映画『有頂天時代(1936)』あらすじネタバレ結末と感想

有頂天時代(1936)の概要:結婚するためにニューヨークへ稼ぎに来たダンサーがそこで同じくダンサーをしている運命の女性と出会ってしまう。フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの黄金コンビによるダンス・コメディ。1936年公開のアメリカ映画。

有頂天時代 あらすじネタバレ

有頂天時代
映画『有頂天時代(1936)』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

有頂天時代 あらすじ【起・承】

ダンサーのラッキー・ガーネット(フレッド・アステア)は同郷のマーガレットと結婚するため旅まわりをしていたダンスチームを抜けることにする。人気ダンサーのラッキーが抜けるのを阻止したい団員たちは、最近の流行りは裾に折り返しのあるズボンだと彼を騙し、ズボンを取り上げてしまう。そんなこんなで、ラッキーは大事な結婚式に大遅刻する。

マーガレットの父親は激怒していたが、ラッキーがニューヨークで成功し2万5000ドル稼いできたら結婚を許してもいいと言う。ラッキーはマーガレットと結婚するため、相棒のポップ(ヴィクター・ムーア)とともにニューヨークへ旅立つ。

ラッキーたちはニューヨークで、ひょんなことからダンサーのペニー・キャロル(ジンジャー・ロジャース)と知り合う。誤解からペニーを怒らせてしまったラッキーは、彼女を追って、彼女が講師を務めるダンス学院へ行く。ラッキーとペニーのダンスを見た学院の経営者は、この辺りでも有名なナイトクラブへ2人が出演できるよう連絡してくれる。

ポップのドジで学院の受付嬢をクビになったメイベル(ヘレン・ブロデリック)も一緒にナイトクラブへ向かう。しかしラッキーは舞台衣装を用意することができず、出演は取りやめになる。ペニーは機嫌を損ねるが、メイベルの取りなしとラッキーの努力で2人は仲直りをする。

ところがペニーに惚れ込んでいるバンドの指揮者・ロメロは、ペニーがラッキーと踊るなら演奏をしないと言い出す。そこでラッキーとポップはバンドの権限を握るレイモンドと賭けをして、バンドの契約権を手に入れる。そしてラッキーとペニーは大きなホールで見事なダンスを披露する。

有頂天時代 あらすじ【転・結】

ラッキーとペニーのダンスは評判となり、無事にナイトクラブと契約をする。2人は互いに好意を寄せていたが、ラッキーは自分に婚約者がいることをペニーに話せないままだった。ペニーはなぜか2人きりになろうとしないラッキーの態度を不審がる。さらにポップが悪気なく婚約者と2万5000ドルのことをペニーに話してしまう。

2人のマネージャーのようになっていたメイベルは、何としても2人を別れさすまいと考え、ペニーを煽る。ペニーはラッキーのもとへ行き、ラッキーも彼女への気持ちを抑えることができず、2人はついにキスをする。

ナイトクラブも改装され、これからという時に、故郷から突然マーガレットがやってくる。しかもポップが賭けで不正をしていたことがレイモンドにバレてしまい、バンドの契約権も取り上げられてしまう。ラッキーはダンスもペニーも諦め、マーガレットと結婚することにする。そしてペニーもロメロのプロポーズを受け入れる。その晩ラッキーはペニーに“君を愛する限り、僕はもう決して踊らない”と愛の告白をし、2人きりでダンスを踊る。

次の日、マーガレットのホテルを訪れたペニーは彼女にも別に愛する人がいることを知る。2人が大笑いしているところへメイベルとポップがやってくる。これからペニーとロメロの結婚式だと聞かされ、ラッキーたちは急いでナイトクラブへ向かう。

ラッキーとポップは控え室にいたロメロを最近の流行りは裾に折り返しがあるズボンだと騙し、彼のズボンを取り上げてしまう。そのままペニーのところへ行き、全員で大笑いする。ロメロもバカらしくなって笑い出し、ラッキーとペニーはめでたく結ばれる。

