映画『シシリアン(1969)』あらすじネタバレ結末と感想

シシリアン(1969)の概要:ジャン・ギャバンがパリに暮らすマフィアのボスを演じ、アラン・ドロンが演じる一匹狼の若きギャングと手を組んで高価な宝石を輸送する飛行機をハイジャックする。1969年公開のフランス映画。

シシリアン あらすじネタバレ

シシリアン
映画『シシリアン(1969)』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

シシリアン あらすじ【起・承】

フランスのパリ。ロジェ・サルテ(アラン・ドロン)は単独で宝石店を襲い15万ドル相当の宝石を盗み、さらに追ってきた警官を2名殺害した罪で留置されていた。しかし検察庁へ護送される際にマナレーゼ一家の助けを借りて脱走を図る。

ゲーム機器を製造するマナレーゼ商会の経営者ヴィットリオ・マナレーゼ(ジャン・ギャバン)はシチリア出身のマフィアのボスだった。ヴィットリオはシチリアの土地を買い占めようとしており、その資金集めのためにお尋ね者のサルテを家に匿う。一家の長男アルドの妻ジャンヌ(イリナ・デミック)がサルテの世話を任される。

フランス警察のル・ゴフ警部(リノ・ヴァンチュラ)は、サルテの行方を追っていた。サルテが接触してくる可能性の高い妹のモニクは常に警察の監視下にあった。

サルテは刑務所内で知り合った男からローマで行われている大宝石展の見取り図を入手していた。会場には5000万ドル相当の宝石が展示されており、サルテはヴィットリオにこの宝石強奪計画を持ちかける。しかしヴィットリオはサルテが信用できず、ニューヨークにいる古くからの友人トニーにも協力を依頼する。

見取り図には欠陥があることがわかり、次の会場のニューヨークに宝石を輸送する飛行機をハイジャックすることになる。ル・ゴフ警部は必死で捜索を続けていたが、サルテの行方は一向につかめない。サルテとジャンヌは一足先に一家の別荘へ移動しており、そこでヴィットリオの孫に浮気現場を目撃されてしまう。

シシリアン あらすじ【転・結】

サルテはロンドンの保険担当者エヴァンスになりすまし、ローマから宝石が積まれた飛行機に乗り込む。ヴィットリオたちは経由地のパリから飛行機に搭乗する。しかしパリで夫と合流予定だったエヴァンスの妻の証言により、フランス警察は飛行機にサルテが搭乗していることを突き止めていた。

ル・ゴフ警部はニューヨーク警察と連絡をとり、ニューヨークの空港は厳戒態勢となる。一方、機内ではヴィットリオ一味によって操縦室がハイジャックされており、機長は彼らの指示に従っていた。ニューヨーク上空に入った飛行機は急遽進路を変更し、建設中の高速道路へ着陸する。

そこで待機していたトニーの一味は迅速に宝石を運び出し、ヴィットリオ一味を拾ってあっという間に現場から逃走していく。サルテはメキシコへ逃亡するためニューヨークでトニーが匿い、ヴィットリオ一味はバラバラのルートでパリへと帰っていく。

パリの自宅で一家は和やかにテレビを見ていたが、海岸で男女が抱き合うシーンを見た孫が“ジャンヌとサルテさんみたい”と言い出す。これにより2人の浮気が発覚し、ヴィットリオはカタをつけることにする。

金の受け渡しを理由にサルテはパリへ呼び戻される。ジャンヌからの連絡で空港に来たモニクは警察に尾行されており、サルテが現れないことでモニクに声をかけたアルドたちも警察に逮捕されてしまう。サルテは用心のため予定より早い便でパリに入っていた。

息子たちを逮捕されたヴィットリオはジャンヌを連れて自らサルテと接触する。金の受け渡し現場でジャンヌとサルテは射殺され、自宅へ戻ったヴィットリオはそこで待っていたル・ゴフ警部に連行されていく。

シシリアン 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:1969年
  • 上映時間:124分
  • ジャンル:フィルムノワール
  • 監督:アンリ・ヴェルヌイユ
  • キャスト:ジャン・ギャバン、アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ、イリナ・デミック etc

シシリアン 批評・レビュー

映画『シシリアン(1969)』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

渋い!

一匹狼のサルテを演じたアラン・ドロンは目の覚めるような男前で、危ない男の色気をプンプンと匂わせている。一方、シチリア出身のマフィアのボスを演じたジャン・ギャバンはとにかく渋い。晩年を迎えつつある彼の重厚な存在感がたまらない。

長年の友人であるマフィア仲間のトニーとジャン・ギャバンの演じるヴィットリオが37年ぶりに再会するシークエンスでは、裏社会を生きてきた男同士のサバサバとした会話にしびれる。辛抱強くサルテの行方を追う警部を演じたリノ・ヴァンチュラとジャン・ギャバンが静かに迎えるラストシーンもグッとくる。もちろん警部はヴィットリオを逮捕するためマナレーゼ商会を訪れており、ヴィットリオもそんなことは百も承知だ。それでも警部の姿を見て慌てて逃げたりはしない。顔色一つ変えず、“また来ました”という警部に対して“いつでも歓迎だ”と答える。そして2人は二言三言言葉を交わし、友人同士のように肩を並べて去っていく。まさに渋々の男の世界。かっこよすぎる。

切ない結末

ヴィットリオはむやみに人を殺すようなこざかしい悪党ではなく、もっと器の大きなマフィアのボスだ。しかし故郷シチリアの土地を買い占めたいという野望のため、サルテという危ない男と手を組んでしまう。これが一家の命取りとなる。サルテとジャンヌが浮気したことがきっかけで息子たちは刑務所送りとなり、ヴィットリオも2人を始末した後、逮捕されてしまう。せっかく苦労してマフィアとしてのし上がってきた男の人生が、1人の若造の出現によって壊されてしまう結末は何だか切ない。マフィアの肩を持つというのもおかしな話だが、愛する故郷に錦を飾りたいというヴィットリオの願いは叶えてやりたかった。残された善良そうな奥さんもかわいそうだ。

シシリアン 感想まとめ

話自体がすごく面白いというわけではないのだが、こういう世界観が好きな人にはたまらない作品となっている。逃亡やハイジャックといったアクション部分よりも、シシリアン・マフィアのファミリーとしての結束や威厳ある父親の存在感が印象に残る。強い父親というのはやはりかっこいい。どんなことがあっても家族を守ってくれそうな包容力のある父親が私は個人的に大好きだ。男にはこうあってほしい。

派手なドンパチを期待する人には物足りないだろうが、名優たちの共演を堪能できる渋い作品なので、渋めのマフィア映画が好きな人にはオススメ。

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