映画『SP 野望篇』あらすじネタバレ結末と感想

SP 野望篇の概要:革新的なストーリーやアクションが話題となり、深夜枠ながらも最高視聴率18.9%を記録した人気ドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』の劇場版作品。2部作で構成された本企画のうち、今作は前編にあたる。2010年公開。

SP 野望篇 あらすじネタバレ

SP 野望篇
映画『SP 野望篇』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

SP 野望篇 あらすじ【起・承】

警視庁警備部警護課第四係に属する井上薫(岡田准一)は幼い頃に両親を殺され、その時に受けたショックが原因で脳内の感覚神経が異常発達し、自分がいる場所の空気に同調(シンクロ)してしまう能力を持っていた。

シンクロにより、その場の違和感や人の悪意を察知することができる井上は、その症状が悪化して日常生活に支障が出ていることに悩んでいた。

そんな中、麻田首相襲撃事件をきっかけに、上司であり師でもある係長・尾形総一郎(堤真一)に対して違和感を感じるようになった井上は、彼が何かを企んでいるのではないかと懸念していた。

実は尾形は、政治家や官僚、そして警察内部の人間たちと共に国家規模のテロ計画を企てていた。そしてその計画の中心人物でもある与党幹事長の伊達國雄(香川照之)は、特殊な能力を持つ井上が計画の邪魔とならないよう、排除することを尾形に命じる。

井上の両親が麻田の陰謀の巻き添えで殺されたことを知っていた尾形は井上を呼び出し、仲間になるよう説得をする。だが、SPの崇高な精神や命を守る大切さを尾形から教わったと語る井上は、誘いを断って尾形と決別する。

SP 野望篇 あらすじ【転・結】

尾形の配置により伊達の警護をすることになった井上たち第四係のメンバーは順調に任務をこなすが、井上はめまいを起こすほどの違和感を伊達から感じていた。

伊達の警護を終えた井上たちは帰りの道中、緊急の警護命令を受ける。それは、北朝鮮による弾道ミサイル発射への早期対応が必要となった官房長官の警護だった。

官房長官と合流して国会議事堂に向かおうとする井上たちは、突如現れた覆面姿の男たちに襲撃される。それは、井上を排除するために、尾形の仲間によって用意されたテロリストだった。

テロリストたちを倒し、官房長官の警護を続けながら国会議事堂へ向かう井上たちだったが、次々と襲撃してくるテロリストたちによって第四係のメンバーは負傷し、戦力が削がれていく。

一人になりながらも、なんとか官房長官を送り届けた井上。そんな彼を、離れたビルの屋上からスナイパーが狙っていた。

テロリストたちの狙いが自分だと気づいていた井上は、スナイパーの気配を察知し、怒りをあらわにする。

井上の気迫に圧倒され引き金を引けないスナイパー。そこへ、尾形が現れてスナイパーに撤退を命じる。

井上を見下ろす尾形。尾形に気づく井上。それぞれの想いを抱え対峙する2人に、「革命の日」が近づいていた。

SP 野望篇 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2010年
  • 上映時間:98分
  • ジャンル:アクション、サスペンス
  • 監督:波多野貴文
  • キャスト:岡田准一、真木よう子、香川照之、松尾諭 etc

SP 野望篇 批評・レビュー

映画『SP 野望篇』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

岡田准一の揺るぎない覚悟

今作を含むSPシリーズは、脚本の金城一紀と主演の岡田准一が考案した企画からスタートした。

考案者だけあって、岡田准一の本シリーズに対する想いは画面から溢れるほど感じられる。アクションに挑むにあたり、彼はフィリピン武術カリやジークンドー、総合格闘技の修斗でインストラクターの認定を受けるほどの練習を重ね、怪我に備えた体づくりも徹底的に行った。もちろん、アクションシーンではスタントを使っていない。

そこまでして作られたアクションシーン。端的に言うと、最高だった。

格闘技や武道の経験がある人なら分かると思うが、彼の動きの一つ一つが合理的で、なおかつ実戦的なのだ。

そしてそこに、V6として積み重ねてきたダンスの経験が重なり、本当に素晴らしいアクションシークエンスが完成している。実は映画やドラマのアクションでは、格闘技の経験と同じくらい、ダンスの経験が重宝される。「動きで魅せる」という点が共通しているからだろう。

そのどちらも持ち併せた岡田准一だからこそできたアクションは必見だ。

ハリウッドを意識した結果

岡田准一のアクションは最高なのに、ところどころで冷める部分がある。

それが、ハリウッドを意識して作られた部分だ。というより、一部分は実際にハリウッドまで行って作っている。

爆破シーンなどは、精巧なミニチュアを作ってそこにCGを組み合わせて再現しているのだが、予算が少ない日本映画界がハリウッドに寄せているものだから、とてつもなくチープな映像となっている。

作品自体は全体的に重厚感とリアリティが共存した見応えのある映像になっているため、そのギャップに興醒めしてしまう。

ハリウッドを意識するのもいいけど、日本映画には日本映画にしかできないことがたくさんあるのだから、観客を置いてけぼりにするのはやめてほしかった。

SP 野望篇 感想まとめ

岡田准一のアクションや物語の軸は楽しめたが、全体的には革命篇への布石としての印象が強かった。だから、ドラマからのファンじゃないと退屈に感じるかもしれない。

でも、この作品をきっかけに日本映画のアクションは大きく変わったと思う。

これまで日本では、全体を画面に収めた大きな立ち回りが主流だった。だが今作では、画面的に地味になりがちな近接格闘技を用いた戦闘を、カメラワークや細かい演出を駆使して映像栄えするアクションへと仕上げている。

今作以降、近接格闘技を用いたアクション映画が日本で増えつつあることを考えると、この野心的な作品を見ずにこれからのアクション映画は語れないと思う。

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