『ショート・ターム』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

児童保護施設を舞台にそこで生活する子どもたちと彼らを見守る職員のこころの葛藤を追うヒューマン映画。主人公自身も家庭に問題があり、過去の傷を癒せないまま子ども達と向き合う姿が切なくもあり強く逞しく生きていくことを感じさせる物語。

あらすじ

ショート・ターム』のあらすじを紹介します。

ショート・ターム12は様々な理由から親元を離れた子ども達が集まる児童保護施設。
ここで働くグレイスは毎日子ども達の生活を見守り、彼らが自律して生活できるようにサポートしている。
この施設では、トラブルがない日はない。同僚たちと新人スタッフのネイトに思い出話をしていた時、心に傷を抱えた少年サミーが施設を逃げ出してしまう。サミーを追いかけるグレイス。そんな姿を見て、とんでもない所に来たと感じた様子のネイト。しかし、この程度の騒ぎは序の口であったのだ。

ある日、ジェイデンという女の子がショート・タームで暮らすことになった。周囲と仲良くしようとせず、突然、発作のように騒ぎ、自傷行為を繰り返すジェイデン。なんとか打ち解けようとするグレイスは、彼女と話すうちにグレイスが父親から暴力を受けていることに気付く。しかし、ジェイデンは週末を父親と過ごす約束でショート・タームに来ている。暴力を振るう親元には返せないと所長に主張するグレイスだが、解決方法はジェイデン自らが暴力を振るわれている事実をカウンセラーに伝えるしか方法がないと言われる。

親でもなく家族でもない、他人でありながらまるで自分の過去を見ているように感情的になり子どもを守るグレイス。子ども達との出会いの中で彼女自身も辛い過去の記憶を乗り超えていく。

評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2014年11月15日
  • 上映時間:97分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、ドキュメンタリー
  • 監督:デスティン・ダニエル・クレットン
  • キャスト:ブリー・ラーソン、ジョン・ギャラガー・Jr.、ケイトリン・デバー、ラミ・マレック、キース・スタンフィールド etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

『ショート・ターム』について、2つ考察・解説します。※ネタバレあり

今後の活躍に期待!25歳のヒロイン

主人公のグレイス役を演じているのはBrie Larson。1989年10月1日生まれの25歳である。女優である傍ら歌手としても活躍している
小学生の頃に「Touched By an Angel」というアメリカドラマで女優としての才能を評価され、「Raising Dad」(2001)、ディズニーチャンネルの「Right on Track」(2003)のキャストとしてなどジャンルを問わず幅広く活躍している。本作品前にも「The Spectacular Now」(2013)や「21 Jump Street」(2012)などひっきりなしに出演しており、まさに引っ張りダコの人気女優である。
また、すでに2015年に公開の映画「Brooklyn Bridge」や「Digging for Fire」への出演が決まっており、今後とも活躍に目が話せない。

親って何?親に恵まれないと幸せになれないの?

劇中に新人スタッフのネイトが「恵まれない子ども達」と皆の前で言ってしまい、施設の子どもの反感を買うシーンがある。こどもたち自身も自分の置かれている立場や社会的な立場をよく分かっているから、こういう言葉に敏感に反応していまうのだ。

「恵まれない」とはつまり「親に恵まれない」ということなのだろうか。
本作品の中で、少年マーカスは18歳を迎え施設を出ていく。自分を生んだ親を憎み、施設を出ることに不安を隠せない彼は仲間に八つ当たりし、自傷行為もしてしまう。しかし、彼は施設を出たあとにガールフレンドができ、オシャレな格好をしてカプチーノを飲んでいるところを目撃される。すっかり大人の仲間入りして、彼自身の人生を楽しむことができているのだ。

親はあくまで生んでくれた人であり、子どもが大人になってしまえば、人生は自分の物にできるということを示していた。またたとえ親に恵まれなかったとしても、その親との辛い記憶や自分の傷を乗り越えて強くなれば、けっして親と同じような人生を歩むことは決してないということ証明してくれた結末であった。

まとめ

こういった「恵まれない家庭」を題材にした作品は多く、けっして絵に描いた餅ではなく、実際に起こっている社会的な問題である。

しかし、劇中の登場人物のような家庭に恵まれない人だけではなく、人間は誰しもが心の中で何かしらの葛藤を続けている。自分へのコンプレックスであったり、人生への不安や不満、さまざまな事に私たちは悩み苦しんでいる。
これらの苦しみを他人と比較したり、自分よりも不幸な状況を知って自分の苦しみを和らげるために本作品があるのではないと思う。

本作品が存在する価値は、そうした1人1人が抱える悩みの中にも、ちょっとした変化や幸せというものが必ずあるということ、また、時間の経過とともに必ず良い方向に向かう瞬間があるということを伝えていることにある。

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