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映画『SP 革命篇』あらすじネタバレ結末と感想

映画『SP 革命篇』の概要:『SP THE MOTION PICTURE 野望篇』の続編となる、シリーズ完結編。「アクション映画の金字塔を打ち立てる」を合言葉に、井上たち第四係と最大の敵との戦いが壮大に描かれている。2011年公開。

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映画『SP 革命篇』 作品情報

SP 革命篇

  • 製作年:2011年
  • 上映時間:128分
  • ジャンル:アクション、サスペンス
  • 監督:波多野貴文
  • キャスト:岡田准一、堤真一、香川照之、真木よう子 etc

映画『SP 革命篇』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

映画『SP 革命篇』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『SP 革命篇』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『SP 革命篇』 あらすじ【起・承】

官房長官警護の事件から数ヶ月後。警視庁警備部警護課第四係のメンバーは傷も治り、通常の任務に戻っていた。

衆議院本会議の開会日。各々が違う議員の警護を担当することになった第四係だったが、その後、国会議事堂で合流する。

その裏では、尾形(堤真一)たちによる「革命」の準備が進められていた。清掃員や記者に扮したテロリストたちは次々に議事堂内に潜入し、出入り口や通路を制圧して衆議院棟を孤立させる。それを誘導するのは、議事堂内にいる、尾形の意志に共鳴したSPたちだった。

これまでにない大きな違和感を感じる井上(岡田准一)だったが、尾形の指示によって第四係のメンバーと共に本会議場から離れた部屋のチェックに向かう。

全ての出入り口を封鎖したテロリストたちと合流した尾形は、内閣不信任決議が行われている本会議場に乗り込み、武力によって議員たちを支配する。その議員たちの中には、伊達(香川照之)の姿もあった。

そして、その一部始終は生中継される。

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映画『SP 革命篇』 結末・ラスト(ネタバレ)

尾形が放った銃声に気づき、慌ててテレビを観た井上たちは、初めて事態を把握する。そこへ、他のSPたちが襲撃に現れる。

SPたちを倒した井上たちは、本会議場奪還を決意する。そして、井上が考案したトラップを使って静かに一人ずつテロリストを制圧していく。

一方、本会議場では尾形たちに銃を向けられた議員たちが、自らの口で汚職の実態を明かすよう強制されていた。そして、ついに首相である麻田に順番が回る。

尾形の真の目的は、麻田の陰謀によって殺された父親の仇を取ることだった。銃を向け、過去の誤ちを謝罪するよう求める尾形。その時、仲間であるはずの伊達が立ち上がり、尾形に武器を捨てて投降するように言い放つ。

実は伊達は尾形の実兄で、共に麻田に復讐することを誓ったが、麻田の失脚後に権力が自分に集中することを目論んだ彼は尾形を騙していたのだった。

仲間であるはずのテロリストたちにも銃を向けられた尾形は全てを悟り、伊達を殺して自分も死ぬことを決意する。

そこへ、井上たち第四係のメンバーが突入する。テロリストを倒し、議員たちを解放する井上たち。伊達の計画は失敗に終わる。

逃げる麻田を追う尾形に気づき、さらに後を追う井上。

屋上まで追い詰め、麻田に謝罪をさせた尾形は、自殺を図る。だが、そこに現れた井上によって自殺は止められ、尾形は逮捕される。

数日後。事件が落ち着き、通常の任務に戻った第四係。

だが、井上はシンクロによって、再び大きな違和感を感じていた。

映画『SP 革命篇』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『SP 革命篇』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

境界線に立つ者たち

ドラマから続くSPシリーズも、今作で完結した。

脚本を務めた金城一紀は、善悪の境界線を描くのが非常にうまい。今作でも、境界線がはっきりとしている「社会的な善悪」と、境界線が曖昧な「本質的な善悪」の両方を並行して描いている。

この絶妙なバランス感覚が登場人物たちにも反映され、物語に厚みが出る。主人公である井上は、何が正しくて何が間違っているか分からない。だが、自分なりに答えを模索し、どんな困難な壁が立ちはだかっても乗り越えていく。そこに、観客は引き込まれる。

