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映画『東京物語(1953)』あらすじとネタバレ感想

映画『東京物語(1953)』の概要:『東京物語(1953)』は、上京した夫婦の、息子や娘、そして嫁との関係を通して、家族の絆と人の人生を淡々と描く。小津安二郎監督作品で、「紀子三部作」の第三作。2012年、世界の映画監督が選ぶ映画の一位となった。

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映画『東京物語』 作品情報

東京物語

  • 製作年:1953年
  • 上映時間:136分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:小津安二郎
  • キャスト:笠智衆、東山千栄子、原節子、杉村春子 etc

映画『東京物語』 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

映画『東京物語』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『東京物語(1953)』のあらすじを紹介します。

尾道で末っ子の京子と暮らす平山周吉と妻のとみは、離れて暮らす息子らに会いに東京へ向かって旅立つ。到着すると、二人は長男の幸一夫婦の家に滞在した。
長男の家族と出かけることになっていたが、医者である幸一は急な往診のため、両親の相手ができない。
一方、長女の志げ夫婦は、忙しいのに両親の相手はしていられないと不満をもらす。そこで、戦死した弟昌二の妻である紀子に相手をするように頼む。
長男、長女の家族には忙しさで歓迎されなかったが、紀子は仕事を休んでまで二人に付き合い観光案内をした。

その後も両親の相手に困った幸一と志げは、二人を熱海の旅館へやるが、旅館のあまりの騒がしさに二人は翌日早々に東京に戻る。
だが、不満げな志げの家に居づらくなり、とみは紀子のアパートへ、周吉は旧友と飲みに行くことになった。
周吉は思い出話に酒が進み、家族に対する本音をこぼす。そのまま泥酔して結局深夜に志げの家に戻ったため、志げは迷惑そうに怒る。
一方、とみは夫を亡くして8年も経つ紀子に、昌二を忘れて再婚した方がいいと勧めるが、紀子は今のままが良いという。

二人は、会えただけでも良かったと満足して帰途に就く。
しかし、途中でとみが具合を悪くし、帰宅して数日で危篤状態になってしまう。それを聞きつけた子供たちは駆けつけるが、翌日の未明にとみは亡くなる。
幸一、志げ、三男の敬三は悲しむものの、葬式が終わると「形見はあれが欲しい」「父が先に死んだ方が良かった」などと好き勝手に言い、早々に東京に帰ってしまう。それに憤慨する京子に対し、紀子は、年をとってしまうと自分の生活が第一になってしまうものだと諭した。京子は、自分はそんな風にはなりたくないと言う。

紀子が帰る日が来た。周吉は実の子よりもよくしてくれた紀子に感謝し、亡きとみと同様に再婚を勧める。そこで紀子は一人で生きていく不安を周吉に打ち明け、涙をこぼす。そんな紀子に、周吉はとみの形見の時計を渡した。

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映画『東京物語』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『東京物語(1953)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

これこそが現実の家族の姿

この映画は、極めて現実的に、冷淡に家族の姿を描いている。
久しぶりに再会した家族はそっけなく、相手もしない。母のとみが亡くなった際も、葬儀が終わるとすぐ帰りの時間の相談を始める。この一連の態度に、視聴者は怒りすら湧いてくるのではないだろうか。
しかし、それぞれに言い分もあるだろう。幸一や志げは、結婚して子供もおり、それぞれの家族がいる。優先するものは変わり、医者として、美容師としての忙しさも加わって両親のことに構っている余裕がないのもわかる。
周吉は、旧友とのやり取りの中で本音を語る。町医者程度にとどまる息子への不満を口にし、子供たちが親を邪魔に感じていることにも気づいてる。それにもかかわらず、「自分はやっぱり子供がかわいい」と言う。
よく考えれば、このような出来事は現実にありふれたものなのである。子供は、小さい頃は出かけるとなればどこへでも親について行くが、大きくなるにつれて両親と出かけることはめっきり減っていく。家族が亡くなったとしてもただ悲しんでいるわけにもいかない。
「親子というものは年をとるにつれてそうなっていく」紀子はこう言って京子を諭す。それに対して京子は、自分はそんな風にはなりたくないと言う。
しかし、そうなりたくないといくら思っていても、気づかないうちに家族の形は変わってしまうのである。

小津調

小津作品の特徴の一つとして、カメラをローポジションに固定し、構図を変えないというものがある。
これにより、畳に座って生活する日本文化に合わせた、日本家屋の様式美を表現したとされる。また、構図にはとにかくこだわり、画面の中の人物の配置はもとより、小道具の配置にまで細かく気を配っている。
そして、小津作品では同じ俳優がキャスティングされること、そして役名や役柄も同じものが多いことも特徴の一つである。


劇的なドラマでもないのに、人生そのものの物語が凄く心に刺さったし、普段邦画を全く観ないから真っ直ぐ受け取れた映画だ。紀子の立場だからこそ築ける周吉、とみとの関係性が素敵で、逆に家族とは何かを考えさせられる。

70年も前の話なのに、自分の祖父母や親と重ねてしまって、共感できる部分が深すぎて辛くなったのが本音だ。家族のセリフや行動までが凄く丁寧に描かれていたから、日本人なら余計に共感する人が多いと思う。そして原節子のファンになった。(女性 20代)


普遍的とはこのことをいう一本。平たく言えば家族の本音といったところだろうか。愛がある家族でも面倒なものは面倒だし、疎ましい気持ちが沸き起こることもあるだろう。ましてや自分の家庭を持ってしまったらさらに優先順位は変わっていく。この作品はそれらを淡々と、しかし赤裸々に描く。そして素晴らしいのはそういった感情を良し悪しで裁いていない点だ。何も裁かないし、押し付けない。だからすんなり受け入れられたと思うのだ。随所に垣間見られる昭和の日本の文化や景色も面白い。全ての映画ファンにお勧め。(男性 40代)

映画『東京物語』 まとめ

小津安二郎監督作品の中でも、とりわけ有名な映画で、名作の中の名作ある。そのため、それ以降の日本映画には大きく影響を与えている。ドラマへのリメイクや、最近では『東京家族』が挙げられるが、数々のオマージュ作品もある。細かいところまで見れば、構図や、家族設定など、本当に多くの作品にその影響が見られるのである。
戦後から現在までの日本映画を語る上で、小津作品は外すことができない。映画に関わってきた誰もが憧れ、尊敬し、目指してきたものがそこにはある。
家族を描く映画は数多くあり、この映画を観ても初めは他と何が違うのか、何が素晴らしいのかわからないかもしれない。だが、別の日本映画に触れる度に何か通じるものを感じて思い出す。そうして幾度となく思い出し、考えを深め、何度か繰り返し観ていると何かわかってくるのではないだろうか。観る度に新しい発見ができる作品である。

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