『シェルタリング・スカイ』あらすじとネタバレ映画批評・評価

シェルタリング・スカイの概要:1990年制作のイギリス映画(原題:The Sheltering Sky)。主演にデブラ・ウィンガーとジョン・マルコヴィッチ、監督がベルナルド・ベルトリッチという芸術的にも話題となった映画である。

シェルタリング・スカイ

シェルタリング・スカイ あらすじ

映画『シェルタリング・スカイ』のあらすじを紹介します。

モロッコを旅する結婚10年目を迎えた夫婦キット(デブラ・ウィンガー)とポート(ジョン・マルコヴィッチ)、そして友人のタナー。
夫婦は倦怠期を迎えており、昔のような気持ちを取り戻すかのように旅をしていた。しかしあるときキットはタナーと、ポートは現地の女性と男女の関係になってしまう。
妻の友人との不倫関係に気がついたポートは妻とをタナーから離し二人になって、関係を修復しようとしていた。

しかし一度すれ違った気持ちはすぐには交わることはない。
そんな時ポートはパスポートを紛失、その後腸チフスにかかり体調を崩してしまう。キットは必死で看病するもポートは旅先で命を落としてしまった。
キットはいかに彼が自分にとって大事であったかを痛感させられる。

しかし何もなくしてしまった今、偶然出会ったキャラバンの隊長に体をあずけてしまう。
彼の周りの女性に気づかれ追われるキット。
ここで捜索願をだしていたタナーのおかげで領事館員により無事に保護された。
旅で愛する人も平穏な生活も失ってしまったキットに映る砂漠の風景は、あまりに美しく残酷で悲しいものとなってしまった。

シェルタリング・スカイ 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1990年
  • 上映時間:138分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:ベルナルド・ベルトルッチ
  • キャスト:デブラ・ウィンガー、ジョン・マルコヴィッチ、ジル・ベネット、キャンベル・スコット etc

シェルタリング・スカイ 批評 ※ネタバレ

映画『シェルタリング・スカイ』について、3つ批評します。※ネタバレあり

人間の傲慢さと自然の美しさの比較が芸術的

人間とは勝手な生き物である。平穏な生活を約束されている時は刺激を求めそれを壊そうとし、その生活が脅かされた瞬間に失いたくないと願ってしまう。
この映画ほどスケールが大きくなくとも、まさに誰しもが経験するような日常に溢れたストーリーである。
その人間独特の傲慢さと砂漠の美しすぎる風景がなんとも幻想的で素晴らしい。
ラスト・エンペラーでその才能を評価された監督だからこそ、描くことができた風景画のような映画である。
結果的に悲劇を迎えてしまうラストシーンに映る、どこまでも続く空とキットの人生が暗いものに変わっていくだろう暗示がまた対照的に思えて考え深いものがある。

音楽が感傷的すぎる

この映画の音楽を担当したのが日本人作曲家・坂本龍一である。
坂本龍一の音楽は美しく、この人間の悲しい物語をよりドラマティカルにしてくれることは間違いないのだが若干やりすぎである。
音楽が観客の気持ちを煽りすぎて逆に冷めてしまう。
音楽でその場の情景をイメージさせたい気持ちはわかるのだが、このベルトリッチ監督は彼自身に才能があり映像で伝える技術を持ち合わせている。
そのため、これでもかと煽られると引いてしまうのだ。
音楽はもっと控えめにして、より映像に集中できる環境を作り上げて欲しかった。

この映画を面白いという年齢層

この人間の極論とも言える悲惨な映画を、納得してみることができるのは年輪を重ねてきた大人だけかもしれない。
あまりに人生の経験が不足している者や、若者が鑑賞するとつまらなすぎて眠ってしまう可能性も。
風景は砂漠がメインで移り変わることもなく、ひたすら倦怠期の男女の気持ちを静かに描いていくだけの映画という風にうつる人も中には大勢いるだろう。
鑑賞する年齢によって見方が様々であると思われる本作は、万人にうけるのは難しい映画である。

まとめ

芸術的作品と称される映画はいつの時代も賛否両論、もしくは紙一重である。
複雑で人間の美しさを描いていることで芸術性があるといわれることもあれば、ただの理不尽な人間の欲求を描いているだけと言われることもある。
このシェルタリング・スカイはその部類の映画の代表である。
モロッコの風景は美しく、これから起こるであろう人間の悲惨な未来と対照的な映像が吉とでるか凶とであるかは観客次第なのである。

また生きていたら一度は感じるだろう人生の無常さに、女性は特に共感を覚える人も多いかもしれない。
切なく幻想的でなおかつありがちな場面を、映画として美しく撮影しただけのもの。誰にでも起こりうる空虚感の恐怖は、見ようによっては恐ろしくリアルな映画である。

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