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映画『謝罪の王様』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『謝罪の王様』の概要:どんなトラブルも謝罪で解決してきた黒島の元へ、様々な問題を抱えた依頼人がやってくる。最初の依頼人としてやってきた倉持典子が黒島のアシスタントとして働き、土下座を超える究極の謝罪を探し求めていく。ブラックジョークを交えた最高級のコメディ映画。

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映画『謝罪の王様』の作品情報

謝罪の王様

製作年:2013年
上映時間:128分
ジャンル:コメディ
監督:水田伸生
キャスト:阿部サダヲ、井上真央、竹野内豊、岡田将生 etc

映画『謝罪の王様』の登場人物(キャスト)

黒島譲(阿部サダヲ)
東京謝罪センターの所長。ありとあらゆる問題を、依頼人の代わりに謝罪して解決していく。若い頃に人気ラーメン店で謝罪を求めたときから、謝るということの大切さを痛感した。少し気性が荒く口が悪いが、謝罪については全力で行う。
倉持典子(井上真央)
車の追突事故でヤクザから借金を背負った帰国子女。黒島の元へ助けを求め、後にアシスタントとして働く。お茶目なところもあり常に前向きな思考を持っている。司法書士を目指しており、箕輪の一人娘。
箕輪正臣(竹野内豊)
弁護士として働いており、過去に娘に手を挙げてしまったことに対して、謝罪したいと黒島の元へ助けを求める。弁護士でありながらもネガティブな性格をしており、典子の父親。
沼田卓也(岡田将生)
企画の仕事をしており、本社の女性にセクハラをしてしまい訴訟された。黒島に依頼し作戦通り行動するが、ことごとく失敗してしまう。物事を軽く考えてしまい罪の深さを感じていない。
南部哲郎(高橋克実)
俳優の仕事をしている有名人。傷害事件を起こした息子の代わりに謝罪しようとする。黒島の力を借り謝罪会見を開こうとするが、バッシングを受けてしまう。マンタン王国の英雄であり人気がある。
檀乃はる香(松雪泰子)
俳優の仕事をしている有名人であり、南部の元妻。南部とは別に謝罪会見を開くが、失敗に至ってしまう。南部に対して強い口調で話す。
和田耕作(荒川良々)
映画のプロデューサーをしており、上映中の映画の中にマンタン王国の皇太子が映り込んでしまった。国を超えて謝罪を行うために黒島に駆け寄るが、次々と失敗してしまう。内向的な性格。

映画『謝罪の王様』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『謝罪の王様』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『謝罪の王様』のあらすじ【起】

映画の上映前に謝罪の方法やどんなトラブルも解決できるという、東京謝罪センターの広告が流れていた。早速依頼人がやってきた。名前は倉持典子。両親から甘やかされて育てられたため、昔から謝ることが苦手で外国で育った彼女は謝ることは罪を認めることだと言った。そんな彼女は、初心者マークを付けた車を運転中に、思いっきり後退して後ろの車に乗り上げてしまったのだ。後ろの車を運転していたのはヤクザだった。東京謝罪センターの所長である黒島は倉持に説教をし、倉持がヤクザの弁護士からサインしてしまった誓約書を見て呆れていた。

黒島と倉持はヤクザの元へ行き、黒島が倉持の兄として代わりに謝罪することにした。倉持は黒島に顔に傷をつけさせ、偽装を装ってヤクザに謝った。土下座をした後の顔を上げるタイミングや、示談に向けての話し合い、ヤクザの下っ端として働き組長の機嫌を取ることなど、まるでヤクザの舎弟になったのかと思われるが、これが黒島のやり方であった。こうして誓約書は破棄され、問題は解決した。倉持は司法書士を目指す上で、もっと勉強したいと黒島に伝え、彼のアシスタントとして働くことになった。倉持は東京謝罪センターのWEBを立ち上げた。早速WEBから依頼がきた。

黒島が用事で出ていたため、倉持が依頼人と会っていた。遅れて黒島がやってきた。依頼人の名前は沼田卓也。沼田は企画の仕事をしており、本社と共同で女性の下着をプレゼンしていた。企画が通ったお祝いの食事の後のカラオケで、酔っ払っていた沼田は本社の担当である女性を抱き締めたり、色々してしまい訴訟を起こされたと言った。倉持は女性に共感し、最初に会ったときに身の危険を感じたことを伝えた。沼田の目つきや口元、肌の質感など、性的に見られている感じがしたと言った。沼田は悲しそうな顔をしながら泣いていた。沼田は女性に軽くちゃらついた感じで謝った。そのため、訴訟は取り下げてもらえなかった。

