映画『種まく旅人 夢のつぎ木』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「種まく旅人 夢のつぎ木」のネタバレあらすじ結末

種まく旅人 夢のつぎ木の概要:岡山の赤磐で兄の後を継ぎ、桃の栽培と市役所の仕事とを二足のわらじで奔走する女性を主人公に、美しい景色と農家の苦労や喜び、夢を追う大切さを描いた旅人シリーズの第三弾。監督、佐々部清。2016年公開。

種まく旅人 夢のつぎ木の作品概要

種まく旅人 夢のつぎ木

公開日:2016年
上映時間:106分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:佐々部清
キャスト:高梨臨、斎藤工、池内博之、津田寛治 etc

種まく旅人 夢のつぎ木の登場人物(キャスト)

片岡彩音(高梨臨)
女優になる夢を諦め、病で亡くなった兄の後を継ぎ、新種の桃の品種登録をするという兄の夢を叶えようと必死になっている。一生懸命で弱音を吐かず、忍耐強く頑固。
木村治(斎藤工)
農林水産省、食料産業局に勤めている。泣かず飛ばず。おしゃべりで少し軽い感じはあるものの勉強家。彩音に好意を寄せている。トマトが大好物。兄はお茶農家。
片岡悠斗(池内博之)
彩音の兄。自分の夢を諦めて桃農家を継いだが、新種の桃を発見し、志半ばで病に倒れる。頼れる兄で明るく前向き。
片岡美咲(海老頼はな)
悠斗の元妻。献身的に悠斗を支えた優しい女性。野菜ソムリエで後にレストランを経営。
片岡知紗(安倍萌生)
片岡家三女、高校3年生。バレーボール部でレギュラーを狙っている。今時の女子高生。

種まく旅人 夢のつぎ木のネタバレあらすじ

映画『種まく旅人 夢のつぎ木』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

種まく旅人 夢のつぎ木のあらすじ【起】

片岡彩音の夢は女優になる事だった。八年前、兄に見送られ女優になる為に上京した事もある。だがそれも、もう過去の事だ。
朝5時には起床。桃農園で剪定などの作業を行い、出勤時間になると市役所へ通勤する。通勤途中の日課は、神社で兄が発見した新種の桃「赤磐の夢」が品種登録されるよう祈る事だった。仕事は市のマスコットである着ぐるみを着てアピールしたり、詐欺の注意を促して歩いたりと多種多様だ。

木村治は農林水産省に勤めている。農家の現状を改善する為の会議に出ても、ほとんどの場合意見を述べたりはしない。どうせ足掻いたところで現状が変わるわけがないと希望を失ってもいた。直属の上司は少し風変りな人物で、付き合うには少し工夫が要る。その上司とたまたまバッティングセンターで遭い、岡山の赤磐に行けと命令される。赤磐は今、日本で一番桃の栽培に力を入れている市だ。そこで何かを見つけて来いと言う。それが何かは自分で探す事。そうして木村は岡山の赤磐へと赴く事になった。

駅に着くと農林課の課長が迎えに来ていた。まずは市役所へ向かうと言うが、途中で職員を拾うからと寺へ。そこで木村は彩音と運命の出会いを果たす。
その後、木村は市長と会談。課長の案内で市内の見学へ向かった。

農園で採れた桃で規格外のものは、酒造で酒に加工してもらっていた。高橋酒造の社長は息子の嫁に彩音をと考えているようだが、彩音は全く意識もしていない。市役所の仕事が終わると農園で遅くまで作業をした。

その日の夜、電車の駅でたまたま木村と出会った。農産加工センターへ行き、桃の加工を見学して来たと言う。意気揚々とした様子に怒涛の早口で話し続ける。彩音は呆気にとられ言葉も出ない。彼はどうやら第一印象が良い女性の前では早口になるらしかった。木村は明らかに彩音へと好意を寄せており夕食に誘われるが、彩音は丁重にお断りした。その後は、義姉美咲が経営するレストランへ。桃を使った新しい料理の紹介をホームページに掲載する為の写真を撮るのだった。

