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映画『それでもボクはやってない』あらすじネタバレ結末と感想

映画『それでもボクはやってない』の概要:『Shall we ダンス?』から10年ぶりの、周防正行監督作品。痴漢冤罪というテーマを描き、話題を呼んだ。また、第80回アカデミー賞・外国語映画部門には、日本代表作品としてエントリーされた。

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映画『それでもボクはやってない』 作品情報

それでもボクはやってない

  • 製作年:2007年
  • 上映時間:143分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:周防正行
  • キャスト:加瀬亮、瀬戸朝香、山本耕史、もたいまさこ etc

映画『それでもボクはやってない』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★☆☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

映画『それでもボクはやってない』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『それでもボクはやってない』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『それでもボクはやってない』 あらすじ【起・承】

フリーターの金子徹平は、ある日、就職活動に向かうために朝のラッシュ時、通勤電車に揺られていた。すると突然、近くに立っていた女子高校生に痴漢だと言われ、アッという間に駅員室に連行、そのまま逮捕されてしまう。「やったと認めた方が楽だ」という当番の弁護士。認めてしまえば、親告罪なので示談で済む可能性があるのだ。つまりお金を払うだけで、刑事告訴を免れ、実刑判決を受けることなく済ませることができる。しかし、無実の罪を受け入れることを拒否した徹平は、刑事告訴されてしまう。

ベテラン弁護士の荒川と、新米弁護士の須藤や、同じく冤罪だと主張し苦しんでいる佐田の協力、家族や恋人の励ましに勇気づけられながら、徹平は裁判で戦うために奮闘する。裁判長は、公平な判決を下すとして有名な人が務めることも自分たちに有利だと感じる徹平。まずは、事件の朝、この人は痴漢ではないと言ってくれた、同じ電車に乗り合わせた女性を探すことから始めるのだった。

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映画『それでもボクはやってない』 結末・ラスト(ネタバレ)

裁判が進むにつれ、次第に警察のずさんな捜査も明らかになってきた。また、目撃者である女性に証言してもらうことも叶った。また、徹平の身長や、被害者の身長、電車の状況、それぞれの立ち位置や手の位置といった、詳細な点まで調べ上げたうえでの、当日の再現ビデオを作成し、提出する徹平の支援者たち。家族や市民団体も彼を応援し、その他にビラ配りなどの様々な協力をしてくれた。折れそうになる徹平を支えたのは、ほかならぬそういった彼を信じて止まない人たちの姿だったのである。

しかし、第5回の公判から、裁判官の交代があった。もともと検察側よりの心証を持っている裁判官は、弁護側の反論を次々と退けていく。目撃者の女性の証言やビデオのおかげで、徹平が女子高生に痴漢を働くことは物理的に不可能であると証明されたかに思われた。やれるだけのことはやったので、静かに判決を待つのみとなったが、実際に下された判決は「有罪」の二文字。

茫然と立ちすくみ、判決と罪状を聞く徹平。控訴するならば14日以内に、と裁判官に言われ、徹平は「控訴します!」と大声をあげるしかなかった。

映画『それでもボクはやってない』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『それでもボクはやってない』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

問題提起のための映画

周防監督が、どうしても描きたかったのがこの痴漢冤罪という社会問題だそうだ。その通りといっては何だが、細部までの力の入れようが見て取れた。映画を見ているというよりは、ニュース番組のドキュメンタリーを見ているような、そんな感覚になった。

主人公が、というよりは、痴漢冤罪事件の被害者(という言い方が正しいのかは難しいが)となってしまった人の心は途方もないし、自分の家族がこんな風になってしまったらと思うとゾっとする。家族や恋人の苦しみもリアルに描かれており、私は女性なので、自分の父親がと思うととても見ていて苦しかった。被害者側の心情や状況はそれほど分量がないのだが、それは致し方ないことだと思う。痴漢の加害者が「徹平」かどうかが問題なのではなく、それを「された」ことが被害者の女子高校生を傷つけたことに変わりはないので、つくづく難しい問題だと感じた。

終わり方に賛否両論

映画のつくりとしては、徹平サイドを描いているので彼自身やその周りの支援者たち、弁護士含め、どうしても観るほうは徹平を応援する気持ちになって観てしまう。今回は映画だから「徹平は無罪」ということがわかっているものの、実際に関係者ならどうなのだろうと何度も考え込んでしまった。

だからこそ、最後に徹平が有罪を言い渡され「控訴します!」と叫び終わるのは、納得がいかないような気もするし、しかしそういう現実があるのかと絶望する気もするし、非常に難しい問題を私たちに投げつけたまま終わる映画だ。だからこそ救いがなさすぎるとけなされもするのだろう。そういう意味では、むしろ「なんだこの終わり方」と思わせることにこそ、この映画の意義があるのだろうと私は思えて仕方がない。


女性目線で鑑賞すると、痴漢をしていないのに間違えられた男と、痴漢をされていないのに間違えてしまった女両方に問題があると思いました。確かに、警察のずさんな捜査体制など頭にくる部分もありましたが、客観的に見てしまうと痴漢をした「であろう」人間が疑われてしまうのは仕方ないと思うんです。その無実の罪を晴らすために周囲の人は彼を支え続けてくれましたが、そんなにうまくはいかず罪を認めてしまう人もいるでしょう。
そうなると、女性の勘違いのせいで一人の人間の人生を大きく狂わせることになってしまいます。
人間なので、間違いや勘違いは誰にでもありますが、正しく正確な判断がされる世の中になって欲しいです。(女性 30代)

映画『それでもボクはやってない』 まとめ

非常に重苦しい映画だった。過剰に暗い人物ばかりとか、画面が暗いとか音楽が暗いとかそういった演出はそれほどされておらず、ドキュメンタリー丁に、ごくごく普通に撮られている感じがするのに、どうしても観ていて苦しくなってしまった。しかしこういう現実が実際に起こり得るということを心に刻むことができたので、そういう意味では非常に学ぶところの多い映画だったと思う。

女性の私でさえ苦しいのだから、徹平と同じような年齢の男性や通勤ラッシュで毎日電車に揺られている男性たちはもっと辛いのではないだろうか。しかしだからこそ、この映画を観て勉強すべきなのかもしれない。

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ヒューマンドラマ映画
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