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映画『テイク・シェルター』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『テイク・シェルター』の概要:カーティスは妻と娘と共に平凡で幸せな生活を送っていた。だが、オイルのような雨を浴びた飼い犬に噛まれる夢を見てから、嵐の悪夢に悩まされるようになる。カーティスは次第に、嵐が現実に起こることなのか、自分が精神を病んでいるのか分からなくなる。

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映画『テイク・シェルター』の作品情報

テイク・シェルター

製作年:2011年
上映時間:120分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ミステリー
監督:ジェフ・ニコルズ
キャスト:マイケル・シャノン、ジェシカ・チャステイン、シェー・ウィガム、ケイティ・ミクソン etc

映画『テイク・シェルター』の登場人物(キャスト)

カーティス・ラフォーシュ(マイケル・シャノン)
工事現場の作業員。嵐の夢を見るようになり、地下シェルターを整備して家族を守ろうと1人奮闘する。母は妄想型の統合失調症で、病院の施設に入院している。
サマンサ・ラフォーシュ(ジェシカ・チャステイン)
カーティスの妻。カーティスとの間に、耳が不自由なハンナという娘がいる。毎年家族でビーチに旅行に行っている。ハンドメイドの衣服や小物を販売している。
デュアート(シェー・ウィガム)
カーティスの同僚で親友。妻と上手くいっておらず、よくカーティスに愚痴を零している。

映画『テイク・シェルター』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『テイク・シェルター』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『テイク・シェルター』のあらすじ【起】

カーティスは妻のサマンサと耳の不自由な娘のハンナと共に平凡で幸せな暮らしを送っていたが、どこか満たされない気持ちを抱えていた。友人で同僚のデュアートに相談すると、良い人生を送っていると慰められる。カーティスは家に帰ると、サマンサと共にハンナの寝顔を眺めた。

カーティスはハンナと一緒にいるとき、飼い犬のレッドに襲われ腕を噛まれる悪夢を見る。レッドはカーティス達を襲う前、空から降るオイルのような雨を浴びていた。腕を噛まれた感触はとてもリアルで、カーティスは現実でもレッドに対して不信感を抱くのを止められなかった。ハンナがレッドと遊んでいるのを止めさせようとして、サマンサから怪訝な表情をされてしまう。

カーティスは嵐の中ハンナと共に逃げようとして、人に襲われ、ハンナが連れ去られてしまう夢を見る。大量の汗をかくほど恐怖心を抱いていたが、サマンサにそのことを相談することはなかった。サマンサは顔色が悪く具合が悪そうなカーティスを心配するが、大丈夫だと言われ、自分が作製している雑貨を販売するためにマーケットへ出かけて行った。その間に、カーティスはレッドの犬小屋を囲うように柵を作った。

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映画『テイク・シェルター』のあらすじ【承】

カーティスがハンナと共に家にいるとき、外は嵐だった。ハンナが熱心に窓の外を見ているため、自分も窓を覗くと、雨に打たれている男が立っていた。カーティスがハンナを抱えて家の真ん中に逃げると、家の中の家具が中に浮いた。しかも、何らかの力が体に加わり、息苦しくなってしまう。カーティスがハンナを強く抱きしめながらしばらく耐えると、家具は地面に落ち、呼吸も楽になった。カーティスが目を覚ますと、おねしょをしていた。その時、サマンサに声を掛けられるが、おねしょのことがばれたくなかったため、近くに来ないでくれと怒鳴ってしまい険悪な雰囲気になってしまう。

カーティスは地下シェルターを片付け、大量の缶詰を購入して嵐のときに備えた。その一方で、自身の精神疾患を疑っており、図書館で借りた本を読み漁った。サマンサは何だか様子がおかしいカーティスに、不信感を抱いていた。次の日、カーティスは懇意にしているシャノン医師に、悪夢を見ることや、おねしょをしたことを相談した。シャノンは軽い鎮静剤を処方し、コロンバスにいる優秀な精神科医を紹介した。

ハンナは人工内耳手術を行うことになり、保険が適用されることになった。カーティスの会社が加入している保険が良かったのだ。ハンナは帰宅したカーティスにそのことを報告し、家族3人で喜び合った。

カーティスが薬を飲んで眠ると、夢を見ることはなかった。だが、工事現場で働いているときに、激しい雷のような音が聞こえてきた。その音は近くで作業するデュアートには聞こえず、カーティスにしか聞こえなかった。カーティスは激しく動揺し、現場を飛び出した。そして、病院の施設に入院している母の元を訪ねた。母に症状が出始めた頃のことを尋ねるが、悪夢を見たことはなかったと言われる。だが、カーティスの父がよく家を空けていたため、激しいストレスを抱え、我を失うほどパニックになったと言われる。話を聞いたカーティスはシャノンに電話を掛け、近場の医師を紹介して欲しいと頼んだ。

映画『テイク・シェルター』のあらすじ【転】

カーティスはシャノンに紹介され、カウンセラーのケンドラの元を訪ねた。そこで、問診から受けることになるが、カーティスはケンドラの話を遮り、自分で精神疾患について疑っていることを話した。精神疾患の本に載っていた“統合失調症が疑われる5つの兆候”の内2つが当てはまり、20個のテスト項目で5つが当てはまっていたからだった。カーティスの母は30代で妄想型の統合失調症と診断されており、現在カーティスは35歳だった。カウンセリングの一環としてカーティスはケンドラに、子供の頃に母に車に置き去りにされたことを話した。母はゴミ箱を漁っていたところを保護され、父が病院に入院させていた。