倉持は沼田と待ち合わせをし、沼田に恋人がいるかのように見せた。沼田は全速力で道を走り、横から倉持がタクシーで追いかけていた。汗だくのまま沼田は女性と会い、女性の言い分をただひたすら相槌を打ちながら聞いていた。次に沼田は女性を褒め称えた。沼田は父親を呼び、援護をアピールするつもりでいたが、裏目に出てしまい女性は怒ってしまった。帰ろうとした女性を引き止め、大事にしていた高額な時計を女性に渡したが、女性は時計を投げ捨て帰ってしまった。全て黒島の指示だった。黒島は誠意や心など、一生懸命な男は許されてしまうことや、女性は聞いてくれるだけで怒りが半減し欲求が満たされること、女性を褒め称えることで嬉しくなること、目上の人を呼ぶことで援護射撃になること、大事なものを犠牲にすることなどを、倉持に話していた。だが、沼田のいい加減な態度で全て台無しにしてしまった。倉持は黒島に失敗したことを報告した。

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映画『謝罪の王様』のあらすじ【承】

倉持と沼田は女性の弁護士である箕輪正臣に会いに行った。彼は26歳で司法書士に合格し、その後コロンビア大学のロースクールへ入学して、そのまま現地で弁護士資格を取得した。主に人権問題を扱う国際弁護士として一躍置かれていた。どんな小さな案件も法廷に持ち込み、戦うことを信条とする面倒くさい人だった。倉持の大学時代の講師でもある。彼の元へ行き沼田は土下座をしたが、効果はなかった。倉持と沼田は喫茶店へ戻り、黒島がやって来た。150%の謝罪をするしかないという方法に至った。

倉持は電車を待っている女性の横に立ち、電話をしながらセクハラで訴えられたサラリーマンの人身事故について話していた。女性は電車に乗らず、そわそわしながら歩き沼田に電話を掛けた。そのとき、目の前に沼田が現れ女性は絶叫し目をつむりながら倒れ込んだ。目を開けた女性は、目の前にいる沼田ではなく先ほど人身事故で亡くなった霊に話しかけられていた。霊は20年勤めた会社をセクハラでクビになり電車に飛び込んだが、本気で彼女のことを愛していたから成仏できなかったと話した。霊は女性にまだ怒っているかと問い、女性は怒ってないと答えた。そこに女性の後ろから沼田がやって来た。沼田は女性に謝罪し、女性は沼田をお茶に誘った。こうして問題は解決した。女性の前に現れた霊は、黒島が演技をしていただけだった。

また依頼人がやって来た。依頼人の名前は南部哲郎と檀乃はる香。二人は有名人で元夫婦だった。息子の傷害事件についての、謝罪会見を開こうとしていた。南部は謝罪会見に新しい妻を紹介しようとしていたが、黒島はありえないと言って即否定した。南部は謝罪会見の練習としてカメラの前で謝罪したが、おじぎの長さや謝罪の言葉の長さがくさく、ダメ出しばかりされていた。しかも演技をしている顔と謝罪した後の顔がそっくりだった。

謝罪会見を終えた南部は、喫茶店で待っていた黒島、倉持、檀乃の元へやって来た。新聞には失態などといったバッシングが書かれていた。南部はスピーチの直前に黒島と目が合い肩の力が抜き過ぎたせいで、まるで悪いと思っていないようなスピーチをしてしまった。また、おじぎの速さも変わらず、質疑応答やマイクの持ち方なども大失敗に至った。南部は三人から改めてバッシングを受け、檀乃に謝罪をしてみろと逆上した。自信満々にできると答えた檀乃の謝罪会見は、十二単の姿で挑み自分の出ている舞台の宣伝までしていた。その後の南部と檀乃は、競い合うように謝罪会見や釈明会見の謝罪会見を行った。ブログやツイッターでも謝罪や釈明を繰り返し、世間は何のために謝っているのか分からなくなっていた。実はこれも、黒島の作戦だった。謝罪や釈明を繰り返すことでどうでもよくなり、いざというときに謝罪をすれば効果があるということを知っていたのだ。

