映画『ソロモンの偽証 後篇・裁判』あらすじネタバレ結末と感想

ソロモンの偽証 後篇・裁判の概要:『ソロモンの偽証 後篇・裁判』は、宮部みゆき原作小説の映画。前編では事件に翻弄される人々を描き、後編となる今作では事件の真相を追究すべく中学生による裁判が開かれる。

ソロモンの偽証 後篇・裁判 あらすじネタバレ

ソロモンの偽証 後篇・裁判
映画『ソロモンの偽証 後篇・裁判』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

ソロモンの偽証 後篇・裁判 あらすじ【起・承】

裁判の準備は進み、北尾の助言で8月15日に開廷することになった。なんと北尾は、存分に生徒に協力するために教師を辞めてしまう。それだけこの一連の事件にかける思いは大きい。学校の生徒たちも協力的になり、当日は多くの人が集まると予想される。

涼子たちは樹理にも裁判に出るように説得した。彼女の母親には反対されたが、結果樹理も何か思うところがあるのか、出廷を了承した。

夏休みに入り、涼子たちは事件に関する調査に奔走する。
柏木家を訪れ、事件当日の通話記録を見せてもらうと、柏木家に公衆電話から4本かかってきていることがわかった。夕方から数時間おきに、別の公衆電話から4本。
涼子たちは、周辺の家に聞き込みを行うが、どの写真を見せても違うと言われる。

その頃、森内は隣に住んでいた妻の方に瓶で殴られて病院へ搬送される。涼子は自分が告発状の事を記者に話して牽制したせいだと思う。

いよいよ裁判が迫る頃、やはり気になるのは4本の電話だった。神原は自殺をためらった柏木本人が自宅にかけたのだろうというが、そういう神原がどうも怪しい。そもそも彼はなぜ自らこの事件に関わってきたのか。小学校の同級生というだけで、今は学校も違うのに。
涼子は神原を問いただそうとするが、今はまだ何も言えないという。彼なりに裁判をする理由があるのだろう。

ソロモンの偽証 後篇・裁判 あらすじ【転・結】

8月15日、開廷。裁判は5日間に渡る予定だ。
一日目は、事件の担当刑事である佐々木が出廷した。一貫して柏木の自殺を主張する彼女に、涼子は反対尋問で問う。佐々木は不良である大出を何度も補導しており、一種の信頼関係があったという。彼が人を殺すような人間だとは思っていないため、最初からアリバイを聞かなかったのではないかと。佐々木は、大出にアリバイを問うことはしなかったと答えた。

二日目。この日は前校長と森内が出廷した。森内は、自分が告発状を破り捨てたのではないことを証明し、これを初めて聞く傍聴席の人々は驚く。

三日目。樹理が出廷した。
彼女は事件に大きく関わる存在なので、誰もが注目する。
ところが、彼女が語ったのは自分の責任逃れのための嘘だった。樹理は、事件当時は家にいたといい、告発状を書いたのも自分ではなく松子で、自分は松子に付き合わされただけだと話した。松子が亡くなったのをいいことに、全ての罪を松子になすりつけたのだ。
樹理は言いたいことだけを話すと、反対尋問には一切答えようとせずに会場を出た。

四日目。大出の家の放火犯の代理人弁護士、そして大出が出廷した。
弁護士によって、事件当時大出が自宅にいたことが証明され、彼のアリバイは立証された。
大出の尋問が始まると、何故か弁護するはずの神原は大出の今までの悪事を並べ立てる。数々のいじめ、その中には樹理と松子の件も含まれている。
これらの悪事を行ったかどうかを問われた大出は、最初こそ怒り狂ったが最後は落ち着き、しぶしぶながら認めた。これらすべてをふざけていただけだと答えた大出に、神原は「相手の気持ちを考えたことはあるのか」と問う。
答えられない大出に、神原は「告発状の差出人は何が何でもこれを出さずにはいられなかった」「大出の暴力でこれほどまでに追いつめられたのだ」と、差出人を擁護する発言をした。
傍聴席で聞いていた樹理は激しく動揺し、倒れる。
保健室にいる樹理を涼子が見舞うと、樹理は誰も味方がいないと泣いた。
ここで、松子が死んだ日の事が回想される。松子は樹理を問い詰めると、あっさりと嘘を認められた。松子はショックを受け、大出に謝りにいこうと言ったが、樹理は冷たく突き放した。その帰り、松子は車にはねられて死んだ。松子は樹理のせいで死んでしまったのだった。

