映画『新・座頭市物語』のネタバレあらすじ結末

新・座頭市物語の概要:1962年の春と秋に公開された「座頭市物語」「続・座頭市物語」に続くシリーズ第3作目。前の2作はモノクロだったが、本作からはカラー映像となっている。世話になった師匠の妹と座頭市の儚い恋が物語の主軸になっており、前の2作とはまた違った印象を受ける。

新・座頭市物語の作品概要

新・座頭市物語

公開日:1963年
上映時間:91分
ジャンル:時代劇、ラブストーリー
監督:田中徳三
キャスト:勝新太郎、坪内ミキ子、河津清三郎、丹羽又三郎 etc

新・座頭市物語の登場人物(キャスト)

座頭市(勝新太郎)
盲目のヤクザで居合いの達人。表稼業は旅按摩。義理堅く優しい男だが、その強さが仇となり敵も多い。女性に対しても紳士的なのでよくモテる。
伴野弥十郎(河津清三郎)
市の師匠。下館の自宅兼道場で弟子に剣術を教えており、市もそこで修行した。武家といっても親の代から浪人の身分で、生活は苦しい。妹の弥生と二人暮らし。
弥生(坪内ミキ子)
伴野の18歳の妹。兄は妹を裕福な武家に嫁がせたいと思っているが、弥生はそれを拒んでいる。慎ましい娘だが自分の意志をしっかり持っており、自ら市に求婚する。
安彦の島吉(須賀不二男)
関宿の勘兵衛の弟。勘兵衛は市に斬られており、ヤクザのケジメとして市の行方を追っている。一本気で人間味のある男。

新・座頭市物語のネタバレあらすじ

映画『新・座頭市物語』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

新・座頭市物語のあらすじ【起】

あちこちで修羅場をくぐり抜けながら旅を続けている座頭の市は、4年ぶりに故郷の笠間へ足を向ける。ヤクザ稼業を続けていると人を斬る機会も増え、座頭市の名は有名になりつつあった。今晩も市に恨みを持つヤクザ者に取り囲まれるが、市はあっという間に男どもを斬り捨てる。しかし市は人を斬るたびに苦い後悔をするのだった。

街道を歩いていると妻と幼い子供を連れた幼馴染の為吉に声をかけられる。久しぶりの再会を喜んだ市は、為吉一家を誘って旅籠の雑魚部屋で酒を酌み交わす。するとそこへ刀を持った押し込み強盗の一味が入ってくる。市から金を巻き上げていった男の手の平にはサイコロの刺青があり、為吉はしっかりそれを見届けていた。そのヤクザ者が近くの貸元の子分だとわかり、市は金を奪われた貧しい人々のために貸元から金を取り返してやる。

関宿の勘兵衛の弟である島吉とその子分たちは、勘兵衛を斬った市の行方を追っていた。鬼怒川の湯治場で市を見つけた島吉は、ヤクザの意地で市に戦いを挑む。ところがそこへ市の剣術の師匠である伴野が現れ、市を下館の自宅兼道場へ連れて帰ってしまう。

新・座頭市物語のあらすじ【承】

伴野の自宅では妹の弥生が喜んで市を迎えてくれる。18歳になった弥生には裕福な武家へ嫁ぐ話があり、伴野はその話を進めていた。しかし弥生はそれを拒んで伴野に叱られる。その夜、市は伴野に誘われて自宅で酒をご馳走になっていたが、小僧の使いがやってきて伴野はどこかへ行ってしまう。弥生は市と2人きりになったことを喜んでいるようだった。

伴野を呼び出したのは水戸天狗党の残党の奥村紀之助だった。奥村と伴野は油屋という旅籠へ入る。幕府に追われている水戸天狗党は逃亡資金に窮しており、伴野に資金作りの相談をする。親子二代の浪人である伴野も荒んだ生活をしており、自分の弟子で大店の息子・欽吾を誘拐して身代金を巻き上げる手引きをしてやろうと約束する。宿には偶然島吉と子分もやってきて、伴野と鉢合わせしていた。

市は育ての親のお茂の家へ泊まっていた。朝、弥生がわざわざお茂の家まで来て、油屋に島吉たちが泊まっていると知らせてくれる。弥生はそのまま市を自宅に連れて帰る。伴野は今晩弟子たちに居合いを見せてやってくれと市に頼む。弥生も市も伴野の様子がおかしいことに薄々気づいていた。

新・座頭市物語のあらすじ【転】

その夜、欽吾と数名の弟子が市の居合いを見にくる。その様子を島吉と子分もこっそり見ていた。一同は市の技のすごさに息を飲む。その帰り、欽吾は待ち受けていた水戸天狗党の浪人たちに誘拐されてしまう。同行していた弟子から知らせを受けた伴野は家を飛び出して行く。伴野が家を出たのを見て、島吉は市と決着をつける覚悟をする。

残された弥生は、胸に秘めていた想いを市に告白する。それは自分を市のお嫁さんにして欲しいという弥生からのプロポーズだった。弥生は市の過去の過ちは気にしない、今日から改めてくれればそれでいいと言う。市は弥生の気持ちに感動し、今日から堅気になって弥生と所帯を持つと誓う。しかしそこへ島吉がやってくる。

市は島吉の前に刀を投げ、どんな折檻でも受ける覚悟で“命だけは助けてくれ”と土下座する。弥生も一緒に土下座をして市の命乞いをする。島吉は2人の熱意にほだされ、ヤクザの筋を通すために丁半博打で決着をつけようと言い出す。丁が出たら全てを水に流す、半が出たら市の右腕を切り落とすという条件で市がサイコロを振る。出たのは半だったが、島吉はそっとサイの目を丁に変え、“俺はもう二度と姿を現さないよ”と言って去って行く。市と弥生は島吉の優しさに深く感謝する。

新・座頭市物語のあらすじ【結】

島吉と入れ替わるようにして帰宅した伴野に弥生と市は結婚させて欲しいと頼む。しかし伴野は激昂し、散々市を罵った挙句、市に破門を言い渡す。市は伴野に歯向かうことができず、黙って弥生のもとを去って行く。

伴野は泣き崩れる弥生を置いて家を出て行く。お茂の家に戻った市は、外に弥生が来たのを感じて急いで旅立つ。油屋では島吉が酒を飲んでいた。そこへ伴野もやって来る。市のことを“泥棒猫だ”と罵る伴野に、伴野とここの女将ができていることを知っていた島吉は“人の女房を寝とる奴こそ泥棒猫だ”と口答えする。これに腹を立てた伴野は無慈悲に島吉を斬り殺してしまう。それを知った市は、伴野の横暴さに怒りを募らせる。

水戸天狗党の一味と出くわした市は刀を抜く。伴野は欽吾の身代金の受け渡し場所に先回りし、300両を持って来た父親を殺して身代金を奪う。その様子を弥生と市が逃した欽吾が見ていた。伴野は悲鳴を上げて逃げ出した欽吾を追って行く。欽吾を取り逃がした伴野は水戸天狗党の一味をひとりで倒す市を見ていた。そして自ら市の前に進み出て戦いを挑む。居合い斬りの真剣勝負に市は勝ち、伴野は崩れ落ちる。弥生は黙ってその様子を見ていた。弥生に気づいた市は“市はやっぱりこんな男でして…”と言い残して去って行く。弥生は何も言えず、去りゆく市の背中を呆然と見送る。

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