『サスペリア PART2』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

イタリアホラー映画界の巨匠ダリオ・アルジェント監督が描くサスペンスホラー映画。アメリカから来た若い音楽家が、異常な連続殺人事件に巻き込まれて行く。デヴィッド・ヘミングス主演。

あらすじ

サスペリア PART2』のあらすじを紹介します。

とあるクリスマスの夜に殺人事件が起こった。子供の歌声がレコードから流れ、続いて子供の叫び声が聞こえると地面には血のついた包丁が落ちていた。

事件から数十年後、テレパシー能力を持つ女性ヘルガが心霊学会の講演中に、客席の中にかつて人を殺めこれからも誰かを殺そうとしている人間がいると告げる。その晩音楽家のマーク(デヴィッド・ヘミングス)は音楽仲間のカルロと路上で話していると、女性の叫び声を聞いた。急いで声のした部屋に駆け込むと、奇妙な絵画が飾られた廊下の奥に変わり果てたヘルガの姿を見つける。事件に巻き込まれたマークは、新聞記者の女性ジャンナと共に真相を解き明かそうとする。子供の歌声のレコードが事件の背景にあると睨んだマークは、犠牲者を出しながらも徐々に犯人へと近づいて行く。そしてついに判明した犯人は、かつてクリスマスの惨劇を見ていた友人のカルロだった。銃でマークを殺そうとするカルロだが、すんでの所でマークは警察に助けられカルロは死んでしまった。

事件は解決したかに見えたがマークには引っかかる所があった。ヘルガ殺害の際自分と一緒にいたカルロに犯行は不可能だった。そして犯行時ヘルガの部屋に飾られていた絵画に違和感を感じていたのだ。違和感の正体を確かめるためヘルガの部屋を訪れるマーク。そこでマークは自分が絵画と思っていたのが鏡に映った犯人の顔であったことに気付く。そしてその犯人はクリスマスの惨劇の犯人でもある、カルロの母親であった。

評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:1978年9月23日
  • 上映時間:106分
  • ジャンル:サスペンス、ホラー
  • 監督:ダリオ・アルジェント
  • キャスト:デビッド・ヘミングス、ダリア・ニコロディ、ガブリエル・ラビア、マーシャ・メリル、エロス・パーニ etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

『サスペリア PART2』について、2つ考察・解説します。※ネタバレあり

ダルジェントからの挑戦状

ダルジェント監督はそのデビュー作の『歓びの毒牙』で、犯行現場における主人公の記憶の曖昧さを利用したトリックを見せた。そしてそれと全く同じことを今作でもやってのける。主人公マークは犯行現場に飾られた絵画に違和感を感じるが、その正体はラストまで明かされない。しかし観客は映像という客観的な情報から、主人公よりずっと先に真実を知ることが出来る仕組みになっている。絵画のひとつは実は鏡で、物語の肝となる犯人の顔が序盤でカメラにバッチリ映ってしまっているのだ。あえて包み隠さず映してしまうことで、秘密に気づかなかった観客はラストで余計に衝撃を受けるという算段だ。

またその一方でクリスマスの惨劇の映像については巧妙な演出が施され、観客のミスリードを誘ってくる。ありのままの映像と、演出された映像。2つのアプローチで観る側を巧みに翻弄しているのだ。

不気味な小道具たち

本作には直接的なバイオレンスシーンも多いが、むしろ恐怖を作り出しているのは上手く配置された不気味な小道具たちと言える。床に落ちた血まみれの包丁に不気味な絵画、子供の描いた壁の中の絵。子供の歌声は聴覚に強く恐怖を訴えてくる。そして何より意味もなく走ってくるカラクリ人形はトラウマレベルだ。こういった要素1つ1つがダルジェントの作品世界を作り上げているのだ。

まとめ

ダルジェント監督の中でも特に評価が高いのが本作だ。沈黙の後に突然やってくる不気味なカラクリ人形などは特にトラウマもので、ホラー映画としての完成度は高い。ゴブリンによるプログレ音楽も雰囲気作りに一役買っている。しかしサスペンス部分にはやや疑問が残る。確かにトリック自体はデビュー作の『歓びの毒牙』などと比べ一段と鮮やかではあるが、物語の進行にやや無理がある。特にダイイングメッセージはその発見方法の鮮やかさに比べ、内容が余りにも本筋に関わってこないというか全く意味が無い。

ちなみにPART2となっているが、同監督の『サスペリア』とは物語上の関係性は全くなく、むしろ製作されたのは今作の方が先である。日本の配給会社の意向により現在のタイトルになっており、原題は『深紅』だ。

Amazon 映画『サスペリア PART2』の商品を見てみる