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映画『太陽はひとりぼっち』あらすじとネタバレ感想

映画『太陽はひとりぼっち』の概要:「太陽はひとりぼっち」(原題:イタリア語: L’eclisse / 英語: The Eclipse)は、1962年のイタリア映画。監督は「情事」、「夜」などのミケランジェロ・アントニオーニ。主演は「太陽がいっぱい」、「若者のすべて」などのフランスの名優アラン・ドロン。共演はアントニオーニ監督の「情事」、「夜」に抜擢されたモニカ・ヴィッティ。他にはフランシスコ・ラバル、リッラ・ブリグノン 、ルイ・セニエなど。1962年度カンヌ映画祭審査員特別賞受賞作品。

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映画『太陽はひとりぼっち』 作品情報

太陽はひとりぼっち

  • 製作年:1962年
  • 上映時間:124分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
  • キャスト:アラン・ドロン、モニカ・ヴィッティ、フランシスコ・ラバル etc

映画『太陽はひとりぼっち』 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

映画『太陽はひとりぼっち』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『太陽はひとりぼっち』のあらすじを紹介します。

ヴィットリア(モニカ・ヴィッティ)は、婚約者リカルド(フランシスコ・ラバル)との長い話し合いの末に別れを切り出す。リカルドは引き留めようとするが彼女の意志は固く、早朝にひとり家を出て行った。ヴィットリアは証券取引所にいる母を訪ねるが、母は彼女の話に聞く耳を持たず相場の変動に夢中だった。そして取引が終わった後で、彼女は母に何も告げる事も出来ずに、そのまま女友達アニタのマンションに転がり込む。そこからアニタの友人マルタのマンションへ向かい一晩を過ごしたが、アニタのマンションへ帰るとリカルドが窓の外でうろついていた。翌日、アニタの夫が操縦する飛行機に乗せてもらい、ローマの上空をフライトする中でも彼女の心は晴れなかった。そして再び証券取引所に訪れたヴィットリアだったが、株価が急落したパニック状態の中で、彼女の母も1000万リラの損失を出し失意に暮れていた。ヴィットリアは暫くその様子を窺っていたところ、仲買人のピエロ(アラン・ドロン)という青年に声を掛けられ、コーヒーを飲んだ後、共に彼女の母が住む実家のアパートへと向かう。後から帰ってきた母はしかめっ面でピエロに八つ当たりをするが、すでに打つ手立てはなかった。有能な仲買人であるピエロも仕事でミスを犯し、会社も大きな損失を出し負債の処理に追われていた。その夜、ピエロは思い立ったようにヴィットリアが泊まっているアニタのマンションを訪れるが、テラス越しに彼女と話している隙に、通りがかりの酔っぱらったスペイン人に車を盗まれてしまう。翌日に車を盗んだ犯人が車と共に川から引き上げられ、犯人は水死し車は大破していた。しかしその事件が無かったかのように、ピエロとヴィットリアはそのまま楽しそうに近所を歩き回った。翌日も二人は会い、ピエロの生家で愛し合う。そして互いの不確かな愛に不安を感じながらも、再び会う約束をして互いの居場所に戻る二人。

近代化されて行く虚ろな街の風景で、バスから降りてくる男の手に世界中に核が広がって行く記事が映し出される。やがて街は不安な夜を照らし出すように街頭が灯り始め、一日を終えて再びバスを降りた人たちが無機質な街へと帰って行く。

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映画『太陽はひとりぼっち』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『太陽はひとりぼっち』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

近代化されつつある社会不安を描く

一見ラブストーリーであり、ヒロインのヴィットリアを演ずるモニカ・ヴィッティが、妖艶な姿で虜にされてしまう作品であるが、その序章は言葉少ない別れ話から始まり、母親が入り浸っている証券取引所の株価大暴落へと向かう。ラブストーリーとは脈絡も無さそうな設定のところへアラン・ドロンの演ずる証券ディーラーのピエロが登場する。母は翌日の大暴落でどん底へ落とされ、ピエロはその処理でてんてこ舞いしている中、二人の恋物語が始まるという設定の不自然さが印象的である。最初から熱が薄い映画であり、その象徴でもあるモニカ・ヴィッティの冷淡な表情が不自然なくらい空虚である。監督が何を描きたかったのかは想像の域を超えないところだが、近代化されつつある都市の社会不安を描いた作品であるというのは当を得ているだろう。折しも時代背景は1960年初頭のイタリアであり、フェリーニやヴィスコンティと並び、男女間の愛の不毛や、社会に生きる人間の不安、孤独などを描く先駆者だったアントニオーニ監督の実験的映像とも言えるだろう。付け足しのようなエンディングのシーンで比喩的な表現が直喩的に変わるのだが、今となってはアラン・ドロンとモニカ・ヴィッティという、超絶的美男美女を起用するところで、表現したい部分が薄れてしまった感は否めない。

主演二人の強すぎるオーラ。

フランスのヌーヴェルバーグ的手法ではあるが、主演二人の余りのオーラの強さに監督が負けてしまったというのが正しい見解だろうか。多分本作を予備知識無しに役者だけで観た人はエンディングの心象風景的描写は何なのか理解出来ないだろう。物語には暗喩と明喩が必要だということは正しい意見なのかも知れないが、その心象風景の描き方が唐突すぎるところに面食らってしまうだろう。この二人が主役という設定なら、ラブストーリーに間違いないだろうという期待が見事に裏切られる内容であり、シンプルに悲恋かハッピーエンドかと予想していたら、「不毛」という複雑なテーマを見せられ観客は狼狽える。その反面、社会的に複雑なテーマを理解してもらうためには、格好の客寄せパンダ的なスターの起用であるとも言える訳だろう。


個人的に、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の作品が合わないのでこの作品にも期待していませんでしたが、アラン・ドロンのかっこよさだけが印象に残るような、なんとも言えない作品でした。
アントニオーニ作品が好きな方にはモノクロの世界に映し出される愛や虚無感がたまらないのだと思うのですが、私はそこに儚さや美しさを感じることができず、つまらないなと思ってしまいました。
お互いが同じ気持ちで想い合うのが愛だと思っていましたが、今作で描かれているのはそうではない「不毛な愛」の形なので少し難しく感じました。(女性 30代)

映画『太陽はひとりぼっち』 まとめ

不毛な愛とか、社会不安とか、核の拡散とかをテーマにする必然性を理解出来ない事はないが、1962年という時代にこの実験的とも言える映像が果たしてどのように受け止められたのか。1962年度カンヌ映画祭審査員特別賞と言えども、観る人の評価はそれぞれ違ってくる訳なので、何とも表現しにくいところであるが、そのような社会不安よりも興味があるのは、男ならモニカ・ヴィッティ、女ならアラン・ドロンというのが多くの意見ではないだろうか。二人を観に来た客に向かって、ラストシーンは「これも観ておいてね」というような監督からのメッセージとして捉えるのが丁度いい。しかしながらモニカ・ヴィッティの魅力は50年過ぎた現在でも色褪せる事はない。

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みんなの感想・レビュー

  1. Mai68@Paris より:

    イングマル・ベルイマンの『沈黙』を見たあと、続けて見るといいかもしれません。

  2. Macqueen より:

    あまりこういうところに投稿しないのですが、この映画は全く鑑賞するに値しないと思います。せっかくの名優アランドロンも、なんら魅力が感じられません。特にストーリー性もなければ作品としての主張があるわけでもありません。こんな映画はまさに時間の無駄です。

  3. pinewood より:

    確かに実験映画の側面が特にラストシーンに顕著でしたね。