映画『シュリ』あらすじとネタバレ感想

シュリの概要:「シュリ」は、1999年の韓国映画。韓国の国家諜報員ジュンウォンと北朝鮮の女工作員イ・バンヒの悲恋を描くアクション大作。カン・ジェギュ監督、ハン・ソッキョ主演。壮絶なアクションシーンが高く評価された。

シュリ あらすじ

シュリ
映画『シュリ』のあらすじを紹介します。

1998年、ソウルで韓国と北朝鮮の合同サッカーチームが結成され、サッカーの交流試合が行われようとしていた。その頃、韓国の国家諜報員のユ・ジュンウォン(ハン・ソッキョ)は、1ヶ月後にアクアショップの店員イ・ミョンヒョン(キム・ユンジン)との結婚を控えていたが、北朝鮮の女工作員イ・バンヒを追う過程で、イ・バンヒの正体が実は婚約者イ・ミョンヒョンであることを知ります。
ショックを受けるジュンウォン。冷静になり考えてみると、婚約者の身を案じてホテルにかくまった時、飲まないと言ったにもかかわらずよっぱらった事。そして、イ・ミョンヒョンの名前も人物も別人と偽っていたことを確信するのです。ジュンウォンは、北朝鮮の女工作員イ・バンヒが、ctxという時限爆弾をある研究所から盗もうとしていたことを突きとめます。

ジュンウォンは、相棒イ・ギャンギル(ソン・ガンボ)と共にイ・バンヒとその上官・北朝鮮特殊部隊隊長パク・ムヨン(チェ・ミンスク)をはめようとするが、激しい銃撃戦になります。イ・バンヒ達は逃げ、ジュンウォンは後日、北朝鮮の女工作員イ・バンヒの件で査問にかけられるが、”バンヒの事ではなく、イ・ミョンヒョンの事だ”と話す。
彼女の妊娠の事さえ知らされていなかった事が彼の心を絶望させていた。”私はもう、死んだのも同然です。”と。

サッカースタジアムにctx爆弾を仕掛けられているという情報を掴み、現場へ向かうジュンウォン。北朝鮮の女工作員イ・バンヒも現場におり、ジュンウォンに最後の留守番電話を残します。”ctxは、ロイヤルボックスの上方のドームライトにあるわ。私は、競技場西側の観客席にいます。お願い・・私の前には現れないで。あなたは私の人生の全てだった・・・会いたい”とメッセージが。
しかし、ジュンウォンはそのメッセージを聞く前に現場でイ・バンヒと対峙し、彼女に銃を向けた。全てを許すかのような表情で撃たれるイ・バンヒ。ジュンウォンは、こうして無事にctx爆弾を解除してテロを未然に防ぎます。

任務を終えたジュンウォンは、イ・ミョンヒョンの故郷済州島へ。ミョンヒョンからもらったキッシング・グラミーを持ってただ独り、ベンチに座り海を見つめています。

シュリ 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:1999年
  • 上映時間:124分
  • ジャンル:アクション、ラブストーリー
  • 監督:カン・ジェギュ
  • キャスト:ハン・ソッキュ、キム・ユンジン、チェ・ミンシク、ソン・ガンホ etc

シュリ ネタバレ批評

映画『シュリ』について、感想批評です。※ネタバレあり

壮大なアクション・シーンを楽しむ前に繊細な心理描写を見よ!

2000年に公開された時は、ハリウッド映画を超えたアクション・シーンだと高い評価を受けた本作ですが、アクションシーンではなく心理描写に注目してみたい。北と南が微妙な関係にあるという背景が、アクアショップを営むジュンウォンの婚約者イ・ミョンヒョンの持つ魚で暗示されています。

大切な魚、キッシング・グラミー(淡水魚)は、”つがいの片方が死ぬともう片方も死んでしまう魚”です。どちらもなくてはならないもの。主人公ジュンウォンとミョンヒョンの関係性も同じです。水槽に泳ぐキャッシング・グラミーを見つめるミョンヒョンの瞳がとても切ない。

また、劇中の2人の仲睦ましい様子やサッカースタジアムでの最後の銃撃戦のシーンが対比されていて、とてもかなしい気持ちになります。”国の為に命を投げ出す”という考えは、日本人にとって理解するのが難しい事ですが、どんなに好きあった者同士でも闘わなければならない現実が描かれている点に涙が止まりません。

またジュンウォンが、婚約者の真実を知った後では服の色がグレーになっています。このように心理描写を丁寧に描いている点を評価したいと思います。

ハン・ソッキョの存在感と脇を固める俳優陣がすごい!

ハン・ソッキョという俳優は不思議な人で、一見地味で目立たない印象を受けるのですが、演技に入ると一気に存在感を増す稀有な才能を持っています。柔らかな表情ときりっとした表情に一瞬で切り替わるなど役への集中力がすごいのです!本作の脇を固める俳優陣も演技派俳優がそろっています。

ハン・ソッキョ演じる主人公の相棒役を演じたソン・ガンボは、映画「jsa」(00)やポン・ジュノ監督の「殺人の追憶」(04)に出演。また北朝鮮女工作員イ・バンヒの上司役を演じた、チェ・ミンシクは本作で主演男優賞を受賞。パク・チャヌク監督の「オールド・ボーイ」(03)や「親切なクムジャさん」(05)など復讐3部作のうち2作に主演しています。

この3人が演じたからこそ、成立する映画だと思います。公開から、15年あまりすぎても色あせないのは、確かな俳優と演技力にあったんですね。最近のハン・ソッキョについて。2011年に16年ぶりにドラマに復帰。「根深い木~世宗大王の誓い~」でハングルを作った世宗役で主演しました。”くそったれ!”というのが口癖の、民に深い思いやりを持つ世宗を繊細に演じています。

息子の死に慟哭するシーンの演技が素晴らしく、感動しました。そして、2013年にはシュリの続編「ベルリン・ファイル」が公開されました。「シュリ」を気に入った方はぜひ、続編も御覧下さい。

シュリ 感想まとめ

「シュリ」が公開された2000年から15年あまり歳月が流れましたが、今も安定していない国や国交が閉ざされた国がたくさんあります。本作では、劇中、たくさんの人が死んでゆきます。平和への祈りを込めて観賞したい。本作では設定を細かくみていけばゆるいところはありますが、南北によって引き裂かれた恋人たちの悲しみや過去が繊細に描かれている点が評価できます。

やはり、ハン・ソッキョをはじめとする俳優陣の演技が、単なる銃撃戦で終わらない物語の厚みを作っているからだと思います。また映画の終盤で流れる、”when i dream”という歌が涙を誘います。心を揺さぶる映画としておすすめです。アクション・シーンも本物の銃撃戦のごとくリアルで隙のない魅せ方をしており、さすが韓国映画だと感じました。

初めて観た時、衝撃的でした。こんなすごい映画が作れるのかと。

Amazon 映画『シュリ』の商品を見てみる