映画『特別な一日』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

映画『特別な一日』のネタバレあらすじ結末

特別な一日の概要:ムッソリーニの率いるファシスト政権が絶大に支持されていた1938年のローマを舞台に、平凡な主婦とワケありの男が過ごす、ある特別な一日を描く。ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの2人芝居とエットラーレ・スコラ監督の演出が光る名作。

特別な一日の作品概要

特別な一日

公開日:1977年
上映時間:106分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、戦争
監督:エットレ・スコーラ
キャスト:マルチェロ・マストロヤンニ、ソフィア・ローレン、ジョン・ヴァーノン etc

特別な一日の登場人物(キャスト)

アントニエッタ(ソフィア・ローレン)
ローマの団地で暮らす平凡な主婦。公務員の夫との間に6人の子供がいる。当時のイタリア国民の多くがそうであったように、特に政治的な思想はないが、ムッソリーニのファシスト政権を支持している。家事と育児に疲れ果てている。
ガブリエーレ(マルチェロ・マストロヤンニ)
アントニエッタと同じ団地の向かいの部屋で暮らす男性。ラジオ局のアナウンサーをしていたが、同性愛者であることがバレてクビになった。

特別な一日のネタバレあらすじ

映画『特別な一日』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

特別な一日のあらすじ【起】

1938年のイタリア。ヒトラーがイタリアを訪問し、ファシスト党員は熱狂的に彼を歓迎する。当時のイタリアはムッソリーニのファシスト政権が絶大な支持を得ており、ほとんどの国民がファシスト党員だった。

ヒトラーの訪問2日目。この日はローマでイタリア全軍が行進する盛大な式典が開かれることになっており、ローマ市民は朝から準備に追われる。市内の団地で暮らすアントニエッタも、6人の子供と夫の支度に追われる。夫や子供たちは、専業主婦のアントニエッタに甘えきっていた。

ようやくみんなを送り出し、アントニエッタは家でひと息つく。団地全体も人が出はらい、急に静かになる。本当はアントニエッタも式典に参加したかったが、彼女には家でやることが山のようにあった。

アントニエッタは食器を片付け、ペットの九官鳥に餌をやろうとする。ところが、九官鳥が窓から外へ出てしまい、向かいの棟まで飛んでいく。ちょうど向かいの部屋には住人のガブリエーレがいて、アントニエッタは大声で彼に呼びかける。しかしガブリエーレは気づいてくれない。

アントニエッタはガブリエーレと面識はなかったが、“九官鳥が逃げてしまったので、お宅の窓から捕まえさせてほしい”と頼みにいく。何かを深刻に思いつめていたガブリエーレは、アントニエッタの訪問を喜び、九官鳥を捕まえてくれる。

特別な一日のあらすじ【承】

ガブリエーレは、お礼を言って帰ろうとするアントニエッタを引き止め、話をしたがる。彼はレコードをかけてルンバを踊り、陽気に振る舞う。しかし音楽は式典の音にかき消され、アントニエッタも家へ帰る。

家に戻ったアントニエッタは、いつものように掃除を始め、ガブリエーレは本や手紙を整理する。ガブリエーレは誰かに電話をかけ、“今日は僕にとって特別な一日なんだ”と語る。電話の相手はマルコという男性だったが、ガブリエーレは彼を愛しているようだった。

玄関の呼び鈴が鳴り、アントニエッタは覗き窓から外を見る。ドアの前にはガブリエーレが立っていた。アントニエッタは汚いエプロンを外し、ガブリエーレを迎え入れる。ガブリエーレは、彼女が読んでみたいと言っていた「三銃士」の本を持ってきてくれた。そして、“コーヒーをご馳走してほしい”と彼女に頼む。

ガブリエーレが豆を挽いてくれるというので、アントニエッタは洗面所で髪型を整え、スリッパを脱いで靴に履き替える。ガブリエーレはラジオのアナウンサーをしていたが、今は休職中らしい。アントニエッタも、夫のことなどを少し話す。

アントニエッタの部屋にガブリエーレが入るのを見ていた管理人おばさんは、“奥にいる男とは関わらないほうがいい”と忠告しにくる。ガブリエーレは、困惑するアントニエッタを見て帰ろうとするが、彼女はそれを止める。

コーヒーが沸くまで、ガブリエーレはこの家のアルバムを見る。そこにはムッソリーニの写真や言葉がスクラップされていた。アントニエッタは、多くのイタリア国民と同じく、ムッソリーニに心酔していた。しかしガブリエーレは、ムッソリーニの思想に否定的だった。アントニエッタは、ガブリエーレを“ややこしい人ね”と非難する。