カーティスはデュアートの手を借り、会社の重機を使って庭に竜巻用のシェルターを作った。サマンサは何も聞かされておらず、カーティスの勝手な行動を激しく非難した。その様子を見て、デュアートはカーティスに対して不信感を抱く。サマンサはベッドで眠らなかったり、レッドを柵で囲ったり、不審な行動ばかりすることについて説明を求めるが、カーティスは何も話そうとはしなかった。

サマンサが眠っていると、隣で眠っているカーティスの体が激しく痙攣していた。シーツには血もついており、サマンサは動揺し救急車を呼んだ。だが、吐血したわけではなく、口の中が切れていただけだった。カーティスは救急隊員に帰ってもらうと、嵐の悪夢を見ていることやカウンセラーに相談していることをサマンサに打ち明けた。そして、母のように家族を置き去りにしたくないため、家族を守るためにできることは全てしたいのだと話した。サマンサはカーティスの話を黙って聞いていた。

映画『テイク・シェルター』の結末・ラスト(ネタバレ)

サマンサがカーティスの様子を心配し、カーティスの兄を呼び寄せた。しかし、カーティスは兄に対して、何も話そうとはしなかった。兄はそんな弟を心配するが、仕事と家族を大事にしろとしか言えなかった。何か必要なことはないかと言われたカーティスは、レッドを引き取ってもらうことにした。

カーティスはデュアートに襲われる夢を見たため、社長に頼んで担当を外してもらった。だが、それに腹を立てたデュアートが、重機を無断使用していることを社長に言ってしまう。カーティスは謝罪をして許してもらおうとするが、社長はクビにすることを決める。健康保険は後2週間しか適用されず、ハンナの手術は不可能だった。サマンサはカーティスの頬を叩き、ハンナを連れて家を出て行った。

サマンサはカーティスと話し合った。今朝、自分に怯えていたため、夢に出て来たのか尋ねると、カーティスはそれを認めた。サマンサに刺されそうになる夢を見たのだ。サマンサが、自分が傍にいて耐えられるのか聞くと、カーティスは震えながらサマンサの手を握り締めた。それを受けてサマンサは、カーティスの傍にいることを決める。2人で仕事を探し、カーティスに病院に通って欲しいと頼んだ。

サマンサにチャリティーの食事会に来て欲しいと頼まれ、カーティスは参加した。しかし、そこに来ていたデュアートから、仕事の担当を外したことを非難され殴られてしまう。デュアートは近所の人達にもカーティスの様子がおかしいことを言い触らしており、チャリティー会場は異様な雰囲気になった。カーティスは話を聞いてくれないデュアートに腹を立て殴り返すと、参加者に嵐のことを話して回った。サマンサはそんなカーティスを抱きしめた。

カーティスは嵐がやって来る夢を見る。サマンサに起こされて目を覚ますと、警報音が鳴り響いていた。カーティスはサマンサとハンナと共に地下シェルターに避難した。そして、ガスマスクをつけて眠りについた。カーティスが目を覚ますと、サマンサ達はガスマスクを外していた。サマンサからもう大丈夫だと言われるが、カーティスは嵐が怖くてドアを開けることができなかった。サマンサはそんなカーティスに寄り添い、自らドアを開けさせた。カーティスが外に出ると嵐は去っており、皆片づけを行っていた。

カーティスはサマンサと共に精神科医の元を訪ねた。そこで、シェルターから離れることを勧められる。毎年家族でビーチ旅行に行っていたため、サマンサは旅行に行くことを決めるが、医師は旅行から戻った後入院することを勧めた。より本格的な治療が必要なためだった。カーティスは家族と離れなければいけなくなることに涙した。

カーティスはハンナと砂浜で遊んでいた。すると、ハンナは海の方を眺め、嵐という手話を行った。カーティスが海を見ると嵐が近づいて来ていた。家の中にいたサマンサもそれに気づき、カーティスと見つめ合って驚いた。嵐からはオイルのような雨が降り注いだ。

映画『テイク・シェルター』の感想・評価・レビュー

核戦争の暗喩なのだろうと思うが、とにかく偏執的に動く主人公が恐ろしく、ラストに嵐が来たとて、それが正しいのかは判断がつかない。もちろん命は大切だが、不幸な事故が起こって周りが大変な時に感じる平穏にどれだけ意味があるのだろうか。その時々の周囲の人間の大切さと天秤にかけられるものなのか。例えばこれは作り物のお話なので嵐は来た。が現実にくるのか。シェルター以外に道はないのか。とかく不安をあおる商法に嫌気がさして少し斜めに見てしまう。(男性 30代)


本作は、大災害への異常なまでの恐怖に駆られた男が家族を守るために、自宅の庭で巨大なシェルター作りをする様子を描いたサスペンスミステリー作品。
地球規模の災害が起こりそうな不安に観てる方も焦燥感や緊張感が増していく。
主人公はシェルター作りに没入するにつれて精神疾患との境界線がなくなってしまったのだろうか。
様々な視点で物語がゆっくりと進行していくが、終盤に一気に畳みかけてくる衝撃が凄まじかった。(女性 20代)


自分のことを精神疾患かもしれないと疑いながらも、家族のためにそれを隠し、巨大なシェルターを作ろうとする主人公が可哀想で仕方ありませんでした。
彼の行動は確かに不可解だったかもしれませんが、根底には「家族のため」という考えが常にあったので奥さんが彼のことを受け入れてくれた時にはほっとしました。
同僚の裏切りは許せませんでしたが、最後に訪れる嵐によって、きっと明暗が別れるのだろうと余韻に浸りながら鑑賞出来ました。(女性 30代)

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