その日、涼子は神原の両親(育ての親)に会い、公衆電話の場所の写真を見せて何か気付いたことはないか聞いた。すると、そこは神原の本当の両親と住んでいた頃の家や、生まれた病院の近くだった。
涼子は何かを確信して、翌日に臨んだ。

最終日。涼子は、予定にはなかった証人を二人申請した。一人目は、公衆電話の近くに住む電気店の店主。改めて電話をかけた人物について尋ねると、彼は神原を指した。周囲はざわめく。
二人目の証人として、神原が立った。神原は柏木の死に関する真実を話す。
あの日、柏木は自殺することを神原に告白したが、神原は止めた。柏木はそんな神原を偽善者と罵った。
神原の実の父は、酒癖が悪くそのせいで母を殺した。その後父は留置場で首を吊った。柏木は、そんな親を持ちながらよく平気で生きていられると言い、どうしても自殺を止めたければ両親との思い出の場所をめぐってその証拠に電話し、最後に感想を聞かせろと言った。

柏木は、神原に辛い思い出を思い出させ、生きている意味なんてないと思い知らせるのが目的だったが、神原の感想は「辛いだけだと思っていたが、幸せなこともあったと思い出せた」というものだった。
柏木は呆れ、このまま帰ると飛び降りると言ったが、神原はもう付き合いきれずに「勝手にしろ」と突き放した。
その結果、柏木は自殺し、神原は罪を感じた。神原が裁判を起こすよう差し向けたのは、自分が裁きを受けるためだったのだ。

しかしこの裁判は大出の裁判。大出は無罪となり、閉廷した。

自分を裁いてくれという神原に、涼子は捌かれなければならないのは神原だけではないという。
涼子だって助けを求める同級生を見捨てた。自分の罪は、自分で背負って生きていくしかないのだ。

ソロモンの偽証 後篇・裁判 評価

  • 点数:60点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★☆☆☆

作品概要

  • 公開日:2015年
  • 上映時間:146分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、ミステリー、青春
  • 監督:成島出
  • キャスト:藤野涼子、板垣瑞生、石井杏奈、清水尋也 etc

ソロモンの偽証 後篇・裁判 批評・レビュー

映画『ソロモンの偽証 後篇・裁判』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

学生裁判を扱った作品として

前編であれほど盛り上がりを見せたので、どんな裁判になるのか期待していたが、思っていたほどのものではなかった。前編の方が勢いがあるしまだ面白かった。
同じ学生裁判ものとして思い出されるのは、ドラマ『鈴木先生』の鈴木裁判だ。あれはこれほど大規模な、学校全体を巻き込む裁判ではなかったものの、これよりは数段面白い裁判だった。生徒たちが本音でぶつかり合い、もう裁判といっていいのかわからないほどしっちゃかめっちゃかになるのだが、納得できる終わり方だった。
あのすごい裁判を観た後だから、この映画の裁判は物足りなさを感じた。それでなくとも前編に比べると勢いがなくなってしまったのだ。あれほど期待させておいてこの程度のラストだと、期待との落差は大きい。
等身大の中学生が子供として真相を突き止めようとする姿は良かったので、そこは評価できるが、学生裁判の面白さを知りたければ断然『鈴木先生』の方がおすすめだ。

そもそも映画向きではない?

前後編に分けたことで後編は勢いをなくしてしまい、期待が裏切られた。だが、これを一本にまとめるのは不可能だっただろう。長くて3時間だとしても、絶対におさまりきらない。それならば、映画ではなくいっそのこと連続ドラマでやったほうがいくらか面白くなっただろうし、一つ一つの事件をもっと詳細に描き切ることができたと思う。
これは是非もう一度ドラマ化してもらって、10話ぐらいのシリーズで観たいと思う。

ソロモンの偽証 後篇・裁判 感想まとめ

前編が面白かったので、今回は少々がっかりした。一番盛り上がるはずの裁判シーンがそれほどではなかったのが一番残念。
ただ、等身大の中学生らしい学生裁判だった。特に、それまでは落ち着いて大人びた印象だった涼子が、裁判中取り乱したり、感極まって涙したりするシーンは、「ああ、この子は確かに中学生だ、良かった」と安心すらした。演技経験の多い役者ではなく、ほとんど新人ばかりを集めたからこそ、リアリティのある学校を描くことができたのだろう。

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