映画『幸せなひとりぼっち』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「幸せなひとりぼっち」のネタバレあらすじ結末

幸せなひとりぼっちの概要:最愛の妻に先立たれた59歳のオーヴェは、人生に絶望し、何度も自殺を試みる。しかし、彼を必要とする人たちにいつも邪魔され、なかなか死ねないのだった。スウェーデン発の心温まるヒューマンドラマ。人物描写が丁寧で、じわじわと胸に染み入る秀作。

幸せなひとりぼっちの作品概要

幸せなひとりぼっち

公開日:2015年
上映時間:116分
ジャンル:ヒューマンドラマ、コメディ
監督:ハンネス・ホルム
キャスト:ロルフ・ラッスゴード、イーダ・エングヴォル、バハール・パルス etc

幸せなひとりぼっちの登場人物(キャスト)

オーヴェ(現在:ロルフ・ラスゴード / 青年期:フィリップ・バーグ)
スウェーデン郊外の庶民的な町で暮らす59歳の男性。最愛の妻に先立たれ、43年間勤めてきた鉄道会社もクビになり、自殺を決意する。毎朝自主的に見回りをして、町の秩序を守っている。怒りっぽい性格なので、周囲からは変人扱いされている。
ソーニャ(イーダ・エングヴォル)
オーヴェの妻。容姿も人柄も申し分のない女性。車椅子生活をしながら特別学級の教師として働き、半年前にガンで亡くなった。
パルヴァネ(バハー・パール)
オーヴェの家の向かいに引っ越してきたペルシャ人。夫と2人の幼い娘がおり、3人目を妊娠中。明るく前向きな女性で、オーヴェの頑なな心を和らげていく。

幸せなひとりぼっちのネタバレあらすじ

映画『幸せなひとりぼっち』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

幸せなひとりぼっちのあらすじ【起】

スウェーデンの小さな町で暮らすオーヴェは、半年前に最愛の妻ソーニャに先立たれ、寂しい日々を送っていた。彼は毎朝自主的に町を見回り、町の安全と秩序を守っている。しかし、気が短いので誤解されやすく、近所の人からは変人扱いされていた。

59歳になるオーヴェは、43年間、鉄道局の職員としてまじめに働いてきた。しかし、退職を待たずしてリストラの対象にされてしまい、会社をクビになってしまう。

人生に絶望したオーヴェは、ソーニャが死んでからずっと考えていた自殺を決行する。天井のフックにロープをかけ、まさに首を吊ろうとした時、家の前が騒がしくなる。向かいに引っ越してきたペルシャ人一家の車が、うまくバックできなくて困っていた。オーヴェは自殺を中断し、運転を代わってやる。その一家は、妊娠中のパルヴァネという元気な母親とその夫のパトリック、そして幼い姉妹のいる4人家族だった。

翌朝、オーヴェはいつものように見回りに出て、パルヴァネ一家のトレーラーに「駐車禁止」のメモを残す。家の前の道は、車の通行が禁止されていた。しかし、ルネの家に通っている介護施設の職員は、何度言っても車での通行をやめない。その男は、タバコのポイ捨てまでしていた。

オーヴェは毎日ソーニャの墓へ出かけ、彼女に話しかけていた。ソーニャが死んでから、腹の立つことばかりで、オーヴェは愚痴をこぼし続ける。

オーヴェが再び首を吊ろうとしていると、玄関の呼び鈴が鳴る。それがあまりにしつこいので、オーヴェは仕方なくドアを開ける。外にはパルヴァネ一家がいて、昨日のお礼にとペルシャ料理を持ってきてくれた。オーヴェは迷惑だったが、一応受け取っておく。