収拾がつきそうになったとき、最悪のタイミングで息子の釈放が重なった。息子は悪いと思っていないような謝罪をした。それをテレビで見ていた黒島と倉持は落胆した。倉持はなぜカメラの前で謝罪をしなくてはならないのか黒島に聞いた。本当に謝ってほしいのは被害者だったのだ。南部と檀乃は被害者の元へ行き、頭を下げて謝罪した。すると被害者は、悪いのは息子さんではなく自分なのだと言った。事件の日、被害者はかなり酔っ払っており町で息子と遭遇した。被害者はしつこく息子に質問し、南部と檀乃の悪口を話していた。両親の悪口を聞いた息子は怒り、傷害事件に至ったのだ。それを聞いた南部と檀乃は涙を流し、被害者とともに土下座をし合い解決した。

映画『謝罪の王様』のあらすじ【転】

次の依頼人は、箕輪正臣だった。コロンビア大学に入学した箕輪は、マンハッタンにアパートを借りて家族三人で暮らしていた。アメリカでの司法書士試験に没頭していた箕輪は、3歳半の娘が”わきげぼーぼーじゆうのめがみ!”と何回も叫びながら勉強の邪魔をすることに苛立っていた。そのセリフはある映画の中のセリフだったことを黒島に伝えた。そして試験当日、寝坊した箕輪は急いで準備をしていた。かなり苛立っていた箕輪の前で、再び娘が”わきげぼーぼーじゆうのめがみ!”と叫んだとき、箕輪は娘に手を挙げてしまったのだ。そのことについて、謝りたかった。黒島は娘が悪いのではないかと言ったが、箕輪は親としてさらに弁護士として、3歳半の娘に手を挙げるのはどうなのかと自分を責めた。箕輪はとりあえず謝っとけという考えは、海外では通用しないことを話し自分が勤めていた大学の工学部に、娘が入学してきて復讐されているのだと話した。そこで黒島は、箕輪の娘は倉持だということに気が付いたのだ。黒島はすぐに倉持が帰ってくることを箕輪に話し謝ればいいと背中を押したが、箕輪は沼田の顔面マスクを被り沼田のフリをした。

黒島と倉持は依頼人を待っていた。忙しそうに電話をしながら、喫茶店へやって来た男の名前は和田耕作。映画のプロデューサーをしており、上映中の映画の中にマンタン王国の皇太子が映り込んでしまい、マンタン政府からクレームがついてしまったのだ。その後和田は、監督と社長を連れて黒島に会いに来た。黒島は今夜マンタン王国へ向かい、謝罪をするようにと伝えた。

和田と監督と社長の三人は、手土産を持ちマンタン王国についた。通訳だと名乗り出た男に、大体は知っているから大体は任せろと言われ、皇太子の元へ行った。手土産を渡そうと提灯やとらやのお菓子を開けると、マンタン王国の人々は喜んだ。しかし、こけしを差し出そうとしたとき、マンタン王国の人々は騒ぎ出し一斉に帰れと言い和田たちを追い払った。日本へ帰国した三人と通訳の男は、黒島と倉持に会った。こけしの姿が、昔のマンタン王国の屈辱を連想させていたのだ。倉持はネットで、マンタン王国が日本政府に謝罪を要求する声明文を読み上げた。黒島と倉持は失言が多くて有名な文部科学大臣に助けを求め、文部科学省へ向かった。

大臣、和田、監督、社長、通訳の男は再びマンタン王国へ向かった。マンタン王国の人々は、大臣を出迎えてくれた。大臣と国王が並び、大臣がマンタン王国への愛を伝えたことにより事態は収束した。しかし、マンタン王国による日本との貿易を中止するという声明文が再び発表された。酔っ払っていた大臣は、子供の頭を撫でた。マンタン王国では、子供の頭を撫でるのは国王だけだというルールがあったのだ。そうとは知らず国王の孫の頭を撫でてしまった大臣は、特に反省はしておらず呑気だった。マンタン王国で犯した大臣の行動はひどく、証拠として残しておいたデータを見た大臣は、恥ずかしさを通り越して崩れてしまっていた。

映画『謝罪の王様』の結末・ラスト(ネタバレ)

