映画『大統領の執事の涙』あらすじネタバレ結末と感想

大統領の執事の涙の概要:フォレスト・ウィテカー主演の、7代に渡って大統領に仕えてきた執事の物語。共演はオブラ・ウィンフリー、アラン・リックマン、ロビン・ウィリアムズ。リー・ダニエルズ監督の2013年米国映画。

大統領の執事の涙 あらすじネタバレ

大統領の執事の涙
映画『大統領の執事の涙』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

大統領の執事の涙 あらすじ【起・承】

綿花のプランテーションで働く両親のもとに生まれた、黒人の少年セシル・ゲインズ(フォレスト・ウィテカー)。ある日、彼は母親が農場主に犯されそうになって正気を失い、その後父親も殺されてしまう。農場主の母親に拾われ、給仕係として働くことになった。

この時代は、黒人への差別が厳しく、白人は黒人を殺しても罰せられることがなかった。少年は、やがてこの農場を出て、バーテンダーなどの仕事を経験したのち、1957年にワシントンでホテルの給仕係として働き始めた。

ある時、客から政治についてどう思うか尋ねられた事があった。セシルは、興味ないと答えた。その頃、彼はグロリア・ゲインズ(オプラ・ウィンフリー)と結婚し、2人の息子に恵まれていた。
ある日、ボスに呼ばれていくと、“ホワイトハウスに政治は無用だ。執事にならないか?”と誘われた。そして、セシルはホワイトハウスで執事を務めることになった。ここでは、“見ざる聞かざるの精神で給仕しろ!”と言われます。

1957年~ アイゼンハワー政権

この政権では、初めて白人が黒人を守るために動いてくれたとセシルは評価した。
この頃、長男ルイス・ゲインズ(デビッド・オイェロウォ)は、高校を卒業した。そして、テネシー州にある大学に進学した。

アイゼンハワー大統領(ロビン・ウィリアムズ)は、セシルに訊いた。“君は学校に行ったことはあるのか?”と。セシルはないと答えた。

1960年代。長男ルイスは大学生。大学で、キャロル・ハーミー(ヤヤ・ダコスタ)という女の子と出会う。黒人が白人と同じ食堂に入るだけでも差別を受け、黒人席でないと注文もできない状態だった。そんな黒人差別を撤廃させたいと、ルイスも食堂に入った。しかし、白人らの迫害を受け、ルイスは熱いコーヒーを投げられて火傷してしまう。

そして、留置所に入れられてしまったルイスを、父親セシルは怒った。
“誰が学費を出していると思っているんだ!”と。ルイスはその後も、黒人解放運動を続けた。

1961年~ ケネディ政権

30代の若さで大統領に就任したケネディ大統領(ジェームス・マースデン)。
妻の隣には、まだ幼い娘キャロラインもいた。セシルは、キャロラインが落とした人形を拾ってあげた。セシルの仕事は充実していたが、妻グロリアは家庭を顧みない夫のことが不満だった。

ある日、黒人の乗ったフリーダム・バスが、白人史上主義者の秘密結社にヘイト・スピーチと共に襲われてしまう。そのバスには、ルイスや恋人のキャロル・ハーミーも乗っており、怪我をしてしまう。その暴動をテレビで観ていたケネディ大統領は、“これがアメリカなのか?”とショックに震えるのだった。ルイスは助かったものの、留置所に再び入れてしまう。

一方、ケネディ大統領は、黒人への自由を保障する法律を出すなどするが、ダラスを遊説中に暗殺されてしまう。
ケネディ大統領の死を悼むセシル。形見として、彼のネクタイをもらうのだった。

大統領の執事の涙 あらすじ【転・結】

1969年 ニクソン政権

ルイスは、相変わらず黒人解放運動を行っていた。母親は、父親が構ってくれないのでアルコール中毒になっていた。一方、次男のチャーリー(イライジャ・ケリー)は、大学を中退し、ベトナム戦争に参加してしまう。そして、戦死するのだった。

1974年 第2期ニクソン政権

弟チャーリーの葬儀にさえ、姿を見せない息子ルイスに胸を痛める家族。そんなルイスは、黒人解放運動家から政治家へ転身しょうとしていた。民主党員として立候補するが、選挙に落選してしまう。

