映画『チルソクの夏』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「チルソクの夏」のネタバレあらすじ結末

チルソクの夏の概要:陸上部に所属する郁子は、夏の日韓親善陸上大会に参加する。そこで出会ったテイホウという韓国の青年と恋に落ちる。両方の家族から反対を受けながらも、来年の夏、七夕に再会しようと二人は約束する。イルカの名曲『なごり雪』が、劇中の青春模様を淡く彩る。

チルソクの夏の作品概要

チルソクの夏

公開日:2003年
上映時間:114分
ジャンル:ラブストーリー、青春
監督:佐々部清
キャスト:水谷妃里、上野樹里、桂亜沙美、三村恭代 etc

チルソクの夏の登場人物(キャスト)

遠藤郁子(高校生:水谷妃里 / 大人:高樹澪)
主人公、長府女子高校の2年生。陸上部に所属し、高跳びの選手。美人だが陸上一筋で恋愛には疎かった。親善大会で出会ったテイホウと惹かれ合う。朝は新聞配達のバイトをして家計を助ける。
杉村真理(高校生:上野樹里 / 大人:谷川真理)
郁子の友人で同じく陸上部に所属。長距離選手。恋多き少女で、仲良しグループの中では異性と接するのが一番得意。親善大会で一緒になった他校の宅島に一目惚れし、交際を始める。
藤村巴(高校生:桂亜沙美 / 大人:竹井みどり)
郁子の友人で陸上部所属。走り幅跳びの選手。乙女ちっくで惚れっぽく、テイホウに最初に熱を上げた。彼が郁子と急接近することにショックを受けるが、潔く諦めて郁子たちの恋を応援する。
木村玲子(高校生:三村恭代 / 大人:岡本舞)
郁子の友人で陸上部所属。槍投げの選手。お調子者で陽気なムードメーカー。真理たちと共に、郁子の恋を見守る。
アン・テイホウ(安大豪)(スズキジュンペイ)
釜山高校2年生。日韓合同の親善大会への参加中、郁子に恋をする。外交官の父を持ち、日本で暮らした経験があり日本語が少し解る。将来は自身も外交官を志し、大学進学を目指している。一見無口だが、正義感が強く恋に積極的な青年。
遠藤隆次(山本譲二)
郁子の父で、歌うたいを生業とする。決して収入は多くなく、家族の生活は苦しい。酒浸りの傾向があり、郁子との間には溝がある。郁子が韓国人と付き合うことにいい顔をしない。
遠藤光子(金沢碧)
郁子の母。控えめな性格で、夫には黙って付き従う。郁子がテイホウと文通することにはあまり肯定的でないが、静かに見守る。
宅島純一(福士誠治)
親善大会に参加していた他校の男子生徒。3年生。ハンサムで真理の心を射止める。真理と交際するが、いまいち気持ちが通じ合わず真理を悩ませる。

チルソクの夏のネタバレあらすじ

映画『チルソクの夏』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

チルソクの夏のあらすじ【起】

1977年7月5日。山口の下関市は、毎夏に釜山市と高校生の親善陸上大会を合同で開催していた。その一つの高校の陸上選手である郁子たちは、初めて釜山に降り立った。郁子を除く真理たちは年頃らしく、韓国の男子生徒に興味津々だった。真理だけは日本人の宅島をマークする。巴は、一人無表情な韓国の男子生徒に好意を抱く。真理を筆頭に、郁子たちは練習をさぼって釜山の街へ繰り出す。知らない言葉や文化を目にして、少女たちは大はしゃぎする。観光を楽しんだ後、定時に気付いた郁子たちは慌てて学寮へ戻る。

日韓の高校生たちが集う食堂。韓国の男子高校生たちが壇上で自己紹介をする時、巴お気に入りの男子がマイク前に立った。名前はアン・テイホウ、高校2年で郁子たちと同じ年だった。巴はますますうっとりとした。

7月7日、大会本番。テイホウが郁子たちに視線を寄越すが、その視線は郁子だけを捉えていた。テイホウは初めて見かけた時から、郁子に惹かれていた。真理が長距離走に参加中、一着を競っていた韓国の女生徒が足を捻らせて倒れる。真理は一着になるが、頭に来た女生徒は真理がわざと自分に足を引っかけたと喚き立てる。強気な真理も引き下がらず、止めに入った他の両国の生徒たちを巻き込んで大喧嘩に発展する。宅島の提案で、テイホウがピストルを鳴らすと一連の騒ぎは収まった。脇で見守っていた郁子はショックで沈黙していた。テイホウに心配され、二人は初めて口を聞く。郁子は、テイホウの優しさに無意識に惹かれていく。

