映画『セッション』あらすじとネタバレ感想

セッションの概要:世界最大規模を誇るインディペンデント映画の祭典であるサンダンス映画祭でグランプリを受賞するなど、高い評価を誇る。監督は撮影時、弱冠28歳のデミアン・チャゼル。

セッション あらすじ

セッション
映画『セッション』のあらすじを紹介します。

19歳のネイマン(マイルズ・テラー)はプロのジャズドラマーになることを夢見て、名門であるシャッファー音楽学校へ進学する。音楽学校で練習を重ねるネイマンであったが、そこでテレンス・フレッチャー(J・K・シモンズ)に才能を見出され、スタジオバンドのメンバーとして加入することとなる。

一見、歓迎されたように見えたネイマンだったが、過剰とも言えるフレッチャーの暴言や暴力を受けながら、しごかれることとなる。しかし猛特訓虚しく、ネイマンは正式なメンバーとしてはカウントされず、補欠としての扱いを受ける。

ある日、正規メンバーのドラム楽譜をネイマンが紛失してしまい、ドラム担当の正規メンバーは演奏ができなくなってしまう。そこでドラム楽譜を暗譜していたネイマンが代わりにドラムを叩くこととなる。ネイマンの演奏は完璧で正式メンバーとして昇格することとなった。

しかし、正式メンバーとなったのもつかの間、突如現れたライアン(オースティン・ストウェル)にその座を明け渡してしまう。ハングリー精神に溢れたネイマンは再び強烈な演奏を見せつけ、再度ドラマーの座を手に入れる。

バンドのコンペティション当日、ネイマンはやむを得ない事情で本番の集合時間に遅れ、いままでの努力を無に帰してしまう。すべてを失ったネイマンは一体どうなってしまうのか。

セッション 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2015年4月
  • 上映時間:107分
  • ジャンル:アクション、サスペンス
  • 監督:デイミアン・チャゼル
  • キャスト:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ、メリッサ・ブノワ、ポール・ライザー etc

セッション ネタバレ批評

映画『セッション』について、感想批評です。※ネタバレあり

「目を見る」ということ

ネイマンはフレッチャーから指導を受ける際、相手の目を見るよう教育される。ネイマンは相手の目を見ない人物だったのだ。相手の目を見ることで自分の感情をむき出しにして伝えるということを体得したネイマンであったが、これと同時に彼が得たものがもうひとつある。「相手の目を見る」という行為は、同時に「相手から見られる」ということでもある。そう、彼は同時に「他人の目」という新たな概念を意識上に表面化させることとなるのだ。実際、これ以降、ネイマンはフレッチャーに気に入られることだけを求めるようになっていく。

初期衝動を失ったネイマン

終盤、ネイマンは幼いころの自分がドラムを叩く姿をホームビデオで見て涙を流す。ネイマンは、もはや自分の中に純粋な初期衝動がないことに気づいてしまったのだ。他者からどう見られるかを意識しすぎたあまり、音楽に向き合う姿勢を欠いていたということに気付かされる訳だ。

ネイマンはフレッチャーと揉め、音楽学校を退学となりドラマーの道を諦めるが、ドラムを壊したり捨てたりせず自宅のクローゼットに仕舞ってあることからも、未だどこかで夢を諦めきれていないことが伺える。一度、夢も愛する人をも捨てたことで、失うものがなくなったネイマンは音楽そのものに向き合うこととなる。

ラストドラムの熱演

物語ラストのドラムの熱演は圧巻である。単純な物語のカタルシスがここにあるのはもちろんのこと、演出も冴えている。ネイマンは誰とも目を合わせず、目の前のドラムをひたすら叩くのだ。彼はようやく、他者の視点という呪縛から脱却したのだ。そしてこれがフレッチャーと分かり合えた初めての瞬間でもある。他者と真に交流するということは、心でお互いに語り合うことなのだ。

セッション 感想まとめ

音楽を扱った映画でありながら、本作はアクション映画でもある。本心をお互いにぶつけあうという意味では、ある意味殴り合いなのだ。

時にそういった本気の殴り合いは、第三者から見れば滑稽である。本気で取り組むということは独善的なことなのかもしれない。本作ではラストの演奏シーンで引きのロングショットが効果的に多用される。あの世界の高次に達しているのはネイマンとフレッチャーだけで、観客もほかのバンドメンバーも置いてけぼりなのだ。

しかし格闘技と唯一異なるのは、勝敗がすべてではないということである。自分が真に納得できるものを実現できればそれで良いのだ。それを他者がどう言おうと関係ない。自分の人生は他でもない、自分のものなのだから。

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