う気持ちは変わらなかった。

千年女優 あらすじ【転・結】

千代子は、映画女優として生きることで、彼がどこかで自分を見てくれているような気がしていた。

そんな、結婚適齢期の頃だった。千代子(小山茉美)は、ある日、「銀映」の専務で後に監督になった大滝諄一(鈴置洋孝)に愛を告白されます。

しかし、“鍵の君”を忘れられない千代子はその想いに答えることが出来なかった。
一方、母親からも、“鍵の君”の事はもう忘れたほうがいいと諭されるのだった。

ところが撮影中に千代子は、“鍵の君”から預かった大切な鍵を失くしてしまう。そのため、失意の千代子は、大滝からのプロポーズを受けて結婚した。

後に、鍵が見つかり、大滝とライバル女優・島尾詠子(津田匠子)が仕組んでいたと知るのだった。怒りに震える千代子のもとに、“鍵の君”からの手紙が!
手紙には、北海道とあり、千代子は再び彼を追って旅立つ。

千代子はこれまで、多くの作品で演じてきたが、役柄は違うが、共通するのは、“鍵の君”への想いだった。

ある日、宇宙船に乗り、地球を離れるというシーンの撮影中にものすごい地震が起きてしまう。その余波で、千代子は宇宙船のセットの下敷きになってしまい、大けがを負った。

その事故の後、千代子の姿は消えた。これが、千代子にとって事実上の引退となってしまう。なぜ、引退したかについては、“鍵の君”に老いた自分を見せたくないからだと千代子はインタビューで答えた。

病院に運ばれた千代子は、“鍵があるから。会えるかどうかどちらでもいいの。”と、ファンである立花に話した。

再び、宇宙船内へ。20代の千代子(折笠富美子)は微笑んでいた。
“だって、私、あの人を追いかけている自分が好きなの!”と。

千年女優 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2001年
  • 上映時間:87分
  • ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、ファンタジー、アニメ
  • 監督:今敏
  • キャスト:折笠富美子、小山茉美、荘司美代子、飯塚昭三 etc

千年女優 批評・レビュー

映画『千年女優』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

人生を賭けた愛の物語~「千年女優」の女優魂を見よ!

「千年女優」のモデルは、きっと原節子さんだと思う。女優として、1番美しい時に引退されたのだからいつまでも記憶に美しいままだ。

現実と幻想が交差する刹那、女優藤原千代子は、生き生きと輝いています。昭和の香りや彼女の内的世界が見事に表現されていて素晴らしい。

これがもし実写だったら?やはり、アニメだからこそ、上手く描けているのだと思います。
またハスの花が象徴的に描かれていることで、輪廻を想像させ、千年の呪いをかけられた女性の人生が色鮮やかに甦ります。

女優藤原千代子が生涯思い続ける、鍵の君が一体どんな感じの男性かあまり語られていないのですが、そこも想像力を掻き立てる魅力だと思います。

また3世代に渡って、3人の声優が演じる点にも注目して下さい。
個人的には、“鍵の君”を想い続ける千代子に共感はしなかったが、女優という生き物の想像力にヤラレてしまいました。

もっと今敏(こんさとし)の作品が観たい!

「千年女優」や「東京ゴッドファーザーズ」などを製作した今敏監督は、惜しまれつつ2010年に病気で亡くなられています。

今敏監督ははじめ、漫画家デビューをし、その後「AKIRA」を作った大友克洋監督に師事しています。

「機動戦士ガンダム」シリーズや「童夢」、テリー・ギリアム作品などに影響を受け、“幻想と現実の狭間”を常に描き続けたのです。

それでは、今敏監督作品でおすすめ2作品をみてゆきましょう。まず、1作目は、「PERFECT BLUE」(98)。「千年女優」とイメージが少し被るのですが、アイドルが主人公のサイコ・ホラーです!

2作目は、「MEMORIES」(95)。大友克洋監督、今敏脚本の作品。3編のオムニバス形式の作品で、第1編目の「彼女のおもいで」という作品が素晴らしい!
ブラックな作品ばかりですが、大人にこそ観てほしい。

このように今敏作品は、観終わった後にじわじわと来るものが多く、時に幻想と現実の境目が分からなくなるほどの破壊力があります!

千年女優 感想まとめ

日本のアニメは、ジブリや押井守監督作品だけじゃない!という、プライドを見せてくれる今敏監督作品です!

「千年女優」の面白さは、絵のクオリティの高さはもちろんのこと、女優藤原千代子の人生を多元的に魅せたところ。女優魂や鍵の君への執着心など、人間のドロドロした心の裏側さえもスケール感大きく描いている点ではないでしょうか。

実写にはできない、アニメーションだからこそ出来る表現を駆使した作品であり、大人が楽しめるものです!これまで、名前は知っていたけど観そびれていたというあなたにぜひ、おすすめします!

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