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映画『東京無国籍少女(2015)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『東京無国籍少女(2015)』の概要:天才芸術家と持て囃されていた主人公。とある事件により後遺症に苦しむ羽目になった。そのせいで、スランプに陥り苦悩する。酷い幻聴に悩まされ不眠症を患う主人公は、日増しに心を病んでいく。終盤15分前、予想だにしない意外な事実が明らかになる。

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映画『東京無国籍少女』の作品情報

東京無国籍少女

製作年:2015年
上映時間:85分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:押井守
キャスト:清野菜名、金子ノブアキ、りりィ、本田博太郎 etc

映画『東京無国籍少女』の登場人物(キャスト)

藍(清野菜名)
天才芸術家と持て囃された少女。とある事件により心身に傷を負い、心を病んでいる。ほとんど無表情で、口を開けば気が強そうな言動が多い。
担任教師(金子ノブアキ)
何かと藍へ、目の敵のように当たる。無表情で酷薄。長身で言語が粗野。
保健医(りりィ)
藍の心身を心配し体調に気遣う。思いやりの深い人物。壮年の女性。
校長(本田博太郎)
藍の才能を信じ、専門病院へは入院させないと言い張る。どこか包み込むような雰囲気を持つ、懐の大きな存在。
沙羅(田中日奈子)
同級生の少女。藍の才能に嫉妬していじめる。主犯者。ロングヘアー。

映画『東京無国籍少女』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『東京無国籍少女(2015)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『東京無国籍少女』のあらすじ【起】

芸術女子学生の藍は、かつて天才芸術家と持て囃され、その才能を遺憾なく発揮していたが、とある事件により心身に傷を負ってしまい、後遺症によってスランプに陥っていた。

クラスでデッサンの補講中に突然、席を立って教室から出て行ってしまう藍。彼女は講堂に向かい大掛かりなオブジェの制作を続ける。周囲からの心無い声が煩くて仕方なかった。加えて、耳の奥から聞こえる騒音が酷く耐え難い。

その様子を保健医と担任教師が見守る。担任教師は自由過ぎる藍に呆れ果てている様子だ。校長は飽くまでも藍の才能を信じ、回復を祈っている。彼女を再び学校の広告塔とするためだった。

近頃、小さな地震が多発している。藍の症状も良くなかった。保健医から鎮静剤を貰って服用するが、あまり効果はない。幻聴による頭痛が酷く、不眠症だった。保健医はどうしても眠れないときのためにと、薬を瓶ごと渡す。

デッサンの補講中、藍は居眠りしてしまった。クラスメイトの沙羅と取り巻きの2名は、彼女に水をかけて目覚めを促す。沙羅達は藍の才能に嫉妬しており、手を出さずにはいられないのだった。彼女らのいじめを知りつつも、黙認する担任教師。
その時、少し大きめな地震が起こる。酷い耳鳴りによって絶叫する藍。騒音はヘリのプロペラのような音だった。

藍が作るオブジェには目的がない。彼女は心のままに、工具を操って制作していた。担任教師は校長に言う。藍のような者は前例が無い。いますぐ専門の病院へ入れるべきだと。しかし、校長は頑として聞き入れないのだった。

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映画『東京無国籍少女』のあらすじ【承】

耐え難い頭痛は不眠症のせいだと言う藍。彼女は保健医へ更に薬を要求したが、保健医はこれ以上、出せないと断った。精神を落ち着かせるため、保健医は呼吸法を試みる。それは戦闘呼吸法というものだった。

辛うじて落ち着きを取り戻した藍だったが、沙羅達にトイレで詰め寄られる。何もしていないからこそ、腹が立つと言う沙羅。藍はやり返した。今回の件はどうやら担任教師によって、指示されたことだったらしい。

授業が終わった頃を見計らって、教室へ戻った藍はデッサンの続きを描き始める。担任教師は藍に向かって、病気は嘘なのではないかと呟く。そして、背後から彼女の肩に手を置く。藍はパレットナイフを手に取り、担任教師の首筋に当てた。いつでも殺せるという脅迫のつもりだった。

講堂ではオブジェの制作が続いている。寮住まいの藍は部屋へ戻らず、講堂で寝泊まりしていた。一旦、横になったものの、どうしても眠れない。彼女は保健医から貰った薬を大量に服用したが、耳の奥から聞こえる騒音は一向に止まなかった。

デッサン対象が石膏像から人物のヌードへと移行。藍は授業開始から、大分遅れて教室へ入った。ヌードモデルに視線を向けた藍は、モデルの左足にあるアンクレットに注目。その足に足長のクモが這っているのを見る。幻覚だ。恐ろしくなって思わずイスごと横へ向いた。
担任教師はそんな藍をやはり敵視し、彼女が描いているデッサンに手を加え耳元で囁く。お前は何と戦っているのだと。その言葉にクラスメイト達が、さざめいているような気がした藍。彼女は急に暴れ出して手がつけられなくなった。

