映画『シャドー・ダンサー』あらすじとネタバレ感想

シャドー・ダンサーの概要:息子の命を守る為、密告者となった母親。かつての仲間から疑われ、命を狙われる日々が続く中、浮上したのは新たなスパイ『シャドーダンサー』の存在。その正体が明らかとなった時、スパイは本当の母の愛を知る…。

シャドー・ダンサー あらすじ

シャドー・ダンサー
映画『シャドー・ダンサー』のあらすじを紹介します。

時は’70年代の北アイルランド。
シングルマザーのコレット(アンドレア・ライズブロー)は、幼い頃に英国警察の発砲事件で弟を失って以来、家族でIRA(アイルランド共和軍)の活動に身を投じていた。それから20数年後の’93年、コレットは爆破テロ未遂事件でMI5(英国諜報局保安部)に逮捕されてしまう。
そこで彼女はMI5の捜査官マック(クライブ・オーウェン)から、密告者となり仲間を売るか、幼い息子との生活を取るかどちらかを選べと究極の選択を迫られ、密告者の道を選ぶ。

コレットの密告により、IRAのテロは実行前にMI5の手により未然に食い止められる様になり、IRA側も密告者の存在を疑う様になった。そんな日々が続く事にコレットは怯え続けていた。

その一方マックは、MI5上層部がコレットの他にもう一人のスパイ『シャドーダンサー』を隠しているのでは…という疑惑にぶち当たる…。

シャドー・ダンサー 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2011年
  • 上映時間:101分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
  • 監督:ジェームズ・マーシュ
  • キャスト:アンドレア・ライズブロー、クライヴ・オーウェン、ジリアン・アンダーソン、ブリッド・ブレナン etc

シャドー・ダンサー ネタバレ批評

映画『シャドー・ダンサー』について、感想批評です。※ネタバレあり

映画から読み取れる’90年当時の英国とアイルランドの関係

原作は、映画の脚本も務めるトム・ブラットビーの『哀しみの密告者』。監督に脚本を売り込み、10年の歳月を経て映画化されたのがこの作品である。

映画の舞台となった’90年代のアイルランドと英国の関係は、表面上の和解というだけで紛争は絶えなかった。

当時アイルランドに住む人々は、家族が死ぬ、夢に破れると、テロに走ると言われていた。この映画ではコレットの弟が英国警察の事件に巻き込まれた事によりコレットの家族は一気にIRAの活動に巻き込まれた事になる。つまり弟を殺したのは英国だと思う事で家族は団結していたと読み取れるのだ。

シャドーダンサーの正体

一方シャドーダンサーの正体だが、マックの上司ケイト(ジリアン・アンダーソン)は誰なのか知っている。しかしそれを明かさない。それかコレットが密告者にされた理由と似ているからだ。

そしてコレットが密告をつづけた為にIRAのテロ活動は未遂に終わり彼女に疑惑がかかり殺されそうになる。
そんな彼女を救ったのは皮肉にもシャドーダンサーだった彼女の母(ブリット・ブレナン)であり、彼女はIRAのボスに殺される。彼女は『家族』を守る為ケイトにより『密告者』にされ、コレットの犯行がばれたのは母親の密告の為だった。

マックの運命は

シャドーダンサーであった母を殺され、兄弟たちには密告者と恨まれ、コレットはもはやマックしか頼る人間は居ない。
しかしマックは、IRA側、MI5側両方から疎まれていたのか、車の電話がなったので取ると、車が爆発し即死してしまう。

コレットはマックの死を兄から知り、兄と共に外国に亡命するが、息子には『これから旅に出るから』と言い残して去っていく。

だが彼女の身の安全は、これから誰が保障してくれるわけでもない。兄でさえも、一時は母親共々自分を敵に売った姉を信頼しているとは思えない。
どこか暗澹としたエンディングだが、人間関係が原点に抱える闇を暗示しているようでもある。

シャドー・ダンサー 感想まとめ

IRAという原作のバックグラウンドを除いても、この映画の根底にあるのは大事な家族を守りたいという母親の愛だ。それを利用した組織の憎悪も絡んでいる。
最初に娘と息子を守りたいという母親が居た。その娘が母親になった時、娘は母親に『売られ』、自分の家族を売る新たな密告者に仕立てられてしまう、

しかもそれは母親を守る為の捨て駒扱いであり、その事に気付いたマックが何とかしてコレットだけでも助けようとしたにも拘わらずコレットの兄弟にあっけなく殺されてしまうラストは、紛争が生んだ計り知れない犠牲なのだと思う。

この映画から学べるものは、紛争は負の連鎖しか生み出せないという事だろう。

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