映画『飛べ!ダコタ』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「飛べ!ダコタ」のネタバレあらすじ結末

飛べ!ダコタの概要:昭和21年、佐渡島で実際に起こった英国軍機の不時着事件を元にした感動のストーリー。終戦直後の日本人と英国人の交流を描いた、油谷誠至の映画初監督作品。全編佐渡島ロケ、飛行機ダコタは現存機を使用し実現した臨場感にも注目。

飛べ!ダコタの作品概要

飛べ!ダコタ

公開日:2013年
上映時間:109分
ジャンル:ヒューマンドラマ、歴史
監督:油谷誠至
キャスト:比嘉愛未、窪田正孝、洞口依子、中村久美 etc

飛べ!ダコタの登場人物(キャスト)

森本千代子(比嘉愛未)
高千村村長の娘。9歳で母を亡くす。明るく優しい性分で、困っている人を見過ごせない。行動的過ぎて、弟からは嫁の貰い手が無いと言われている。
木村健一(窪田正孝)
海軍兵学校時代に、訓練中の事故で足が不自由になった青年。かつては成績優秀で優しく村の期待の星だったが、ケガをしてからは表情も無くなり家にこもっている。
森本新太郎(柄本明)
高千村村長。千代子の父。自宅で旅館を経営している。決断力に富み、女子供の意見もよく聞く良き指導者。
村上敏江(洞口依子)
千代子や健一の同級生、義治の母。戦地に行った息子の生還を信じ、待ち続ける気丈な女性。
ブラッドリー少佐(マーク・チネリー)
ダコタの機長。温厚で、紳士的なリーダー。日本人にも礼儀正しく接し、高千村の人々を尊重している。
ディヴィット少尉(ディーン・ニューコム)
ダコタ乗組員の青年。英国軍人。明るく人懐こい。同じく明るい性格の千代子に親近感を抱く。
浜中幸三(螢雪次郎)
国民学校校長。千代子や健一は教え子。戦争が終わってからは平和教育に徹し、イギリスを紳士の国と評価する知識人。
高橋源治(ベンガル)
高千村の消防団長。無愛想だが人望があり、人情深い。娘を空襲で亡くしており、連合国への抵抗感が強い。

飛べ!ダコタのネタバレあらすじ

映画『飛べ!ダコタ』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

飛べ!ダコタのあらすじ【起】

終戦から間もない昭和21年1月14日、のどかな新潟県佐渡郡高千村の上空に凄まじいエンジン音が鳴り響いた。イギリス空軍の飛行機ダコタが、上海から東京までの飛行中に見舞われた悪天候でエンジントラブルを起こし、この高千村の海岸に不時着したのだ。

戦争の記憶も新しく、慌てふためく村人たち。村役場では、男たちが女子供を隠せと申し合わせる。英国は紳士の国だと言う者もあれば、敗戦国は何をされるかわからないと息巻く者も。不時着現場には既に野次馬が集まっており、村長の娘・千代子もその一人だった。高台から海を眺めるのが好きな彼女は、いち早く飛行機を見つけ駆けつけたのだ。

鼻先から砂浜に突っ込んだダコタから、空軍の制服を着た青年が二人降りてくる。けが人がいるかもしれないと、英語の知識を振り絞って「オーケー?オーケー?」と近づく千代子。彼女の様子に安心したのか、飛行機から続々と降りてくるイギリス人達。そこへ、村長が男たちを引き連れやって来た。不用心にダコタへ近づいた娘を、村長は怒鳴り平手で打とうとする。その振り上げた腕を掴んで止めたのは、イギリス軍の青年ディヴィットだった。

混乱しながらも、英語教師を通訳に意思疎通を試みる村長。機長のブラッドリー少佐が、状況を説明する。領事の護送中という事で、相手も困っているらしい。ひとまず村役場に案内し、領事には新潟から迎えを寄こしてもらうことになったが、飛行機と乗組員はどうしようもない。県からも、連合国に失礼の無いよう、出来る限り協力するようにとのお達しが出てしまった。

既に、千代子は何か協力できないかと考え始めていた。彼女は友人の健一が海軍兵学校で英語を学んでいたことを思い出し、通訳を依頼しに行く。しかし、健一は目も合わせてくれず、もちろん通訳も断られる。彼は戦時中に片脚をだめにしてしまい、かつては想いを寄せた千代子に合わせる顔が無いのだ。健一の母も息子を気遣い、千代子に、もう来ないでくれと懇願する。