彩音は次の日も、いつも通り神社にお参り。品種登録の審査が通る事を祈る。そして賽銭箱の裏に毎日、桃の種を並べるのだが、昨日から子豚のマスコットが置いてある。近所の子供がいたずらしているのだ。彩音はその子を追いかけるが、すばしっこくて逃げられてしまった。

種まく旅人 夢のつぎ木のあらすじ【承】

木村は案内係を彩音にして欲しいとリクエスト。上司から上司に話が通り、彼女はやむを得ず木村の案内をする事になった。果物市場で桃の種類と歴史を教えてもらう。しかし、彼は桃よりもトマトに興味を示してしまい、とてもやる気が見られない。

彩音は自分の桃畑を案内。畑には等間隔に防蛾灯が立っていて、夜になるとそれを灯す。そうしなければ、大事な桃が虫に食われてしまう。桃畑は安定供給をする為、収穫時期をずらした品種を何種類も植えていた。果実に袋を掛けるのは日焼けを防ぎ、より甘い果実を作る為。木村はその中に「赤磐の夢」という木を見つける。
それは9年前の事。彩音の兄が畑で変わった桃を発見した。その桃は糖度も高く果肉に独特な香りもあり、夏の終わりまで収穫出来たという。兄はその枝にしっかりとしるしをつけておいた。翌年も同じ桃が成った為、その枝を接ぎ木したのだ。桃は3年で収穫出来るようになる。更に翌年、接ぎ木した木を今の場所に移植したのだった。兄はこの桃を農政省に品種登録を申請した。それが4年前の事。今年、その結果が届くはずだった。

木村は大して桃に興味はなく、上司の命令で仕事だから調査しているのだと言う。それよりも彩音との距離を縮めたいと下心満載である。彩音は肩を落とし木村を軽くあしらった。

その夜、妹の知紗はバレーボール部のレギュラーには入れないと宣告され、姉へ八つ当たりをした。彩音は東京で女優になる夢をやめた言い訳に、死んだ兄の夢を代わりに見て誤魔化しているだけだろうと言われる。1人で無理して意地を張っているだけだと。姉妹は互いに頬を張り合い、険悪な雰囲気となった。

次の日、ダサいジャージを来た木村が彩音の自宅を訪ねて来る。桃の収穫を手伝いに来たのだ。桃を収穫するには傷をつけないよう優しくもぎ取る。収穫した桃は選果場へ運んで選別する。最初に目視と手で形や傷み、虫食いを確認。次にセンサーで大きさ、重さ、糖度を測る。選別された桃は一つ一つ丁寧に包装され、箱詰めして岡山の市場に運ばれ競りにかけられる。規格外となった桃は一か所に集められる。木村は規格外で撥ねられた桃に自分を重ねる。自分も省内で撥ねられているからだ。彩音は規格外でも使い道があると言う。桃は高橋酒造へ持ち込まれ、酒へと加工されるのだった。

種まく旅人 夢のつぎ木のあらすじ【転】

美咲のレストランで桃のお酒と料理を試食。木村は農水省へ入った動機を話す。兄夫婦のお茶作りを見てきて、霞が関で農政を変えてやろうと、かつての自分は理想を掲げていた。農家が労力を注いだ分に見合うだけの、幸せな農政を夢見ていたのだった。だが、現実は厳しく夢は簡単にくじけた。

彩音が桃畑を継ぐきっかけは4年前。兄が病で倒れた事がきっかけだった。兄の夢は天文学者だったが両親が亡くなった頃、妹達はまだ幼く桃農家を継がなくては育てられなかった。兄は天文学と同様に桃を育てるのが好きだった。だから、彩音も兄の為に桃農家を継いだのだった。

いつものように神社へお参り。今日は木村も一緒だった。賽銭箱の裏に置いた種の隣には、又しても豚のマスコットが置いてある。それを遠目から見つめる少年。2人は急いで追いかけた。山中を駆け抜け農道から桃畑を抜け、葡萄畑でようやく捕まえる。その畑は少年の家の畑だったが、雑草が生い茂り荒れ果てていた。少年は両親が離婚し、父親が出て行ったと告白。母親はショックで葡萄畑の世話が出来なくなったと言う。少年はこれを彩音に知らせたかったのだ。赤磐の人々は困った人を必ず助けてくれる。1人じゃないと少年を抱き締めた。