映画『東京無国籍少女』のあらすじ【転】

藍の幻覚や幻聴は日を増して酷くなる。担任教師はしきりに専門病院へと言う。藍の両親は学生寮に娘を預けたきり、何度連絡してもお任せしますの一点張りであった。
老朽化した講堂の取り壊しが、翌週から始まることになっている。教師達は彼女のオブジェが、いつ完成するのかを心配していた。

良く眠っている藍を見た担任教師に、保健医はいつもの薬を渡しただけだと言う。いつも渡している薬は、ただのビタミン剤だった。

日が暮れてから講堂へ戻った藍は、無心にオブジェの制作を続ける。
翌朝、目覚めた藍の前に保健医が立っていた。保健医は藍にオブジェの制作を続けさせる代わりに、きちんとした食事を摂るよう交渉。健康な体に戻さないと死んでしまう。だが、藍は死んでもいいと言う。しかし、保健医は自分の患者は死なせないと断言した。

薄汚れて顔色の悪い藍は、見知らぬ少女に擦れ違いざま、言葉を呟かれる。ロシア語だった。お前はなぜ此処にいる。たった一言だったが、なぜか心に響いた。

オブジェの完成が近付いている。ある日、藍の元に保健医が食事を持って来た。軍の携帯食だ。彼女はそれらを貪りつつ、オブジェを完成させた。

静か過ぎる校内を1人歩く藍。様々な言葉が脳裏を過る。
身体が戻らなければ、心も戻らない。お前は一体、何と戦っているのか。お前は、なぜ此処にいる。

映画『東京無国籍少女』の結末・ラスト(ネタバレ)

テスト中、クラスの誰かが音を鳴らす。モールス信号のような音だった。その音をただちに帰還せよと解読した藍。そこへ突如、大きな地揺れが発生。藍は何かを思い出したように、廊下へ出た。

悲鳴がする方へ向かう。兵隊が誰かにのしかかって乱暴していた。藍は武器を手に取る。見張りの1人を刺殺。のしかかられていた少女が、上に乗る兵士を銃殺。襲われていたのは自分だった。彼女は無表情に兵士を殺し、奴らの銃剣を奪う。

校内に侵入した兵士を次々に倒していく藍。ありとあらゆる方法を駆使して奴らを倒した。学校の廊下はたちまち、血の海と化す。教室へ入り生徒を捕縛した兵士を倒した後、窓の向こうに飛んで来たヘリをランチャーで撃ち落とした。
息も絶え絶えの兵士へ、静かに歩み寄る藍。手には銃を持っていた。兵士は問う。お前は何者だ。彼女は答えた。私は兵士だと。そう、藍は選り抜きの兵士だったのだ。

藍は美しいクラッシック音楽と共に目覚めた。見慣れた講堂内には無数のベッドが並び、傍らには保健医、もとい軍医がいた。
隣のベッドにはデッサンモデルの女性。左足首にクモのタトゥーが入っていた。1時間前に死んだらしい。

校長は長官、担任教師は中尉。藍は負傷して意識を失っている間、束の間の平和な夢を見ていたのだった。ここは前線。この国は戦争中なのだ。
役立たずはいらないと言われ、藍は立ち上がる。
無心に作っていたオブジェは、撃ち落としたヘリだった。

校内には無数の兵士が隊を組んで走って行く。装甲車に乗り込んだ藍を待っていたのは、仲間である沙羅達だ。
彼女らは隊列を組んで、前線へ向かう。藍は束の間の夢を思い出し、微かに笑った。

映画『東京無国籍少女』の感想・評価・レビュー

山岸健太郎が監督した同名自主制作映画を押井守監督がリメイクした作品。原作の映画はハードボイルドヨコハマアクションムービーコンペティション2012で審査員特別賞を受賞している。

一見して学園ものかと思いきや、ラスト15分で根底から覆される。さすが、押井監督。原作を見ていないので、どうなのかは分からないけれども押井監督らしさはかなり前面に押し出されていたと思う。眠りから覚めて兵士を次々と倒していくアクションシーンは必見で危機感を煽り、謎を更に深める。更なる覚醒で戦争の真っただ中であり、10代の少年少女兵が従軍していることが分かる。この展開が素晴らしい。前半から後半に至るまでに伏線はあったが、それが何か分からないというのもいい。とても面白く素晴らしい作品。(女性 40代)

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みんなの感想・レビュー

  1. 浜野籃夏(はまのらな) より:

    東京無国籍少女とてもすごかったです

    藍が清野菜名さんだったから見たんですが、すごかったですね。何回でも見たいです!