夜。日本人寮に不審な人影が見られた。警戒する郁子たちの前に現れたのは、テイホウだった。郁子に会いたくて、本来なら外出禁止の韓国人寮をこっそり抜け出して来たのだ。テイホウの積極さに感心した日本の高校生たちは、郁子と会話ができるよう寮に通してやる。郁子は窓越しに、テイホウは木に登って見つめ合う。見守っていた巴は、二人の仲にはもはや割り込めないと諦める。つたない英語を交えながら、郁子はテイホウに住所を教えて文通することに決める。ちょうど七夕だったので郁子がそのことを話題にすると、テイホウは韓国語で七夕を「チルソク」と言うのだ、と教えてくれた。

チルソクの夏のあらすじ【承】

帰国後、テイホウとの文通が始まった。テイホウは両親と三人家族で、外交官の父の影響で将来は同じ職業に就くことが夢だった。大学受験を控えているが、郁子と出会って陸上を続けることを決めたと手紙に書いた。郁子の両親はテイホウとの交流をよく思っておらず、朝鮮人というだけで差別していた。テイホウは日本語で書いてくるが、郁子は韓国語はおろかハングルの読み書きができなかった。それではまずいと判断した郁子たちは、4人でハングルを勉強し始める。真理は順調に宅島と交際中で、キスは済んでおりその先に進みたいと望んでいた。

ゆっくりと愛を育む中、郁子は手紙で、10月10日の晩に互いに同じ方角の夜空を見上げようと提案する。そして、お互いを想い合おうとロマンチックなことを記す。そのことを聞いた真理は、自分の家に招いて仲良し4人で夜空を見上げることにする。観測場所を提供する代わりに、真理は恋の相談を持ちかける。宅島と身体を重ねた後、生理が数か月も来ないのだと言う。巴たちは、妊娠の恐れがあるから注意しろと忠告する。気分を替えて4人はベランダで夜空を見上げる。同じ頃、テイホウも同じ方角の夜空を仰いでいた。テイホウの両親も郁子との付き合いには反対していて、二人は満天の星空に想いを馳せた。

学期末。通知表を渡され、郁子は自身の成績が二学期よりも下がったことに不安を抱く。父隆次の仕事が好調ではないこともストレスだった。それに加えて、巴たちは親がうるさいからと韓国語の勉強を断念する。大人の韓国への強烈な偏見に、郁子は心を痛めていた。クリスマスが近づいていて、テイホウに郁子はマフラーを編んでいた。しかし、泥酔した隆次が帰宅し郁子の作業を妨害する。母光子や隆次の仕事を提供してくれたのは韓国人なのに、なぜ両親は彼らを嫌うのか、郁子には理解できなかった。

テイホウは進学を優先して、陸上を諦めかけていた。日本から届いたマフラーを巻いて帰宅すると、それに気付いた母に咎められる。母の叔父はかつて大戦で日本兵に殺された。テイホウは、郁子への恋心と家族の反対の板挟みになる。郁子へクリスマスプレゼントを用意していたが、引き出しに仕舞ってしまうのだった。

年が明ける。仲良し4人で初詣に訪れ、郁子は今年の七夕にテイホウと再会できることを願った。クリスマス以降、テイホウからの手紙は途絶えていた。真理はというと、妊娠騒ぎは収まったが、宅島が東京の大学に進むことで破局の可能性が強まっていた。落ち込む真理を、郁子は彼氏と「いつでも会える」のだからましだと責める。反対に真理から「韓国人だから会うのは無理だろう」と言われてしまう。恋愛事はさておき、郁子は進学問題の壁にぶち当たっていた。陸上部の顧問からスポーツ推薦で大学に行けることを聞くも、あまり乗り気にはなれない。その胸中は、隆次が仕事を失うかもしれないことが大きく占めていた。

チルソクの夏のあらすじ【転】

郁子は大学のことを光子に相談する。光子自身は進学してほしいと望んでいるが、郁子は父のことが重荷で進学への意欲が失せていた。銭湯で近所の女性に会うと、朝鮮人と付き合っているのかと聞かれる。郁子はそれだとだめなのか、と言い捨てて去る。帰り道に隆次がヤクザに暴力を振るわれているのを目撃する。ヤクザは父のギターを壊して立ち去る。郁子は何とか父を助けるが、自分の仕事はもう終わりだと隆次は絶望していた。

