映画『殿、利息でござる!』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

映画『殿、利息でござる!』のネタバレあらすじ結末

殿、利息でござる!の概要:江戸時代中期、夜逃げが後を絶たない貧しい宿場町があった。その宿場を救おうと、約三億という金を準備し殿様に貸し付け、その利息を宿場町で分配する計画がもちあがる。どうやって大金を用意するのか。またその大金をどうやって殿様に貸し付けるのか。250年ほど前の仙台藩領内でおこった実話をもとにしたストーリー。

殿、利息でござる!の作品概要

殿、利息でござる!

公開日:2016年
上映時間:129分
ジャンル:歴史、コメディ
監督:中村義洋
キャスト:阿部サダヲ、瑛太、寺脇康文、きたろう etc

殿、利息でござる!の登場人物(キャスト)

穀田屋十三郎(阿部サダヲ)
造り酒屋。吉岡宿が廃れていくのをみて、なんとか救いたいと考え行動する。実家の浅野屋にコンプレックスを抱いている。
菅原屋篤平治(瑛太)
茶畑を営む。穀田屋に頼りにされている自称・知恵者で、殿様に金を貸し付けることを思いついた人。穀田屋とともに吉岡宿救済に奮闘する。
浅野屋甚内(妻夫木聡)
造り酒屋で金貸しもやっている。高利で金を貸し、ケチで守銭奴だと噂されている。穀田屋十三郎の弟。
遠藤幾右衛門(寺脇康文)
肝煎(きもいり)と呼ばれる村役人。幼い子供をかわいがり、その子が育つ吉岡宿の行く末を案じている。
千坂仲内(千葉雄大)
大肝煎(おおきもいり)と呼ばれる、肝煎の上に立つ役人。志が高く宿場の救済に協力するが、自分の立場を守ることと葛藤する。

殿、利息でござる!のネタバレあらすじ

映画『殿、利息でござる!』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

殿、利息でござる!のあらすじ【起】

江戸時代中期、仙台藩領内の宿場町・吉岡宿という貧しい村があった。上町・中町・下町の三町からなる小さな宿場町で、大半は商いによって生計を立てていた。当時の宿場は年貢に加えて伝馬役という、街道を往来する仙台藩(お上)の武士を隣の宿場から次の宿場へ渡す役割を担っていた。貧しい中から馬を買い人足を雇う、その負担を背負うのはお上ではなく宿場だった。商売が繁盛しておらず困窮している吉岡宿にとっては、とても大きな負担になり夜逃げする者が後を絶たなかった。

造り酒屋の穀田屋十三郎はこの窮状を憂い、お上へ直訴しようと考えていた。しかし、京から嫁を連れ帰省した菅原屋篤平治に止められる。穀田屋はこの宿場を救済する方法はないかと菅原屋に相談するが、各々が商売を頑張るしかないのではと言われ落胆する。

一方で、穀田屋の弟・浅野屋甚内は父・浅野屋甚内十三郎の代から守銭奴でしみったれた金貸しをして儲けていることで有名だ。酒場で浅野屋の商売の話をしていた穀田屋と菅原屋だが、菅原屋がふと「お上に千両(約三億円)を貸し付けて、毎年の利息で伝馬を負担するのはどうか」と提案した。しかし、そもそも千両という大金があるわけがなく、自ら笑い飛ばした。

殿、利息でござる!のあらすじ【承】

お上に千両を貸し付けるという提案を真にうけた穀田屋は、叔父である穀田屋十兵衛に相談し共感を得る。そして叔父とともに菅原屋を訪れ、同じ志ある者を探して千両集めようと話した。菅原屋は、お上に知れたら首が飛ぶことや失敗することを恐れ乗り気になれず、まずは肝煎(村民を取りまとめる村役人)に相談してみようと持ちかける。
肝煎は幼い息子がいるため、同じ様に村の未来を憂いていた。そのため、菅原屋の期待に反し提案に共感してくれた。
次は大肝煎を訪ねた。大肝煎は百姓の中でもっともお上に近い存在で、罪人を摘発する役割を担っている。意を決し相談にいった肝煎・穀田屋・菅原屋だったが、意外にも大肝煎は涙を流して提案に共感した。

当時の仙台藩主はどうしても欲しい官位があり、そのため付け届けの出費などがかさみ、藩内での資金不足にあえいでいた。出入司(しゅつにゅうつかさ)の萱場は藩の財政を司り絶大な権力を持っていたが、金を借りることが大嫌いな性分だった。

そんな事は知らない吉岡宿では五人の出資者が集まった。五人はそれぞれ自分の家から売れるものは全て質に出し、これまで貯めてきた金も全て出資した。穀田屋は嫁の形見も質に出すことで息子・音衛門の反感を買ってしまう。