悪役であるはずの尾形が政治家たちに放つ言葉も的を射ていて唸らせる。彼自身、境界線の間で揺れ動いている人間の一人だ。

そしてラスト。平穏に物語が終わるかと思った途端に、井上のシンクロが暴走する。そして、陽に照らされた部分と建物の影が「光と陰」を作り出し、彼がちょうどその境界線に立った状態で物語は終わる。

これは、信念を持って動いている井上もまた、善悪の境界線に立っているということの暗喩だろう。

境界線に立つ者たちの葛藤。それが今作の主軸なのかもしれない。

プロフェッショナルたちの日本映画革命

今作では、プロフェッショナルたちのこだわりやアイデアが随所に見られる。

例えば美術。本会議場は本物を使って撮影されたのではないかと思うほどリアルだが、実は全てセットで作られている(2階部分は別撮り)。スタッフが何度も国会議事堂に足を運び、細部にまでこだわって作ったもので、これがプロの仕事なんだと感銘を受ける。

撮影技法にもアイデアが盛り込まれていて、例えば井上がシンクロするシーン。あれはストップモーションアニメの派生的な技法で、連写した写真をつなげて一連の動きを表現している。通常時の映像とは毛色が異なるため、井上の深層的な部分を観客は視覚で捉えることができる。

また、テロリスト役の俳優たちは軍隊の動きを教え込まれている。元軍人という裏設定にも気を配り、歩き方さえも軍人のそれに近づける徹底っぷり。

物語の中だけでなく、日本映画界にも革命を起こそうとするプロフェッショナルたちが本気で作った映画はシビれる。


やっぱり尾形にはそういう目的があったのかと納得してしまうストーリーで、前編では井上の特殊能力に違和感を感じていた私もいつの間にかこの作品の世界観に浸っていました。
井上を育てた尾形がテロを起こすはずがないと思っていましたが、納得出来る理由があって一安心…かと思いきや香川照之はやっぱり汚い人間を演じるのが本当に上手いです。爽快に思えてしまうくらいあっさりと裏切る汚さは圧巻でした。
物語的にはこれで完結ということですが、ラストで井上が感じていた「違和感」に期待が高まります。(女性 30代)


自らの野望を実行に移す尾形、それを阻止する井上、それぞれの正義を守るために闘う姿を描いた、アクション大作の完結編。
アクションの見応えは変わらず、ストーリーがかなりスケールアップしていました。ドラマシリーズから見ていましたが、SPの縁の下の力持ちのような、心身ともにずば抜けた能力があるのに攻めではなく守りに徹する姿がかっこいいと感じていたので、そのイメージとは少し異なりました。
正義とは?という答えの難しい問いを、SPという作品を通して表現したのかなと感じました。(女性 20代)


国会議事堂を占拠するとは。壮大でありながらリアリティもあり、固唾を呑んで先の展開を見守りました。地雷等のトラップを、着々と仕掛け静かに占拠していくシーンは圧巻でした。SPが突入する時はスローモーションにするなど、メリハリが効いていて全く飽きません。また、アクション時に画面があまり揺れないので大変見やすいです。堤真一の重厚な演技がずば抜けています。ラスト、屋上のCGシーンのみ明らかに不自然でしたが、さほど気になりません。(女性 30代)

映画『SP 革命篇』 まとめ

周りに流されて意見を変えたり、生活のために仕方なくやりたくない仕事をしたり。そんな人が多い昨今、信念を持って何かに立ち向かう作中の登場人物たちは本当に格好良い。

登場人物たちだけでなく、作り手がすべての作業に本気で取り組んでいるのが画面から伝わってくる。

安保法案問題を予見したような現代人への問題提起は、先見の明と言うべきか。金城一紀の書く脚本は、誰もが見て見ぬふりをしている痛い部分を的確についてくるから気持ちいい。

謎を残したまま終わる点が批判されるようだが、これもひとつの問題提起ではないかと感じさせる。真実を見据え、尾形たちとは違う自分なりのやり方で山積みになった問題に立ち向かえ。といったような・・・。考えすぎか。

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