幸せなひとりぼっちのあらすじ【承】

今度こそ本当に首を吊ったオーヴェは、薄れゆく意識の中で、昔のことを思い出す。

オーヴェの母親は、彼が7歳の時に亡くなった。まじめで無口な父親とオーヴェは、静かに母親の死を悲しむ。

鉄道局で働いていた父親は、車いじりと家の修理が大好きで、オーヴェに車の構造を教えてくれた。父親はお人好しの正直者で、オーヴェはそんな父親が大好きだった。しかし父親は、オーヴェが16歳の時、車庫に入ってきた電車に轢かれて亡くなってしまう。

天井から吊るしたロープが切れ、オーヴェは意識を取り戻す。死ねなかったオーヴェは、パルヴァネの作ったペルシャ料理を食べる。彼女の料理は、とてもおいしかった。

オーヴェは、体が不自由になっているルネの家へ行き、ホースを返してもらう。ついでに奥さんのアニタから頼まれていたヒーターの修理をする。オーヴェとルネは親友だったが、小さな行き違いから仲がこじれ、長い間疎遠になっていた。オーヴェはルネに“この世とお別れする”と打ち明ける。するとルネは、オーヴェの持ったホースを引っ張る。ルネは話せないだけで、こちらの話は分かっているようだった。

幸せなひとりぼっちのあらすじ【転】

オーヴェは車の排気口にホースをつなぎ、一酸化炭素中毒死を試みる。薄れていく意識の中で、オーヴェはまた昔のことを思い出す。

父親が亡くなった後、オーヴェは父親と同じ鉄道局に就職する。ある晩、隣の家が火事になり、オーヴェは室内に取り残されていた老人と子供を助ける。その間に、オーヴェの家も燃え始める。役所の人間は“解体予定の家だから”と言って、消火作業を中止させる。

家を失ったオーヴェは、車庫に停車中の電車で眠る。翌日、目覚めた時には電車が走り出しており、目の前には美しい女性が座っていた。それがソーニャとの出会いだった。ソーニャは笑顔でオーヴェの切符代を払ってくれる。

次の日からオーヴェは毎朝同じ電車に乗り、ソーニャを捜す。そして3週間後、ついにソーニャと再会する。オーヴェは彼女に“軍隊にいる”と嘘をつき、お金を返そうとする。しかし彼女は、“お金よりもレストランで食事をしたい”と申し出る。

高級レストランで、オーヴェはスープだけを注文する。ソーニャに理由を聞かれ、オーヴェは“君が好きなものを注文できるように食事を済ませてきた”と答える。オーヴェは正直に、自分は列車の清掃係で、家も焼けて貧乏であることを告白する。するとソーニャは、いきなりオーヴェに熱烈なキスをする。彼女はオーヴェの誠実な人柄を愛してくれた。2年後、オーヴェはソーニャにプロポーズし、2人はめでたく結婚する。

そこでオーヴェの意識が戻る。ちょうどパルヴァネがやってきて、パトリックがハシゴから落ちて病院へ運ばれたので、車で送って欲しいと頼みにくる。彼女は免許を持っていなかった。病院でオーヴェは姉妹の世話を頼まれ、絵本を読んでやる。姉妹はオーヴェに懐いてくれた。

なかなか死ねないオーヴェは、電車に飛び込もうと駅のホームに立つ。ところが、隣の男性が倒れてホームに転落してしまい、オーヴェは彼を助ける。オーヴェはやはり死ねなかった。

パルヴァネ一家が引っ越してきてから、オーヴェの生活が少しずつ変わり始める。オーヴェは彼女に車の運転を教えてやり、怪我をした野良猫まで飼い始める。オーヴェは口が悪く怒りっぽいので誤解されやすいが、とても心の優しい男だった。

オーヴェはパルヴァネをソーニャのお気に入りだった店へ連れていき、ルネとのことを話す。オーヴェとルネは似た者同士で、理想も一緒だった。オーヴェは初代地区会長となり、ルネは副会長になる。そして2人は、協力して理想の町を作っていく。

