『サンダーボルト(1974)』あらすじとネタバレ映画批評・評価

サンダーボルト(1974)の概要:「サンダーボルト」(原題:Thunderbolt and Lightfoot)は、1974年のアメリカ映画。監督は本作が映画デビューとなった後のオスカー監督、マイケル・チミノ。主演は「夕陽のガンマン」、「ダーティ・ハリー」のクリント・イーストウッド。共演は「ラスト・ショー」のジェフ・ブリッジス、「特攻大作戦」のジョージ・ケネディ。

サンダーボルト

サンダーボルト あらすじ

映画『サンダーボルト(1974)』のあらすじを紹介します。

西部のとある教会で黒服を纏った宣教師が説教を行っている。そこへ1台の車が止まり降りた男がいきなり宣教師へ発砲する。理由を察したかのように逃げる宣教師はジョン・ドーアティ(クリント・イーストウッド)と言い、別名「サンダーボルト」とも呼ばれる悪名高い銀行強盗だった。そのニックネームは、彼が銀行を襲撃する手口が機関砲で金庫に風穴を開けるという独特のものに由来する。そのサンダーボルトを追う男はレッド(ジョージ・ケネディ)と言い、彼はかつてジョンと一緒に現金輸送会社から50万ドル強奪したが、事件の首謀者ビリーが突然心臓マヒで死んでしまった隙に、ジョンが50万ドルを持ち逃げしたと思い込んでいた。しかしその50万ドルはビリーが子供の頃に通った小学校の黒板の裏に隠してあった。サンダーボルトは、レッドの銃撃から逃れ、逓送する最中にライトフット(ジェフ・ブリッジス)という威勢のよい若者と道連れになる。ライトフットは車の運転が上手く、女にも手が早い、ニックネーム通りの機敏さを備えていた。彼と組んだジョンは、50万ドルを取り戻す絶好のチャンスと盗んだ車で小学校に駈けつけた。しかし意外なことに金が隠されている筈の昔の校舎はなく、新しい校舎が建てられていた。そこに現われたのがレッドとグッディ(ジョフリー・ルイス)で、彼らはジョンたちに銃を突きつけ取り分を要求するが、事情を聞かされ意気消沈する。そしてライトフットの提案で、もう1度同じ手口で現金輸送会社を襲うことになり、誰もいなくなる日曜日の夜に決行と決まった。警察直通の電話線を警戒して金庫を破り、大金強奪と同時に一目散に逃走する。二度目なので万事が上手く行く筈だったが、トランクからはみ出したグッディの服が料金係に発見され、駆けつけるパトカーのサイレンに彼らは逃げ出した。グッディは警官の弾丸で重傷を負い、レッドはジョンとライトフットを殴り付け、金を奪って車で逃走するも追いつめられ、デパートのウインドーに正面衝突してあっけない最後を遂げた。命からがら逃げだしたサンダーボルトとライトフットはハイウェイをヒッチハイクする中、やがて彼らの目の前に取り壊された筈の古い校舎が現われた。その校舎はモンタナ州の文化記念物として移転され、観光客のアトラクション施設になっていた。50万ドルを手にしてハイウェイを走る白いキャデラックの中で、突然ライトフットの身体がくずれ落ちる。レッドに殴られた後遺症が突然彼に襲いかかってきたのだ。ジョンはキャデラックを停めたがライトフットは事切れてしまう。そしてジョン一人を乗せたキャデラックは、宛もなくいずこかへ向かって去っていった。

サンダーボルト 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:1974年
  • 上映時間:92分
  • ジャンル:アクション、サスペンス
  • 監督:マイケル・チミノ
  • キャスト:クリント・イーストウッド、ジェフ・ブリッジス、ジョージ・ケネディ、ジェフリー・ルイス etc

サンダーボルト 批評 ※ネタバレ

映画『サンダーボルト(1974)』について、2つ批評します。※ネタバレあり

監督デビューのマイケル・チミノが手がけたロードムービー

犯罪者のストーリーであるが、この作品の軽妙な感覚とほろ苦さを残せたのは、若いジェフ・ブリッジスが演じるライトフットのキャラクターによるものが大きいのではないだろうか。ジョージ・ケネディという御大と共に、イーストウッドより目立っている感すらある。そして彼が演じる軽薄な若者の姿に、後年に見せる独特のシニカルさも垣間見え、役者としての懐に深さも表れている。飄々としたジョンを演じるイーストウッドに不思議とかみ合っているところも好感が持てるところだ。アメリカン・ニューシネマ的な背景ではあるが、イーストウッド本人が犯罪者役なのでそのイメージはあまり崩されておらず、犯罪者を演じながらも根本から悪い奴ではないというところが良いタッチで描かれている。後年のマイケル・チミノ監督らしからぬ軽い作風ではあるが、若い監督にありがちな軽薄感は感じられず、映画の見せ方を心得たカメラワークが、随所に画面の端々からも窺える。ハリウッドの巨匠と成りながら、作品数が少ない監督のデビュー作として貴重な一本であろう。

俳優のメンバー構成が嵌っている

ロードムービー、サスペンス、コメディなど多くの要素を含めながら、クリント・イーストウッドやジョージ・ケネディといった大御所を、自らの監督デビュー作に採用したというところで、役者負けしていないところも流石である。シナリオもマイケル・チミノ本人が手がけているものであるから、そのへんの才能が前もって高く評価され役者が揃ったという事なのだろう。クライマックスの描き方などもハッピーに終わりそうなところで、そうはさせじと流れを変える手腕もいいが、少し煮え切らない終わり方に見えるところも窺えるが、当初の流れからすればハッピーに終わらせてしまっては作品自体が軽薄になってしまうという配慮だろう。

しかしながら大物役者の個性を見事に引き出しているところでは、デビュー作とは思えない貫禄ではないだろうか。

まとめ

全体にわたって寸断的に見えるストーリーも細かく繋がっており、若い犯罪者のライトフットの傲慢さもよく描かれている。金の隠し場所が移転されていたようなところもご都合主義ではありながら、機転を利かした作品中のアクセントであり「そんなアホな」という言葉が出てくるような意外性も孕んで、意図的に笑いを取ろうとするどんでん返しにも素直に笑える。クリント・イーストウッドが犯罪者という設定なので、少しキャラクターをイメチェンしても面白かったとは思うのだが、この人はそうそう簡単に変われるようなキャラクターじゃないんだろうな。ハリー・キャラハンが私服で悪さをしているような感じは否めないが、まぁ映画だからそれもいいだろう。

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