1986年 レーガン政権

レーガン大統領(アラン・リックマン)から、セシルは密命を受けた。苦しい生活を送る国民にお金を送って欲しいと。また、セシルも白人と同様の給与や昇進を訴え、見事その権利を獲得した。その後、ナンシー夫人からよくやったわね、とほめられるのだった。

そして、セシルは妻グロリアと共にレーガン大統領の晩餐会に呼ばれます。しかし、いつも給仕している側とは反対の状態に居心地の悪さをセシルは感じるのだった。

一方、息子ルイスは、政治活動を続け、本を出していた。セシルは、殺された父の墓に参り、自分の気持ちにけじめをつけることができた。

デモ活動をする、息子ルイスに自ら参加することを告げた。そして、ようやく息子と和解したのだった。レーガン政権を最後に、セシルは執事の職を辞めた。

2008年.アメリカに黒人初のオバマ大統領が誕生した。セシルは息子と共に、オバマを支持していた。一方、息子ルイスは議員になっていた。

オバマ大統領に特別に面会が許される日。足を引きずりながらだったが、セシルは誇り高い気持ちで再び、ホワイトハウスを歩いていた。

大統領の執事の涙 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2013年
  • 上映時間:132分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、歴史
  • 監督:リー・ダニエルズ
  • キャスト:フォレスト・ウィテカー、オプラ・ウィンフリー、ジョン・キューザック、ジェーン・フォンダ etc

大統領の執事の涙 批評・レビュー

映画『大統領の執事の涙』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

黒人解放運動の歴史と黒人一家の物語

アメリカの大統領がオバマさんになった時、黒人を含めマイノリティの人々は世界が変わることを期待したに違いない。この映画を観ると、長く黒人差別と闘ってきた歴史がよく分かります。

しかし、歴史よりもセシルという給仕係が後にホワイトハウスの執事になるというサクセス・ストーリーでもあります。皮肉なのは、父親が白人に献身的に務める中で息子たちは、黒人解放運動で傷ついたり、ベトナム戦争で命を落としてしまうのです。

歴代の大統領が、黒人解放のために力を尽くしたかのように描かれているシーンもありますが、本当にそうだったのでしょうか?良い面が強調されているのではと思います。

しかし、歴代大統領を演じる俳優たちが、大統領の面影に結構似ているのでびっくり!
アラン・リックマン演じる、レーガン大統領に注目してみて下さい。

アメリカ大統領選の前に観ておきたい映画

もうすぐアメリカ大統領選がありますね。クリントン氏か、はたまた過激な発言で話題のトランプ氏になるのか?そんな大統領選の前に観ておきたい映画を紹介します。

1作目は、本作で主人公の息子役を演じていたデビッド・オイェロウォ主演の「グローリー/明日への行進」(14)。キング牧師の生涯と1965年に起きた“血の日曜日”事件を描いています。この平和的デモが大統領の心を動かしたと言われており、アメリカの公民権運動
の波を感じることができます。

次にオリバー・ストーン監督の「JFK」(91)。地方検事ジム・ギャリソンが、ケネディ大統領暗殺事件の真犯人を追うというサスペンス。かなり長い上映時間だが、オズワルト単独犯人説を否定し、真実へ迫ろうとする気迫とスリルを味わえます。

アメリカの歴史はいわば、黒人と白人の対立や根深い差別によって作られたもの。今後、アメリカがどう変わってゆくのか、見逃せない!

大統領の執事の涙 感想まとめ

アメリカの歴史を語る上で、大統領と黒人解放運動の物語は欠かせない。セシルが仕えた7人の大統領全員が黒人の差別をなくそうと努力したわけではないだろうが、大統領と執事という立場を超えて分かり合おうとする姿に共感します。

今なお、人種差別やマイノリティに対する偏見など絶えない世界において、この映画が果たす役割は大きい。また歴代大統領を演じる、アラン・リックマンやロビン・ウィリアムズといった実力派俳優の演技もこの映画の見どころです。

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