映画『バファロー大隊』あらすじネタバレ結末と感想

バファロー大隊の概要:南北戦争直後の西部の砦で殺人事件が起こる。被告人の黒人曹長は無罪を主張し、弁護をする中尉は真実を明らかにしながら、人種差別とも闘う。ジョン・ファード監督による異色の西部劇。1960年公開のアメリカ映画。

バファロー大隊 あらすじネタバレ

バファロー大隊
映画『バファロー大隊』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

バファロー大隊 あらすじ【起・承】

1880年アメリカ西部のアリゾナにあるトリトン砦で陸軍のダブニー少佐とその娘のルーシーが殺害される。少佐は心臓を撃ち抜かれ、ルーシーは暴行されたうえで絞殺されていた。ルーシーの首元からはいつもしていた金の十字架がなくなっていた。

被告人は現場から逃走した第9騎兵隊1等兵のラトレッジ曹長(ウディ・ストロード)とされ、同じく騎兵隊のカントレル中尉(ジェフリー・ハンター)が軍法会議において弁護をすることになる。検察側のシャタック大尉は暴行殺人罪でラトレッジを起訴するが、ラトレッジとカントレルは無罪を主張する。議長はフォスゲート大佐が務め、裁判が始まる。

証人として出廷したメアリー(コンスタンス・タワーズ)は、事件のあった夜、東部からアリゾナへ帰ってきた。メアリーはスピンドル駅で下車し、駅長が殺されているのを見る。そこに腹を負傷したラトレッジが現れ、アパッチの襲撃から彼女を守ってくれる。黒人のラトレッジは差別的な目で見られていたが、彼女はラトレッジを命の恩人だと証言する。

事件の翌朝、カントレルは駅でラトレッジの身柄を確保し、騎兵隊とともにメアリーを実家の牧場まで送り届けることになる。カントレルは優秀な軍人のラトレッジを信じていたが、奴隷出身のラトレッジは黒人差別の不条理を嫌というほど経験しており、自分の無罪は立証できないと考えていた。

途中でアパッチに殺害された雑貨店を営むハブルの息子・クリスの遺体が発見される。さらにアパッチの襲撃により部下が殺され、その際ラトレッジが逃走する。しかし、アパッチが連隊を待ち伏せしているのに気づいたラトレッジは、自らの自由を捨て、連隊に戻ってくる。そのおかげで隊員たちはアパッチを撃退することができる。

バファロー大隊 あらすじ【転・結】

メアリーの父は殺害され、牧場も燃やされてしまい、連隊は一晩野宿をする。翌朝、偵察に出たカントレルは、アパッチの死体から“C.H”のイニシャルが入った防寒着と金の十字架を発見する。これによりカントレルはラトレッジの無罪を確信する。

法廷でカントレルは金の十字架と防寒着を証拠品として提出し、事件の真相を説明する。あの晩、アパッチの襲撃を少佐に知らせに行ったラトレッジは、そこで無残なルーシーの死体を発見する。彼女に布をかけてやっていたところに少佐が現れ、激昂してラトレッジに発砲。ラトレッジは仕方なく少佐を撃つ。犯人はアパッチに殺害されていたクリスであり、そのためアパッチが金の十字架と防寒着を持っていた。

検察側は金の十字架はありふれた市販品であり、防寒着のイニシャルも該当者が多数いるため証拠品にはならないと主張する。しかしここでクリスの父であるハブルがルーシーの十字架には小さな傷があり、それで見分けがつくと言いだす。そして十字架には確かに小さな傷があった。

急遽証人席に座ったハブルは息子のために無実の人間を死刑にすることはできないと言う。しかしカントレルはハブルの嘘を見抜く。実はルーシーを暴行し殺害したのはハブルであり、殺された息子に罪をなすりつけようとしていた。ハブルはカントレルに厳しく追求され、ついに自分の罪を自白する。これによりラトレッジは正当防衛と無実が認められ、優秀な軍人として隊に復帰する。

バファロー大隊 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1960年
  • 上映時間:111分
  • ジャンル:西部劇、ミステリー、ヒューマンドラマ
  • 監督:ジョン・フォード
  • キャスト:ジェフリー・ハンター、コンスタンス・タワーズ、ウディ・ストロード、ビリー・バーク etc

バファロー大隊 批評・レビュー

映画『バファロー大隊』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

法廷ミステリーとして楽しめる西部劇

本作はラトレッジ曹長の無罪を立証する法廷の場と、証人の証言に基づく回想シーンが交互に繰り返される構成だ。回想シーンには西部で活躍する騎兵隊が先住民のアパッチと戦うアクションも盛り込まれ、西部劇と法廷劇の両方が楽しめるようになっている。

全体に演出があっさりしているので、暴行殺人という事件の残酷性やラトレッジ曹長に対する人種差別の問題も極端な悲壮感なく見られる。法廷が密室での人間ドラマであるのに対して、回想シーンでは西部の大自然を堪能できるのも魅力だ。広い空と赤茶色の荒野がどこまでも続く景色は壮大で、騎兵隊の姿も勇ましい。特にアパッチたちが砂煙をあげながら次々と落馬していくシーンはかなりの迫力で、思わず見入ってしまった。

まっすぐなストーリー

ラトレッジ曹長は昔奴隷をしており、軍隊に入ることで自由を得た。彼は兵士としても人間としても非常に立派な男で、部下からの信頼も厚い。彼の弁護を担当したカントレル中尉は白人だが、ラトレッジ曹長に差別意識はなく、苦楽を共にしてきた友人として彼を見ている。長く差別に苦しんできたラトレッジ曹長は自分が無罪になることを諦めていたが、カントレル中尉の友情に背中を押され、法廷で闘う決意をする。また、ヒロインのメアリーも正義感の強い純粋な女性で“黒人だから”という色眼鏡でラトレッジ曹長や他の騎兵隊員を見ることはない。

この設定はもしかしたら非現実的なのかもしれない。それでもあくまでこの映画は“正義を行使する”という理想論で貫かれている。現在でも黒人への差別が続くアメリカ社会の闇を考えると、本作を生ぬるいと感じる人もいるだろう。しかし、個人的には人間の良心を信じようとするまっすぐなストーリーには好感が持てた。リアリティはなくとも夢のある結末には未来への希望を感じるし、何より見ていて気持ちがいい。

バファロー大隊 感想まとめ

西部劇を好んで見る方ではないが、本作は楽しめた。黒人の騎兵隊という設定も新鮮で、ラトレッジ曹長を演じたウディ・ストロードがとても良かった。“黒人男優の父”と呼ばれているだけあって、彼の凛々しい姿は登場から目を引く。毅然とした軍人でありながら、一方で黒人としての苦悩を抱えるラトレッジ曹長の複雑な内面を、彼は重厚に演じていた。

いろいろ細かい点では気になることもあるのだが、おおらかに見れば十分に楽しめる。ヒューマンドラマとしても、なかなかの良作ではないだろうか。

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