『スリーデイズ』あらすじ感想とネタバレ映画批評・評価

スリーデイズの概要:「スリーデイズ」(原題:The Next Three Days)は、2010年のアメリカ映画。2008年に公開されたフランスの映画「すべて彼女のために」のハリウッド版リメイク作品である。監督はクリント・イーストウッド監督の「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本で、第77回アカデミー賞の作品賞に輝いたポール・ハギス。主演は2000年の「グラディエーター」でオスカーに輝いたラッセル・クロウ。共演は「スパイダーマン」シリーズなどのエリザベス・バンクス。

スリーデイズ

スリーデイズ あらすじ

映画『スリーデイズ』のあらすじを紹介します。

ある日の朝、愛する妻子と共に幸せな毎日を過ごしていた、大学教授のジョン・ブレナン(ラッセル・クロウ)の自宅に警察が突入する。そして妻のララ・ブレナン(エリザベス・バンクス)が仕事場での口論の末、上司を殺したという容疑で逮捕されてしまう。それから三年が経過しジョンは一人で息子を育てながら、妻の無実を証明するため懸命に奔走していた。しかし裁判では彼女に不利な証拠が提出され、容疑は覆ることなくララの殺人罪が確定する。絶望し獄中で自殺未遂を起こした妻を思い、ジョンは妻の人生と家族の幸せを取り戻す事を決意する。それは命を懸けた決断でもあり、彼はそこから様々な手段での妻の脱獄を思い巡らせてゆく。ジョンは元受刑者のデイモン・ペニントン(リーアム・ニーソン)に相談する。デイモンは刑務所について研究するようにジョンにアドバイスし、さらにどんな刑務所も脱走できると言った。そして彼は脱獄の後に捕まるのを避けるのに比べれば、刑務所から最初に脱走するのは容易だとも話す。ジョンは脱獄を成功させるために偽造パスポート、新しい社会保障番号、それに多額の現金を用意しなければならなかった。そしてデイモンはアメリカ人に人気のない外国へ行く事を提案する。ジョンは生活の全てを犠牲にし、孤独や恐怖に苛まれながら脱獄計画を綿密に練り上げていく。やがてジョンはララが高カリウム血症であると記した血液検査結果を偽造し彼女の病院移送に成功する。 一方で脱獄計画を嗅ぎつけた警察はジョンの周囲にも捜査の手を伸ばしており、最終目的へ向けた逃走劇のシナリオが展開されてゆく。

スリーデイズ 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2010年
  • 上映時間:134分
  • ジャンル:アクション、サスペンス
  • 監督:ポール・ハギス
  • キャスト:ラッセル・クロウ、エリザベス・バンクス、ブライアン・デネヒー、レニー・ジェームズ etc

スリーデイズ 批評 ※ネタバレ

映画『スリーデイズ』について、2つ感想批評です。※ネタバレあり

フランス流の愛のドラマを、アメリカンテイストで仕上げたスリリングな作品

冤罪話というものは誠に厄介なものである。ありとあらゆる冤罪話が映画となり、その解決に奔走する主人公の葛藤が描かれた作品は枚挙にいとまがないが、その冤罪が実刑として確定してしまい、家族が脱獄を補助するという内容は、これ以上のスリルがあるかというようなヤケクソな展開である。刑務所を舞台にしたものも多くはあるが、大方は「ショーシャンクの空に」のような刑務所の中での人間ドラマに集中して、逃走のプロセスを中心に描かれるというのは珍しいだろう。内容から言えばアメリカ的というよりは、やはり原作のフランス的な激情恋愛ドラマというニュアンスが強い気がする。フランスではこの手の狂気的な愛を演じた映画でもさほど違和感なく観られるものだが、ハリウッド映画というところがこの緊迫感を生み出したのかも知れない。

主人公の行動は綿密な計画的犯行に思えるが、その裏にある心理は衝動的でしかない。その衝動に突き動かされる計画は緻密でありながら、あくまでも無謀な計画というところがスリリングである。そして終盤のアクション描写はそのスリリングな展開を凝縮した出来映えである。ご都合主義的な展開も気にならなくはないが、幾重にも広がる包囲網をギリギリで切り抜けて行く様相は、アクション映画として純粋に楽しめるアメリカ的作品に仕上がっており痛快である。

あり得ない設定を、あり得る話のように描いた手腕が光る

馴れ初めやいきさつは意外に無視されてしまうストーリーである。一般的には実刑が確定しても控訴を繰り返したりと、信念の持って行き方を法という名の下で処理して行く努力が描かれてしかるべきなのだが、妻が刑務所の中で自殺未遂をするような状況で火がついたのかも知れない。このヤケっぱちさがドラマを盛り上げる最大の要因である。そしてそれを演じる役者が普段は柔和に見えるラッセル・クロウというところが意外性を強調している。そして四面楚歌と思わせるまで追い込んで行きながら、最後にどんでん返しという王道の手法も観ていて気持ちがよい。妻の無実を信じて疑わない姿勢は美しい反面狂気的ではあるが、そんな展開の映画は例を見ないという設定が功を奏したのだろう。

スリーデイズ 感想まとめ

主人公のジョンが取った行動はもはや正しい正しくないの領域で判断されるようなものではない。ジョンは何と戦おうとしているのかという事さえも忘れ、主人公に気持ちを加担させる作りが映画らしくて良いのだ。善悪ではなく追う者と追われる者の立場も、よくある刑事ドラマみたいに一対一の図式ではなく、多勢に無勢という判官贔屓の様相を呈しており、逆転の構図が教科書通りに描かれて、観る側の心理を憎らしいほどに掴む演出に溢れている。誰もが心の中に持っているヒーロー像を揺り動かし、誰しもやるときはやらねばならんのだというストレートな表現が気持ちよい。結果よければ全てよし。人生はいろいろあって大変だ。という爽快な気分で終わらせてくれるカタルシスの効果も備えている作品である。
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コメント

  1. ぽこり より:

    おっしゃる通り、人間誰しもやるときはやらねばならんのだ、が1番に伝わってくる映画。生半可に強引に進めようとしても奥さんが車から飛び出したり、思い込みだけでは物事が進まないという現実的かつ各役者の強さも良かった。
    ラッセルクロウはこの手の演技がすこぶる上手いなぁ、と思います。