大臣の代わりに外務大臣がマンタン王国へ向かった。マンタン王国の人々は外務大臣を睨みつけ、子供たちが外務大臣に水鉄砲をして追い払おうとしていた。こうなると予想した黒島は、土下座のプロをマンタン王国へ送り込んだ。そのプロとは、南部哲郎だった。南部は22年前、マンタンを舞台にした戦争の映画で国民的英雄を演じたことがあったため、マンタン王国の人々から高い人気があった。南部は熱い歓迎を受け、国王の元へ向かい外務大臣と共に土下座した。しかし、国王は怒り帰れと追い出した。

テレビを見ながら落胆していた黒島は、なぜだめなんだと嘆いていた。すると通訳の男は、土下座のポーズが良くなかったと指摘した。地面に頭をこすりつける仕草は、マンタンでは最大級の侮辱だと説明した。黒島と倉持は、総理大臣の元へ駆け寄った。

ここから黒島の過去に遡った。黒島が小さい頃に初めて土下座をしたとき、大人たちや友達の目が自分の背中だけに注がれている感覚を感じた。後に黒島は、”あやまる時人は誰でも主人公”という名言をもたらしたのだ。土下座に魅了され謝ることに快感を覚えた黒島は、責められやすく謝りやすいポジションを選んだ。ある日、黒島は行列のできる人気ラーメン店に行った。接客の悪さにイライラしながらも、ラーメンの味の美味しさで全て吹っ飛んでいた。しかし、向かいの喫茶店でコーヒーを飲みながら、黒島はラーメン店の接客の悪さを思い出していた。時間が経ち居ても立ってもいられなくなった黒島は、ラーメン店へ出向き謝ってほしいと直談判した。すると接客していた本人ではなく、会社の人が謝りに来た。結局ラーメン店は潰れてしまった。黒島はごめんなさいが言えない本人や、ごめんなさいを聞きたい人がいることを忘れないでほしいと、箕輪に伝えていた。

黒島と箕輪は総理大臣に会い、土下座を超える最大級の謝罪はあるのかと聞かれ自信満々にあると答えた。しかし、黒島は箕輪と二人になりそんなものはないと答えた。その頃倉持は、黒島がラーメン店で謝れと言った本人と会っていた。土下座を超える謝り方を教えてほしいと言われていた。

総理大臣と黒島はマンタン王国へ行った。マンタン王国の人々は土下座をして待ち構えていた。総理大臣は大きな声で”わきげぼーぼーじゆうのめがみ!”と叫んだ。ラーメン店で働いていた接客の悪かった男も黒島に会い、”わきげぼーぼーじゆうのめがみ!”と叫んだ。総理大臣に謝り方を教えていたのは黒島と箕輪であり、ラーメン店で働いていた男に謝り方を教えていたのは、倉持だった。マンタン国王は立ち上がり、許しを得てくれた。これこそが、土下座を超える究極の謝罪であった。

映画『謝罪の王様』の感想・評価・レビュー

何度見ても大笑いしてしまうほどの面白さがあり、同時に感動させられる映画である。依頼人としてやってくる人たちの個性の強さや、ぶれないキャラクター設定にも圧巻された。何度も何度もマンタン王国へ行き、ありとあらゆる謝罪を試すシーンが印象的であった。倉持と箕輪の親子関係や黒島の過去の話しなど、様々な見所があり飽きさせない映画でもある。(MIHOシネマ編集部)


阿部サダヲさんのテンションが高く口調が荒い演技がおもしろい。お腹が痛くなるぐらい笑った。サクサク物語が進んでいくため、あっという間に見終わってしまった。生きていると色んな場面で謝罪をすることはあるので、黒島譲が本当にいれば良いのになと思った。人の心理をつくのが的確で、ぜひアドバイスして欲しい。笑えるだけでなく、箕輪正臣と典子の関係や黒島の過去など、感動する場面や胸にグッと響く場面もあって良かった。(女性 30代)


くだらないなあ、バカだなあと思いながらも飽きずに最後まで見てしまった今作。謝罪のレクチャーを受けるなんて本当にバカバカしいなと思ってしまいましたが、阿部サダヲが真面目に黒島という男を演じるのでそれが余計に面白かったです。
後半は黒島の元へ謝罪の依頼をしに来た様々な人物の関係が絡み合って意外な繋がりが明らかになるのが見ていて爽快でした。
どうやって謝罪すればいいのか分からない人が今の世の中には少なくないのかなと思ってしまいました。(女性 30代)

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