また、酒場で女将が村民に計画を話したことで、中町の出資者たち以外にも上町や下町にも話が広まっていった。村民から話を聞いた商人たちが、各々の思惑を胸に出資を始める。守銭奴で有名な上町の浅野屋も出資を申し出、弟の穀田屋の倍の金額を出すと言い出した。それを聞いた穀田屋は、弟ではなく自分が養子に出された実家への恨みを思い出し、自分の出資はそのままで計画から抜けると言い出した。

上町や下町も含めて主に九人の出資者が集まったが、まだ千両に達せずにいた。お互いの金額を責め合い揉めているなか、浅野屋が不足分もさらに追加で出資すると申し出たおかげで、ついに千両が準備できた。大肝煎は代官の橋本近衛門に嘆願書を渡し、藩に話を通す様に頼んだ。そして藩の財政を司る萱場に嘆願書が届いたが、三か月も待たされた後に却下された。

殿、利息でござる!のあらすじ【転】

立場を危ぶまれることを恐れた大肝煎は、再び嘆願書を提出することに二の足を踏んでいた。そんな中、十五年前に夜逃げしたある男が現れ、守銭奴で有名な浅野屋の本当の姿を知って驚いた菅原屋が、大肝煎を呼び出しその話を聞かせた。先代・甚内十三郎の頃から何十年にも渡り金を貯め続け、それを吉岡宿の救済のために使おうと考えていたそうだ。それは甚内十三郎が死んだ後、息子の甚内が引き継ぎ金を貯め続けた。いつかお上に献上し伝馬を軽くしてもらおうと、家族皆で倹約し銭を貯めた。そして、甚内十三郎は死ぬ間際に、その行いは人に誉められるためのものではないため他言しない様に言い残した。
一緒に聞いていた穀田屋は、甚内は幼少から目を悪くしていたため養子に出られず、代わりに兄に養子に出てもらったことを心苦しく思っていたことも分かった。

その話を聞いた大肝煎は、再び代官の橋本に嘆願書を提出する。橋本も今度は拒もうとしたが、浅野屋が何十年もかけて吉岡宿のために貯めた金だという話を聞き感動し、藩への嘆願を書き直して、萱場に直接提出し、事情を話してくれた。その甲斐あって萱場も納得してくれたが、銭ではなく金の小判で差し出す様にという条件をつきつけた。当時は銭の価値が下がっていたため千両の銭を金の小判に替えると、あと八百貫文たりなかった。

穀田屋と菅原屋は状況を説明しに浅野屋に行った。すると浅野屋は、更に五百貫文出させてほしいと申し出た。今までの出資で浅野屋の家業である酒造りは既に廃業していたが、大願を叶えるために更に出資したいと願い、一家で離散を覚悟していた。残りの三百貫はというと、酒場の飯屋のツケをかき集めて五十貫文。そして、最後の二百五十貫文だが、穀田屋の息子が仙台の三浦屋に奉公に出て十年分の給料を前借した。最初は反感していた息子・音衛門だが、父親の願いと叔父である浅野屋の話を聞き、最後の金を自ら用意したのだった。

殿、利息でござる!のあらすじ【結】

ついに金の小判で千両を用意した主な出資者たちは、仙台藩に呼ばれ褒美をもらった。浅野屋は先代の分も含め他者より多かったが、その場に浅野屋の姿はなかった。父・甚内十三郎の冥加訓という教えにより、用意された馬も籠も乗らなかったためだ。

もらった褒美は全て浅野屋に差し出された。しかし、浅野屋はそれを拒否し、宿場に配りたいと話していたところに驚きの人物が現れた。殿様である仙台藩主・伊達陸奥守重村だった。殿様は浅野屋が馬にも籠にも乗らないと聞いて自らやってきた。そして自ら書いた「霜夜」「寒月」「春風」という書をもって酒銘にせよと命じ、酒屋を潰すことを許さないとした。その後、その酒は飛ぶように売れ、浅野屋は儲かった金で橋の修理や道の補修など吉岡宿のために使った。菅原屋はその後も藩との諍いがあれば仲介に入り、また菅原屋の作るお茶は宿場の名産になった。

そして、藩から毎年利息が支払われるようになり、伝馬役の負担は大幅に減った。そして幕末まで60年間およそ六千両の利息が支払われた。穀田屋は満願成就ののち、四年後に死去。その時に残した遺言が「私のしたことを人前で語ってはならぬ」であったそうだ。

Amazon 映画『殿、利息でござる!』の商品を見てみる