特別な一日のあらすじ【転】

再び管理人のおばさんがやってきて、“ガブリエーレは反ファシストだ”と言いにくる。ラジオ局をクビになったのもそのせいだと聞き、アントニエッタはガブリエーレに事実を尋ねる。しかしガブリエーレは話をはぐらかし、アントニエッタを怒らせてしまう。

アントニエッタは屋上へ洗濯物を取りに行き、ガブリエーレも一緒に屋上へ上がる。アントニエッタは、“反ファシストだとわかっていたらあなたを家に入れなかった”と文句を言う。ガブリエーレは、ずっと不機嫌な顔をしているアントニエッタを笑わせたくて、シーツで彼女を包んで抱きしめる。アントニエッタは大声で笑い出す。

ガブリエーレに下心はなかったが、アントニエッタの方は気持ちが盛り上がってしまい、彼に抱きついてキスをする。ガブリエーレは、直立不動で驚いていた。

ガブリエーレは、先ほど見た“夫、父、兵士でない男は男ではない”というムッソリーニの言葉を引用し、“自分は男ではない”と言い出す。ラジオ局を追われた理由もそのせいだと聞き、アントニエッタは彼の頰を思い切りひっぱたく。ガブリエーレは激昂し、“自分はホモと呼ばれている、君に何がわかる!”と叫んで、彼女を責める。アントニエッタは家に逃げ込み、ガブリエーレも自分の家へ帰っていく。

ガブリエーレが昼食の準備をしていると、アントニエッタが訪ねてくる。彼女はガブリエーレに謝罪し、一緒に昼食を食べる。ガブリエーレは、女性と婚約したこともあったが、自分を偽ることはできなかったと語る。ガブリエーレが同性愛者だというのは、冗談ではなく事実だった。ファシスト政権下では、同性愛者は反逆者とみなされ、サルディーニャへ流刑になる。彼の友人も、サルディーニャへ送られていた。

特別な一日のあらすじ【結】

アントニエッタは、誰にも話したことのなかった夫への不満を口にし、無知な女として虐げられてきた悲しみを語る。夫から差別的な扱いを受けてきた彼女には、ガブリエーレの悲しみが理解できた。

アントニエッタは、“今のあなたが好き”とガブリエーレを抱きしめ、自分の胸に彼の手を持っていく。そして何度もキスをして、彼の体を優しく愛撫する。アントニエッタに身を任せていたガブリエーレも、だんだんその気になってきて、2人は結ばれる。

情事の後、アントニエッタは自分が全く後悔していないことに驚く。彼女は今まで味わったのとのない、女の悦びを感じていた。ガブリエーレも、“素晴らしかった”とアントニエッタを賞賛するが、根本的なところは変われないままだった。

2人は別れ際にもキスをして、アントニエッタは家に帰っていく。アントニエッタは、来週の式典の日に、また会えると信じていた。

帰ってきた夫と子供たちは、晩御飯を食べながら楽しそうに式典の様子を語る。しかしアントニエッタの頭の中は、ガブリエーレのことでいっぱいだった。アントニエッタは片付けをしながら、向かいの部屋をチラチラと覗く。式典で興奮気味の夫は、アントニエッタをベッドに誘うが、彼女はそれを拒む。片付けを終えたアントニエッタは窓際に座り、ガブリエーレからもらった三銃士を読み始める。

一方、ガブリエーレは荷造りをし、部屋をきれいに片付けていた。部屋には2人の男がいて、ガブリエーレの準備が終わるのを待っている。ガブリエーレは2人に出航の時間を訪ね、大切にしてきた絵を梱包する。どうやらガブリエーレは、サルディーニャへ送られるようだ。

準備を終えたガブリエーレは、男たちと部屋を出る。ガブリエーレは階段を下りながら、アントニエッタの部屋をちらりと見る。アントニエッタは、2人の男と一緒に荷物を持って出て行くガブリエーレを見ていた。アントニエッタがどこまでこの状況を理解していたのかはわからないが、ガブリエーレを見送る彼女の表情は悲しげだった。

ガブリエーレを見送ったアントニエッタは、本を片付け電気を消していく。そしていつものように夫が寝ているベッドに入り、枕元のスタンドを消す。

Amazon 映画『特別な一日』の商品を見てみる