春になると、テイホウから手紙が来る。しかし差出人は母親だった。内容は、韓国では男性は20歳を過ぎると徴兵されて、そのために今進学する必要があると言う。だから郁子の手紙はテイホウにとって迷惑で、もう送って来ないでほしいと記されていた。郁子はたまらずに海に向かってバカヤローと叫んだ。

追い詰められた郁子は、陸上部を休みだす。真理たちは郁子を呼び出し、なぜ陸上を始めたのか郁子に問いただす。郁子は鈍い反応しかせず、感情的になった真理は、そんな状態ならもう部活に戻ってくるなと怒った。友人らと話して、郁子は一人で自分を顧みる。陸上を始めたのは自分のためで、いつも記録更新に夢中だった。帰宅すると珍しく素面の隆次が、大学に行きたいなら陸上を続けろと背中を押した。郁子はその言葉で元気を取り戻し、大学進学を決意する。そして質屋で買ったギターを父に贈り、自分も頑張るから隆次も歌うたいを再開するよう言った。父は、郁子の思いに応えるように歌を歌いだす。

1978年7月6日。陸上に復帰した郁子は、再び親善大会に参加していた。テイホウの名は参加名簿に載っていなかったが、テイホウは特別トライアルに合格しており、急きょ参加した。1年振りに二人は再会を果たす。懇親会で、友人に促されたテイホウは壇上で『なごり雪』を披露する。教師が日本語の歌は禁止されていると止めに入る。だが、聴衆側の生徒たちは日韓共に温かい拍手を送った。

チルソクの夏のあらすじ【結】

大会当日。郁子はテイホウとすれ違いざま韓国語で何か囁かれるが、小声で聞き取れなかった。真理たちの計らいで、夜の橋上でテイホウと会えることになる。

郁子は待ち合わせの橋上でテイホウを待つ。帰りかけたその時、テイホウが息を上げながら現れる。花火が打ち上がり、二人はささやかなデートを楽しむ。郁子が囁きの意味を聞くと、テイホウは日本語で「5番ゲートで待ってる」と答えた。関門海峡のトンネルを歩く中、手紙に返事をしなかったのは母を悲しませたくなかったからだ、と郁子に謝った。テイホウは両親の反日感情を受けて、戦争の因果が自分たちの世代にまで及ぶことに違和感を抱いていた。誤解が解けた郁子は素直に、高校を卒業しても会えるのかと呟く。テイホウは20歳で兵役へ行ってしまうため、次に会えるのは4年後だと言った。それでも必ず会うことを誓い、二人は抱擁とキスを交わす。

韓国学生が帰国する朝。夜な夜な寮を抜け出したことがばれ、郁子たちは顧問からお説教を受けていた。郁子はテイホウを見送る約束をしていて、このままでは出航の時間に遅れてしまう。真理たちが気を利かせ、郁子だけ港へ向かわせる。しかし、郁子が到着した時には船はすでに出航していた。悲しさで顔を歪ませた郁子は、遠くなる舩に向かって「アンくんー!!」と叫ぶ。肩を落として戻りかけた時、見送りに参加していた他校の女生徒が、郁子にあるものを渡す。出航の直前、テイホウから郁子に渡すよう預かっていたのだ。それは、テイホウが用意していたクリスマスプレゼントだった。腕輪を握り締め、今度は笑顔でテイホウの名を呼ぶ郁子であった。

時は流れて二十数年後の親善大会。開催スタッフを務める郁子は、テイホウにそっくりな韓国の選手を見つけていた。別れから4年後、結局二人は再会しなかった。郁子は結婚・離婚も経験するが、その手首にはかつてテイホウから贈られた腕輪がはめられていた。大会には旧友たちや元顧問も応援に来ていた。

大会終了後。元顧問から、釜山側役員の男性から郁子宛に預かったと、メモを手渡される。それには見覚えのあるハングル文字が書かれていた―「5番ゲートで待ってる」。郁子は胸をどきつかせながら、競技場の5番ゲートへ向かう。役員らしき男性が、一人歌を口ずさんでいた。それは、かつて淡い恋を彩った『なごり雪』。彼がテイホウだと確信した郁子は、微笑みながら彼の元へ歩いていく。

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