とぼとぼと家に帰りながら、千代子は健一や級友の義治が出征した日のことを思い出す。あの時、彼らは村の英雄だった。誇りだった。今、健一は無職で家に引きこもり、義治は戦死公報一枚で帰らぬ人となってしまった。それでも、義治の母は息子の帰りを待ち続け、毎日小高い丘の上にある神社へのお参りを欠かさない。

一晩経っても、ダコタはそのままだ。乗組員たちは雪の降る海岸で野営し、村人たちは遠巻きに見張っている。千代子は、食卓で彼らをうちの旅館に止めようと提案した。弟も大賛成だ。学校では、既に平和教育が始まっていた。新太郎は村長であり父という立場から悩むが、翌日、彼らを助けたいと役場会議に持ちかける。これまで佐渡は、天皇から島流しの罪人まで、どんな者でも受け入れてきた。それに、生まれ変わった日本の姿を子供たちに見せてやる、絶好の機会ではないか。

新太郎の想いは受け入れられた。しかし、理解はできても共感のできない者もいた。空襲で娘を喪った高橋だ。そして、それは英国軍側でも同じだった。皆が日本人と仲良くやろうと決める中で、若いマイヤーズは日本を敵国としてしか見られずにいた。

飛べ!ダコタのあらすじ【承】

森本旅館に、イギリス人の一行がやって来た。ディヴィッド少尉は野次馬の子供たちに菓子を配ろうとするが、怖がり誰も受け取らない。そこへ千代子が間に入ると、彼はたちまち人気者となった。イギリス人は靴のまま旅館に入り、刺身で遊び、湯船で石鹸を使うが、森本家の人々は精一杯のもてなしで彼らの世話をした。

そして、砂に埋もれたダコタの救出が始まった。小学校校長の浜中も、その様子を子供たちに見学させる。新しい世界では、助け合いの精神が大切だと教える浜中。ふと、かつての教え子健一が、離れてダコタを眺めている様子に気が付いた。浜中は彼を心配し、教員の職を紹介しようとする。しかし、健一は自分に教師はできないと突っぱねた。国の為に死ねとしか教えられなかったのに、今更何を教えられるのか。半年前まで鬼畜米英を殺せと説いてきた浜中は、健一の言葉に何も言い返せなかった。

一方、村には「ノタ」の脅威が迫っていた。この時期特有の大波で、このままでは海岸のダコタが波にさらわれてしまう。村長はダコタの移動を提案するが、来るか来ないかわからない波の為にダコタを触られるのを嫌うマイヤーズ。しかし、機長のブラッドリー少佐は決断した。早速、ダコタには綱がかけられた。

小型機とはいえ、砂浜の傾斜を飛行機に上らせるのは容易な作業ではない。力が足りず困っている村長たちの元に、高橋が山ほどの人材を集めて駆けつけた。困っている者を助けてこそ佐渡の人間だ。女たちも、炊き出しをして協力する。無事にダコタの移動が終わった。ディヴィットはアリガトウという日本語を覚え、ブラッドリーは涙ながらに感謝のスピーチをした。そのスピーチに、もはや通訳は必要なかった。

それでもイギリス人に心を許せない健一は、先輩の清に闇市との仕事に誘われていた。清は、敵国人に媚びる情けない村人をバカにし、健一ももはや海軍兵学校のエリートではないと言う。闇市の話に嫌悪感を抱くも、きっぱり断れない健一。一方、千代子の友人である松乃も、自分の将来を悲観していた。親を亡くし、都会へ出稼ぎに行くのだ。イギリス人との交流に心躍らせながらも、千代子たちは変わってしまった健一や松乃を心配していた。

飛べ!ダコタのあらすじ【転】

新太郎たち村人は、新しい課題に直面する。ダコタを飛ばす為、滑走路が必要なのだ。海岸に石を敷き詰めるという大仕事だったが、高橋が真っ先に賛成し、村人総出での作業が始まった。

義治の母・敏江は、海岸のゴミ拾い中に銀のロケットを見つけた。マイヤーズが失くしたもので、中の写真は彼の母だった。早く国に帰ってやれと、マイヤーズを心配する敏江。彼女がビルマに行った息子を待ち続けていると知り、マイヤーズは驚いた。彼もまたビルマ戦線で戦い、現地で兄を亡くしているのだ。

高台で、海を眺める千代子と健一。幼い頃の思い出を語り合う。千代子にとって、この高台は良い知らせがやってくる場所だった。父の帰りを、いつもここで待っていたものだ。すると、海岸沿いに軍服を着た男が歩いている。首からは、白い包みを下げていた。南方からの帰還兵で、義治の遺骨を敏江に届けにやって来たのだった。