ところが、車の趣味の違いという些細な相違点が発端となり、2人はだんだん疎遠になる。後にルネが地区会長に立候補して当選したことで、2人は完全に決裂する。

パルヴァネはオーヴェになぜ子供がいないのかを聞いてみるが、オーヴェは何も答えなかった。

幸せなひとりぼっちのあらすじ【結】

オーヴェは姉妹とすっかり仲良くなり、猫も可愛がる。ソーニャの教え子だったという若者のために、自転車の修理もしてやる。そんなオーヴェを、地元紙の女性記者が訪ねてくる。彼女はオーヴェが駅のホームで人を助けた現場にいて、それを記事にしたがっていた。しかしオーヴェは、それを断る。

パルヴァネは明るくなったオーヴェに、一緒にソーニャのものを整理しようと言ってみる。彼女はオーヴェに前へ進んで欲しかった。しかしオーヴェは怒り出し、“ソーニャ以外の人間はどうでもいい”と言ってしまう。

ちょうど通行禁止の道を介護施設の男の車が走っており、オーヴェは車の前に飛び出す。介護職員の男は、オーヴェのことをいろいろと調べており、ソーニャのことやオーヴェの病気のことまで知っていた。オーヴェは深く傷つき、その夜再び自殺を図ろうとする。しかし、ソーニャの教え子の若者とゲイの友達が家を訪ねてきて、ゲイの若者を家に泊めることになってしまう。

翌日、いつものように見回りに出たオーヴェの後を、ゲイの若者や近所の青年、そして猫がついてくる。近所の青年は、明日ルネが施設に連れて行かれるのだと話す。アニタはそれを望まず、3年も抵抗を続けていた。何も知らなかったオーヴェは、2人のために動き出す。

しかしオーヴェは、役所に文句を言うことぐらいしかできない。パルヴァネは、人を頼ろうとしないオーヴェの頑固さに腹を立てていた。パルヴァネに厳しく叱られ、オーヴェは初めてソーニャのことを語り始める。

待望の赤ちゃんを身ごもったソーニャは、赤ん坊が生まれる前にスペインへ旅行に行きたいと言い出す。2人はスペインで楽しい時間を過ごすが、帰り道でバスが崖下に転落し、ソーニャは意識不明の重体となってしまう。

ソーニャは一命を取り留めたが、お腹の赤ちゃんを失ってしまう。ソーニャは悲しみを乗り越え、車椅子生活を送りながら教師の資格を取る。しかしどこの学校でも車椅子の教師は採用してくれない。政府や役所は何もしてくれず、オーヴェは自力で学校にスロープをつけ、ソーニャを援護する。そのおかげで、彼女は特別学級の教師になり、問題を抱えた子供たちのために戦い、愛された。そして半年前、ガンで亡くなっていた。

翌日。ルネの家にやってきた介護施設の職員は、あの女性記者に不正な所得隠しを暴かれ、“編集長に話してもいいか”と脅される。家の前には、オーヴェやパルヴァネ、そして町の住民たちが集まっていた。男は、尻尾を巻いて帰っていく。

その帰り、オーヴェが心臓発作を起こして救急車で運ばれる。オーヴェの心臓は大きすぎるが、命に別条はないという医師の説明を聞き、パルヴァネは“死ぬのが下手ね”と言って笑い出す。そしてそのまま産気づき、赤ちゃんを出産する。

オーヴェはパルヴァネの赤ちゃんに、昔我が子のために作ったゆりかごをプレゼントする。パルヴァネの赤ちゃんを抱いたオーヴェは、優しいおじいちゃんの顔になっていた。

冬のある朝。目を覚ましたパルヴァネは、8時を過ぎているのにオーヴェが雪かきをしていないのに気づく。夫婦が急いで寝室に駆けつけると、冷たくなったオーヴェの上で猫が寝ていた。オーヴェは自分の寿命を悟り、きちんと遺言を残していた。

オーヴェの葬儀には多くの住民が集まる。彼は偏屈だったが、みんなから愛されていた。そしてオーヴェは、あちらの世界で、愛するソーニャと再会する。

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