映画『箪笥 たんす』あらすじとネタバレ感想

箪笥 たんすの概要:「箪笥」は、2003年の韓国映画。古典怪談「薔花紅蓮伝」をベースに現代アレンジしたホラー。美少女姉妹をイム・スジョンとムン・グニョンが演じます。キム・ジウン監督作品。怖くないお化け屋敷です。

箪笥 たんす あらすじ

箪笥 たんす
映画『箪笥 たんす』のあらすじを紹介します。

とある精神病院の1室。医師のもとにスミ(イム・スジョン)が連れてこられたが、医師が何を聞いても無言のまま。写真を見せながら、もう1度聞く。”あの家で起きたことを話して下さい”と。母が死んですぐの頃だった。
父(キム・ガブス)と妹スヨン(ムン・グニョン)と共に継母(ヨム・ジョンア)の家で暮らすことになったスミ。洋館風の家は広くて暗い。箪笥を開けると同じ服が何着もかけてあったり、深夜に廊下を走りまわる足音が聞こえてくる、奇妙な家。
そのうちに妹スヨンの腕に折檻された傷跡が見られ、継母から度々イジメを受けては箪笥に閉じ込められていたらしい。医者である父に訴えても、信じてもらえない。

週末にソンギュ夫婦が夕食に訪れるが、居間のテーブルの下や流し台の下に女の子の姿が!ソンギュ夫婦の妻が、突然苦しみ出す。やはり、この家には何かが棲んでいるのか?父は不安を感じ、スミに思っていることを話して欲しいと言う。
”あの女もこの家もおかしい!””あの女はスヨンを箪笥に入れてイジメているのよ!”とスミは訴えるが、”そんなハズはない。スヨンは死んだんだよ・・。”と告げる父。

父が留守の時。スミもまた継母に石像で殺されそうになります。一体、この家はどうなっているのか?実は、スミとスヨンの実母は、箪笥の中で首つり自殺をしたのだ。そして、悲劇を目の当たりにしたスヨンも、箪笥の下敷きになって亡くなってしまう。
継母はその事実を目撃していたが、放置したためスミと父親は2人を助けることができなかったという。今でも、箪笥を開けると2人の無念で悲痛な叫び声が聞こえてきます。スミは、肉親の死と継母のイジメによって、精神を蝕まれていく・・・。

箪笥 たんす 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2003年
  • 上映時間:115分
  • ジャンル:ホラー
  • 監督:キム・ジウン
  • キャスト:イム・スジョン、ムン・グニョン、ヨム・ジョンア、キム・ガプス etc

箪笥 たんす ネタバレ批評

映画『箪笥 たんす』について、感想批評です。※ネタバレあり

箪笥を決して開けてはならない・・。美少女+お化け屋敷アトラクション!

毎年、夏のなると遊園地の中にお化け屋敷ができますが、本作はその雰囲気とノスタルジーが合体したようなホラーです。だから、ちっとも怖くありません。韓国映画特有のグロさもなければ、緊張感もおさえめ。それでも美少女が出演しているのが唯一の見どころ。

メーキャップ次第でもっと怖い表情も作れるのにその工夫もありません。本作を撮ったキム・ジウン監督が何を描きたかったのか分かりませんが、心理的な恐怖を表現したかったのかもしれません。映像美に定評のある監督なのですが、いまひとつな点が残念です。

もっと汚く、おどろおどろしい雰囲気があれば、どきどきするのですが、少女が精神的におかしくなる変化も幻覚?のようで分かりづらい。幻想と怪奇のマリアージュが上手くいけば最高なのに・・。

なぜ人はホラーが観たくなるのか?恐怖という名の快感

ホラー映画と脳について考えてみたい。ホラー映画を観ると、”恐怖”や”痛み”などの感情を司る扁桃体(大脳辺縁系と大脳基底核をまたぐ中継点)が高い活性化を見せるそうです。つまり、脳が”あぶないぞ!逃げるかどうする?”と感じているのです。

この反応は、情動活動及び危険回避です。死や痛みに接した時の異常状態を警告しているわけで、この活性度が大きければ大きいほど助かる可能性も高いそう。私たちは、ホラー映画を観ることで、危険を早く察知して逃げる訓練をしているのかもしれません。

またホラーが面白いと思ってハマるのは、脳が報酬系というシステムを持っているから。ねずみの実験では、エサをもらい快感を得ると何度も、ボタンを押してエサをもらい続けるそうです。脳の奴隷みたいで怖い。では、恐怖といった感情に対して低い活性を見せる人はどうなのか?

一般に扁桃体及び前頭葉の部分に低い活性が見られる人は”サイコ・パス”の可能性が高い。”サイコ・パス”の人は、感情表現が乏しく、問題行動(暴力や殺人)に走りやすいという事が研究によって分かっています。”恐怖”は生きるために必要な機能なのです。

そして、”恐怖”は脳の大脳皮質に記憶として蓄えられます。次に同じ場面に遭遇した時、すぐに逃げられるようにするためです。脳を上手く活性化させて、ホラー映画を楽しもう!

箪笥 たんす 感想まとめ

韓国のホラー入門作品として、「箪笥」を選びましたが、怖くなくてごめんなさい。その代わり、恐怖の背景として、悲しみや継母によるイジメなどドラマ性に重点が置かれています。美少女姉妹に対する、父親の鈍感さがある意味、一番恐ろしいと感じます。韓国映画独特のくどさや恨みの部分が少なく、あっさりした印象。

狂気なのか正常なのかの狭間があいまいに描かれています。どうも観ていて、中途半端な感じが残るのですが。キム・ジウン監督の作品は、アクションや映像美は素晴らしいのですが、ホラーに関しては評価が難しいです。日本の「リング」や「らせん」などの方がはるかに怖さと緊張感を味わえると思います。

あまり期待して観ないで下さい。ただ、美少女姉妹はかわいいし、お化け屋敷のインテリアは洋風で凝った造りになっています。美術は素晴らしいが、恐怖の掘り下げが浅い点はホラー映画の技術不足もあるのかもしれません。怖いホラーが観たい方は、ホラーの代わりにサスペンス系韓国映画をご覧下さい。

暴力シーンや凄惨な殺人シーンはホラー映画よりも”恐怖”と”悲しみ”に満ちています。

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