有頂天時代 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:1936年
  • 上映時間:104分
  • ジャンル:ミュージカル、コメディ、ラブストーリー
  • 監督:ジョージ・スティーヴンス
  • キャスト:フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース、ヴィクター・ムーア、ヘレン・ブロデリック etc

有頂天時代 批評・レビュー

映画『有頂天時代(1936)』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

フレッド・アステアとジンジャー・ロジャース

20世紀を代表するダンサーであり俳優のフレッド・アステアと10作品もの映画で彼の相棒を務めたジンジャー・ロジャース。本作の見どころは間違いなくこの2人のダンスだ。

ダンスにもミュージカルにも疎いので偉そうなことは何も言えないのだが、素人目に見ても2人のダンスは美しい。ダンスと言っても最近流行りのヒップホップ系のダンスではなく、タップダンスや社交ダンスといった紳士的で品格のあるダンスだ。

アステアとロジャースが見事な呼吸でタップを踏むダンスは、その洗練された動きと心地いい靴音にすっかり魅了される。特にあのマイケル・ジャクソンも影響を受けたらしいアステアのダンスは、やはり“名人芸”の領域なのだろう。専門的にどこがすごいとかここが素晴らしいということはわからないけれど、本物のすごさというものは伝わってくる。

この2人が共演した映画が「アステア=ロジャース映画」と呼ばれ、大流行したのも頷ける。2人の姿にはうっとりするという表現がぴったりの品がある。ダンスだけでなくその佇まいや歌声にも洗練された美しさがあるので画面に映える。古臭い言い方になるが、この2人のような存在を“銀幕のスター”と呼ぶのだろう。

有頂天と呼ぶにふさわしい明るさ

物語の主軸はアステアの演じるラッキーとロジャースの演じるペニーのラブストーリーである。いろいろとあってなかなか結ばれない2人をラッキーの友人である手品師のポップとペニーの友人であるメイベルがハラハラしながら見守っている。このポップとメイベルのコンビが本作のコメディ要素を担っており、実にいい味を出している。

最後はコメディらしい半ば強引な展開で、ラッキーとペニーは無事に結ばれる。2人とも別の人が好きだとわかって爆笑しているラッキーと婚約者のマーガレットを見て、事情もわからず笑い出すポップ役のヴィクター・ムーアのおとぼけぶりが最高におかしい。その後もロメロを騙すために折り返しのないズボンを笑うアステアとヴィクター・ムーアの爆笑ぶりがまた笑える。最後もずっと笑いを堪えきれないこの2人につられてみんなが笑い出し、ペニーに振られたロメロまで笑顔で歌い出すのだから明るすぎる。

英語のタイトルは「スウィング・タイム」で“スウィング”に“有頂天”という意味は多分ないと思うが、映画を見終わると語感として“有頂天”という言葉がとてもしっくりくる。ナイスな邦題だと思う。

有頂天時代 感想まとめ

すごく面白かったわけではないが、気持ちのいい映画だった。登場人物がみんな明るいし、物語も明るいし、眉をしかめるようなシーンが一つもない。アステアとロジャースの歌やダンスはもちろん、音楽にも映像にも“古き良きアメリカ”の粋な雰囲気が漂っていて、ぼんやりと見惚れてしまう。こういう映画をたまに見るとなぜかホッとする。今なら突っ込みどころ満載な話の内容も不思議と許せるし、とにかくおおらかな気持ちで鑑賞できる。

多くの大衆に愛されたこの時代の映画を見ると、映画館で夢中になって映像に見入っている観客の熱気を感じることがある。当時の人たちが、銀幕の中のアステアやロジャースをどんな想いで見つめていたのか、想像するだけでなんだか胸熱。そこに映画の持つロマンがある。

Amazon 映画『有頂天時代(1936)』の商品を見てみる