映画『死にぞこないの青』あらすじとネタバレ感想

死にぞこないの青の概要:2007年に製作された乙一の小説を原作にしたホラーサスペンス映画。監督は安達正軌、主演は須賀健太。教師を中心にいじめられるようになった少年にだけ見える、全身真っ青の少女アオとの交流と成長を描いた。

死にぞこないの青 あらすじ

死にぞこないの青
映画『死にぞこないの青』のあらすじを紹介します。

普通の小学6年生のマサオの担任になったのは、新任の羽田先生。
生徒に優しく、同僚の教師や親からの信頼も厚い、理想の先生だった。
しかしクラスの係り決めの時、何も知らずに人気の生き物係りになれたと思い込んだマサオは周囲から冷ややかな視線を受け、羽田先生に目を付けられるようになる。
誰かが悪いことをすると注意しなかったマサオの責任に。
テストの点数が悪いのはマサオの責任。
そんな羽田先生に倣い、クラスメイトたちもマサオに全ての責任を押し付け始め、それはすぐにイジメへと発展していく。
暴力を振るうことは無いが、言葉で傷つける羽田先生に絶望するマサオ。

やがて、マサオにだけ全身が青い子が見えるようになる。
マサオを庇って事故で命を落とした姉によく似たそれを、マサオは”アオ”と呼ぶことにした。

生徒たちによるマサオへのイジメは過激になっていき、命に関わるものもあったが、羽田先生はそれすらマサオの責任にした。
鵜呑みにするマサオに対し、アオは戦うべきだと諭す。

そしてマサオは自分自身を救うため、アオと一緒に羽田先生殺害計画を考え始める。
羽田先生の部屋に入り込んだマサオだったが、すぐに気付かれてしまう。
怯えるマサオに対し、羽田先生も怯えているのだと告げるアオは今こそ戦うべきだと言い、マサオも覚悟を決める。

死にぞこないの青 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2007年
  • 上映時間:95分
  • ジャンル:ホラー、サスペンス
  • 監督:安達正軌
  • キャスト:須賀健太、谷村美月、城田優、入山法子 etc

死にぞこないの青 ネタバレ批評

映画『死にぞこないの青』について、感想批評です。※ネタバレあり

ホラーというよりイジメ問題を中心にした作品

イジメという問題にフォーカスを当てながら、幽霊のような謎の真っ青の子供”アオ”とマサオとの交流、そして成長する様子を描いた作品。
イジメの主犯だった羽田先生の内面に潜む弱さや凶暴性を描きつつ、マサオの心の中の復讐してやりたいという気持ちを”アオ”という代弁者が表現しているのが、良く出来ている。

アオの拘束服で身動きが出来ない傷だらけの体、つぶれた片目に縫い付けられた口は、マサオの状態そのものを描いているという設定で、登場シーンこそ不気味。
ラストでマサオがイジメの主犯の羽田先生を許すと言った後、綺麗な姿になって浄化していくという設定は、谷村美月のピュアな外見を上手く利用している。
原作ではアオは少年だったが、映画化の際に少女に変更されている。
アオ役の谷村美月と、主演のマサオ役の須賀健太がどことなく似ているので、このキャスティングにはやられたと感じる。
また、悪役の印象が薄かった城田優の、爽やかなイケメン教師だが心の中は真っ黒という羽田先生役が、実際にいたら嫌だという印象を強く与えている。

深みが足りないストーリー展開

作中の、イジメの進み具合には違和感を感じる。
手探りの状態で、新任教師の羽田先生と生徒たちが交流しているときに、マサオ君の責任だ、と言われて納得する生徒はそこまで多いだろうか?
また、そのイジメの図を授業中にマサオが書いているシーンがあるのだが、もう少し長く映せばわかりやすいだろうとも思われる。
プールに落とされたランドセルを拾うマサオと、それを見て騒ぐ生徒たちを注意しない、他の教師たちの存在はツッコミどころになっている。

ホラーに分類されることが多いが、アオの存在が幽霊のような謎の存在というだけで、怖がらせるようなシーンは1シーンしか無い。
人間の心の奥に潜む、羽田先生やクラスメイトたちの暴走する悪意、アオが見せるマサオの悪意は方向こそ違えど怖いものだ。

死にぞこないの青 感想まとめ

アオとマサオの友情ともなんとも言えない関係と、理不尽なイジメに立ち向かう勇気を描いた切ない作品「死にぞこないの青」。
マサオにだけ見えるアオは、いじめに耐え切れなくなったマサオのもうひとつの人格や幻覚の類という見方、姉の幽霊がマサオを助けるためにやってきたという見方の、2通りが上げられるが、その点はあやふやのまま終わっている。
見終わった後、担任教師からのイジメに命がけで立ち向かって勝ったマサオ、自分も怖かったのだと理解できた担任の羽田先生の様子を見て、どこか切なくなるストーリー。

原作になった乙一の小説の、少年のアオの描写も読んでみたくなる展開の映画だ。
マサオの父親役に芸人の博多華丸、母親役には坂井真紀と、幅広い役者を起用してる。

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