映画『惑星ソラリス』あらすじとネタバレ感想

惑星ソラリスの概要:「僕の村は戦場だった」のアンドレイ・タルコフスキー監督が、スタニスラフ・レムのSFを映画化。惑星ソラリスという地球外生命体との出会いと謎を描くSFサスペンス。同じ原作のリメイク版もあります。1972年のソ連映画。

惑星ソラリス あらすじ

惑星ソラリス
映画『惑星ソラリス』のあらすじを紹介します。

一定のリズムで寄せては返す波。様々な形を作っては変化してゆく。惑星ソラリスには、”ソラリスの海”と呼ばれる、地球の海に似たものを持っていた。しかし、その海は”思考している”のです。人類は初めて出会う地球外生命体に驚き、謎を解明しようとするが・・。
高度な知性を持ち、人が思うものを”物質化する能力”を持つ生命体は、バートン(ウラジスラフ・ドボルジェツキー)によれば、まだ”赤ん坊”のような人格だという。この報告は正しいのか?

心理学者のケルビン(ドナタス・バニオニス)は、ソラリスの軌道上にある宇宙ステーションに向かいます。ソラリスを研究するのは、科学者サルトリウス(ユーリ・ヤルベット)、サイバネティクス学者のスナウト(アナトリー・ソロニーツィン)、そしてギバリャンの3人。
ところが、ケルビンがステーションに到着する前日の朝、ギバリャンは自殺したという。原因は不明。冷凍室に彼の遺体があり、スナウトに”第3者の姿を見た”と言っていたらしい。研究者以外に一体、誰がいるというのか?やがてケルビンのもとにも幻覚が現れるようになります。

幻覚だと思ったのは、10年前に死んだはずの妻ハリー(ナターリャ・ボンダルチョク)だったから。ハリーは生前と変わらない姿だったが、本人に死んだという自覚はないようだ。何度も現れるので怖くなり、ハリーを殺そうと試みます。ロケットに入れて飛ばしてみたが、何時間後には戻ってきてしまう。
スナウトに話すと、それは幻覚などではなく、”思考が物質化したもの”だといい、”客”と呼んでいるのだという。X線を照射する実験の後から、この”客”は現れるようになったらしい。また”客”は、”ニュートリノ”から成っていて、ソラリスの磁場が安定化させている”という。
彼女の血を調べてみると、酸で破壊してもすぐに再生。妻ハリーに、10年前に毒を飲んで死んだことを伝えるが、”私はハリーじゃない!別の人格よ!”と怒ってしまう。それでも、ケルビンは次第にハリーと似た”客”を愛し始めていく。そんな2人に訪れる衝撃のラストとは?宇宙では何が起きても不思議ではないのです。

惑星ソラリス 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1972年
  • 上映時間:165分
  • ジャンル:SF、ラブストーリー、サスペンス
  • 監督:アンドレイ・タルコフスキー
  • キャスト:ナターリヤ・ボンダルチュク、ドナタス・バニオニス、ユーリ・ヤルヴェット、ニコライ・グリンコ etc

惑星ソラリス ネタバレ批評

映画『惑星ソラリス』について、感想批評です。※ネタバレあり

ソラリスの海が創りだした”客”と”幽霊”との関係性

「惑星ソラリス」は、ソラリスの軌道上を廻る宇宙ステーションを舞台にした密室型SFサスペンス。高度な知性を持ったソラリスの海と人類が出会い、”思考実験”されるのです。心理学的観点から探ってみたい。

この思考実験は、分かりやすく言うと”幽霊が存在するのか?”という問いに近いと思います。ケルビンたちの前に現れた”客”は、”人の思考を物質化したもの”で、何度殺そうとしても再生してきます。ならば思考を止めればいい。

でも、なかなか意識してできる事ではないし、難しいですよね。スナウトの仮説では、”海が我々の睡眠中の思考を物質化しているのなら、別の誰かの思考を送ったらいい”と考えています。思考X思考で相殺するということでしょうか?

”客”を”幽霊”に置き換えて考えると、不幸なりが起きた場所にその人のエネルギーが瞬間転写されて、その場に記憶されます。だから、何かのきっかけで写真に写りこむ事も可能なんです。ただ肉体を持たないので見る事はできないけど、その人の思い・エネルギーは残るのです。

物理学では、全ての物に質量があり、エネルギーを放射していると考えます。1部、ニュートリノのような質量がゼロである物質もありますが、エネルギーがあるという事は固有の周波数を持つのです。例えば、ワイングラスを声だけで割る方法を知っていますか?
声で割るには、ワイングラスと声の周波数を合わせ、”共鳴”という現象を起こせば割れるのです。ソラリスの海が創りだした”客”と”幽霊”の正体はよく似ています。原作者スタニスラフ・レムのアイデアに知的好奇心が刺激されますね。

眠くなる映画ベスト1!

知的好奇心はおおいに刺激されるのだが、長回しのカットと単調な宇宙船の映像が続き、眠たくなってゆきます。それでもなぜか見たいと思う秘密はなんでしょうか。ロシアの俳優で知っている人はいないし、原作を読めば、難しくてもあらすじは分かるかもしれない。

例えば、スタンリー・キューブリックの名作「2001年宇宙の旅」は、宇宙船の美術や荘厳な音楽、映像美のどれもがうっとりするほど精巧にできています。「惑星ソラリス」は、明確な魅力を伝えるのは難しいが、派手でない点や”ソラリスの海”を何度も映像で見せることで、海と自己意識が同調してゆくような感覚を持てるからではないでしょうか。

時間がある時にぜひゆっくりご覧下さい。

惑星ソラリス 感想まとめ

人類がはじめて出会う知的生命体とはどのようなものなのか?それは、SF映画において永遠のテーマの1つです。ロシアのSF作家スタニスラフ・レムのアイデアと世界観の素晴らしさが、本作によっていっそう輝いています。できれば、スタンリー・キューブリック監督にも映画化に挑戦してもらいたかったと思います。ロシアとハリウッドでは技術や観客も違うので新しい名作が生まれていたかもしれません。

「惑星ソラリス」は、謎だらけのSFサスペンスです。まず、誰がギャバリンを殺したのか?研究者の前に現れる”客”の正体&目的は?ケルビンの妻ハリーは死なないのか?そして、最大の謎が”ソラリスの海は、なぜ思考する力を得たのか?”

疑問が尽きません。原作を読んでも分からないことだらけです。観た人の感性にゆだねられている点が1番の魅力なのではないでしょうか。

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