木村はようやく本気になって調査を始めた。桃に加え葡萄も同じく調査する事にした。桃農家の事を勉強して彩音の境遇を理解する。市役所の仕事と桃の世話を両立させるのは大変な事なのだ。農協も桃部会も彼女の事を酷く心配していた。だが、彼女は「赤磐の夢」が新種の桃と登録されるまでは、自分1人で頑張ってみると言うのだった。
木村は「赤磐の夢」を味見させてもらう。思わず笑みの出るそんな桃だった。そうこうしている内に終電が行ってしまい、彼は彩音の家に泊めてもらう事になった。

彩音は1階の仏間、木村は2階の彩音の部屋へ。妹はカラオケに行った。
寝苦しい夜だった。寝返りの弾みで木村はベッド脇のランプを落としてしまう。それを直した後に部屋を見回した。木村はたまたま手に取ったCDをかける。2階から漏れ聞こえる音楽は、兄との思い出の曲だった。

種まく旅人 夢のつぎ木のあらすじ【結】

着ぐるみを着た彩音の元へ、品種登録の結果通知がようやく届いた。彼女は急いで封を切る。結果は出願の拒絶。つまり、「赤磐の夢」は新種としては認められなかったという事だ。彩音は茫然として着ぐるみを着たまま階段に座り込む。彼女は兄へ心の中で謝った。

高橋酒造へ結果を知らせに行く。彼女は桃畑の世話を諦める事にしたのだった。
夕方、妹は畑に防蛾灯が点いていない事を不思議に思う。そして、仏壇にあった品種登録の結果と兄が彩音へ送った手紙を見る。
その頃、彩音は美咲の店で飲んだくれていた。義姉は「赤磐の夢」は終わり。これからは自分の幸せを見つけなきゃと言う。美咲は悠斗との写真を壁から外し、新たな一歩を踏み出そうとしていた。

次の日、岡山の市場へ桃の競りを見に向かう。そこへは木村も来ているはずだ。周りを見渡し彼を見つける。夕闇迫る港を2人で歩く。彩音は酔っぱらっており足元がおぼつかない。木村は彼女へ桃を諦めるのかと問う。彩音は呆けたように呟いた。ここはどこですか。独りぼっちの所、何もない所、私の夢を取り上げた所。「赤磐の夢」はもう終わりです。木村は自暴自棄となった彩音に付け入るのは嫌だ、と彼女を拒絶した。

消防訓練の見学中、あの少年が着ぐるみを着る彩音へとちょっかいをかけてくる。彼女は着ぐるみの頭を脱いで少年を追いかけた。農道を走っていると高橋酒造の息子が軽トラから声を掛ける。荷台には木村が乗っており、彩音の荒れた畑を元に戻しましょうと叫ぶ。軽トラは彼女を置いて先へ。あの少年も同じ方向へと走り去った。

自分の畑へ向かうと、高橋酒造の社長が人手を出して畑の整備をしていた。農水省の木村が皆へ声を掛けて回ったと言う。そこには少年の母親も、近所のお婆さんも来ていた。良い桃だ。良く頑張ったなと優しく声を掛けられる。困っている人がいたら必ず誰かが助けてくれる。赤磐はそういう所。彼女は泣きそうな顔で、ここはどこですかとの問いに、ここは赤磐ですと答えた。皆、彩音を心配していたのだ。きっと兄も心配している。1人でずっと頑張って来た。だから、助けてくれて嬉しかった。彼女は号泣した。1人じゃないと思えたのだった。そして、綺麗になった畑へは今夜も防蛾灯が灯るのだ。

東京へ戻った木村は上司へレポートを提出。心なしか彼の表情も以前とは違っていた。上司は、簡単ではないけれど部下の案を大臣へ出してみようと笑った。

翌年の春、赤磐市制施行10周年記念式典が行われた。それへは木村も姿を見せる。彩音は彼へ手を振った。今年の花の付きも良く、おいしい桃が出来るだろう。皆が助けてくれるから、彩音は市役所と畑の両立が出来る。木村も農業の勉強を続けていた。行政を変える事は容易な道ではないが、きっと頑張れる。2人は共に握手をして笑い合った。

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