敏江の家に駆け付ける千代子。敏江はすっかり取り乱し、見舞に来た健一の母にお前の息子は訓練で足を無くして情けない、うちの息子は立派に戦死したと自慢する。しかし、誰も敏江を責めることはできなかった。夜になると、敏江は息子の帽子を握りしめ、暗い海に向かっていった。

敏江を探し回る村人たち。その声は、海岸にいたイギリス人達の耳にも入った。波打ち際に敏江を見つけたマイヤーズは、入水しようとする彼女を陸へ引きずり戻した。気絶した敏江が目を覚ますと、千代子は、亡くなった母の代わりに家事を教えるよう約束させる。敏江は、マイヤーズをイギリスにいる母の元へ返す為、滑走路作りの作業に戻ることを決意した。

村人たちは、山から丸太を切り出し、川から石を運んだ。女も子供も、皆協力した。イギリス人もそんな村人たちを写真に収め、ついに刺身を食べた。ある時、高台にいる千代子をディヴィットが追う。彼は景色を褒め、村人を褒め、そして千代子を美しいと言って彼女を見つめた。

ディヴィットと千代子が近づいていることは、すぐに村の噂になった。千代子にはっきりと注意する叔母。彼女は健一と千代子のあいまいな関係も心配していた。あの脚では、結婚しても苦労するのが目に見えている。それでも、千代子はどんな苦労を誰とするかは自分で決めると言い切った。そして、高千の女は強いのよと笑った。

飛べ!ダコタのあらすじ【結】

煮え切らない健一を置いて、清は新潟に行くという。彼はダコタがビルマ戦の将軍専用機だったと知り、義治を殺した部隊の飛行機を助けるなんて、大人は信用ならないと吐き捨てる。その事実は、健一のイギリス人達に対する敵意を大きくさせた。

夜になると、健一は家を抜け出した。部屋に辞世の句を遺し、軍人勅諭を唱えながら、倉庫にガソリンをまき散らす。そこに火をつけ、次はダコタへ向かう。

健一の句を見つけた母が千代子に助けを求め、千代子が家を飛び出すと、海岸の方から大きな火の手が上がっていた。イギリス軍たちも、慌てて倉庫の消火活動を始める。今まさにダコタに火をつけようとする健一を、千代子とディヴィットが間一髪で引き止めた。

殴り合いになるディヴィットと健一。義足を打たれ倒れる健一をかばう千代子。這いずってでもダコタに近づこうとする健一に、とうとう千代子は頬を打ち「まだ戦争しているつもりか」と怒鳴りつけた。健一は、自分の中で戦争を終わらせられない事に苦しんでいたのだ。千代子にとって、彼の脚が失われたことは悪い事では無かった。脚が無くても、戦争の日々に戻るよりはマシだった。健一が帰って来た日、高台から脚を引きずる男の影を見つけ、あれが健一でありますようにと祈った千代子。それを知り、自分の脚が無くなって喜んだのは千代子と母だけだと、健一は涙する。

翌朝、新太郎と警官、そして高橋は健一の処遇について話し合っていた。本人は自首する気でいるが、未来ある若者を助けたい。高橋は、全ての罪を自分が引き受けた。この村に、放火するやつなどいない。昨日の健一は、健一の姿をした戦争のお化けだ。そう言って、倉庫の炎上は火の不始末、ダコタ周辺にガソリンが撒いてあるのは、給油に失敗してしまったからだと英国軍に謝罪する。無理のあるこの言い訳にも、ブラッドリーは何も聞かず高橋を許すのだった。

滑走路を作る村人たちの作業は続く。イギリス人達に心を許し、こんなに良い人たちと戦争をしていたなんて、軍部に騙されたと言う村人たち。しかし、村長は自分たち一人一人が戦争を始めたのだと思っていた。騙されたと思っていたら、いつかまた次の戦争になると彼らを諭しても、難しい話だからと相手にされない。

健一もまた、未来のために動き始めようとしていた。浜中に、教員の職を世話してくれと頼んだのだ。彼は、自分なら子供たちに「自分のようになるな」と伝えられると感じていた。深く頭を垂れて、これまで自分が教えてきたことを謝罪する浜中。健一は、時代のせいだから、と浜中を責めることはしなかった。

とうとう滑走路が完成し、森本旅館では祝賀会が開かれた。送別のプレゼントに、子供たちが歌を披露した。蛍の光だ。祖国でも有名なメロディーに驚くイギリス人達。それぞれの歌詞で共に歌い、肩を組み、高千の人々とダコタの乗組員は最後の時を楽しんだ。

出発の日。村人全員で、ダコタの離陸を見守った。子供たちが、飛べ、ダコタ!と声援を送る。手作りの滑走路は立派に働き、ダコタは遠いイギリスへ向かって帰っていった。

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