映画『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』あらすじネタバレ結末と感想

男はつらいよ 寅次郎相合い傘の概要:山田洋次監督、渥美清主演「男はつらいよ」シリーズの第15作目。第11作の「寅次郎忘れな草」で登場した浅丘ルリ子演じるマドンナ・リリーが寅次郎と再会し、寅さんファンを大いに喜ばせた。1975年公開。

男はつらいよ 寅次郎相合い傘 あらすじネタバレ

男はつらいよ 寅次郎相合い傘
映画『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

男はつらいよ 寅次郎相合い傘 あらすじ【起・承】

春、とらやの茶の間にはおいちゃん(下條正巳)おばちゃん(三崎千恵子)たこ社長(太宰久雄)とさくら(倍賞千恵子)に満男、博(前田吟)が勢ぞろいしていた。
そこにリリー(浅丘ルリ子)がひょっこり現れる。
リリーは数年前北海道で寅さん(渥美清)と出会い、その後結婚して寿司屋の女将になっていたが、離婚してもとの歌手に戻り旅をしているという。

その頃、寅さんは兵頭謙次郎(船越英二)という家出してきたサラリーマンと青森にいた。
家に帰れと言っても聞かない兵頭に業を煮やし、寅さんはとらやに電話して兵頭の家族に連絡するようさくらに告げる。
東京の兵頭の家では、突然の夫の蒸発で大騒ぎになっていた。

兵頭の妻は事情を聞こうととらやを訪ねてくるが、事情のわからないとらやの人々は困り果てる。

寅さんと兵頭は函館へ移動し、夜の屋台で偶然リリーと出会う。
思いがけない再会に寅さんとリリーは歓喜し、兵頭と3人で楽しい旅をする。

小樽まで来た3人は、兵頭の初恋の人・信子の家を探していた。
夫と死別した信子は小さな喫茶店をしていることがわかり、兵頭はそこを訪ねる。
信子を目の前にして兵頭は何も言えなくなり、逃げるようにして帰ってしまう。

自分は信子に何もしてやれないと嘆く兵頭を見て、リリーは“男の思い上がりだ”と怒り、兵頭をかばった寅さんと喧嘩別れしてしまう。

男はつらいよ 寅次郎相合い傘 あらすじ【転・結】

梅雨の頃、とらやで寅さんやリリーの噂話をしていると、突然寅さんが帰ってくる。

寅さんは小樽でリリーを傷つけたことをひどく後悔し、すっかりしょげていた。
すると、そこへリリーもやってきて、2人は涙ながらに抱き合い、とらやの一同を慌てさせる。

その晩、リリーを迎えてとらやでは大宴会となり、リリーはそのままとらやに泊まる。

仲睦まじい2人の様子は町中の噂になり、とらやの一同は気をもむ。
何も知らない寅さんは、リリーが歌手として惨めな境遇にあることを知り“自分に金があったら大きな舞台で歌わしてやりたい”と夢を語り、とらやの一同をさらに切なくさせる。

ある日、兵頭がメロンを持ってとらやへ改めてお礼に来る。

リリーがとらやを訪れた日、おばちゃんがそのメロンを切る。
ところが、その場にいなかった寅さんのメロンを忘れており、帰ってきた寅さんは仲間外れにされたことで怒り出し、おいちゃんと大喧嘩になる。
リリーはそんな寅さんのわがままを強くたしなめ、寅さんは拗ねて出て行く。

その晩、傘を持たずに仕事へ出たリリーを、寅さんは駅まで迎えに行く。
雨の中、2人は相合い傘をしてとらやまで帰り、すっかり仲直りする。

さくらは2人が強い絆で結ばれていると感じ、リリーに兄と結婚してくれないかと控えめに頼んでみる。リリーの答えは“いいわよ”だった。

商売から帰ってきた寅さんはさくらからその話を聞かされ、リリーに“冗談だろう?”と尋ねる。リリーは少し悲しそうに“冗談よ”と答える。

そのまま寅さんは旅に出てしまう。

夏、とらやを訪れた兵頭に、さくらは“あの2人は仲のいい友達だったんじゃないか”と話す。

一方、旅先の寅次郎は函館で顔なじみになったホステス一行に誘われ、バスに乗り込む。

男はつらいよ 寅次郎相合い傘 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:1975年
  • 上映時間:91分
  • ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
  • 監督:山田洋次
  • キャスト:渥美清、浅丘ルリ子、倍賞千恵子、下絛正巳 etc

男はつらいよ 寅次郎相合い傘 批評・レビュー

映画『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

寅さんにとってのリリー

浅丘ルリ子演じるマドンナのリリーは、数多いマドンナの中でもちょっと異色だ。

寅さんは毎回マドンナに恋をするが、いつもの寅さんはマドンナを前にすると緊張し、いいところを見せようと無理をするので不自然になる。
しかし、リリーに対してだけは飾らない等身大の自分でいられる。
それでも、寅さんがリリーに深い愛情を感じていることは、映画の随所で描かれている。

寅さんお得意の臨場感ある語り口調で、大きな舞台で歌うリリーの姿をとらやの一同に聞かせるシーン。
あの長台詞の中には寅さんのリリーに対する深い愛情がぎっしりつまっており、おばちゃん同様、私たちも“泣けちゃったよ”と思わず涙する。
さくらがポツリと“リリーさんに聞かせてあげたかったわねえ…今の話”と、このシーンを締めくくるのだが、こういうところが山田監督は本当にうまい。

寅さんにとってリリーがいかに大切な人か、しみじみと伝わってくる。

メロン騒動と相合い傘

メロン騒動と相合い傘の名場面は寅さんファンの中ではあまりに有名な本作の見どころだ。

一個のメロンを巡り、とらやの人々の寅さんに対する気の使いようと、それに甘えて生きている寅さんのわがままぶりが余すことなく描かれる。
さらに、誰も言えない本音をリリーがスパッと寅さんにぶつけ、退散する寅さんとスッキリするとらやの人々の対比はおかしくてちょっと切ない。

そこからの、あの雨のシーンである。
昼間リリーに怒られてバツの悪い寅さんだが、やっぱりリリーが心配で駅まで迎えに行ってやる。雨の中、寅さんを見つけた時のリリーの嬉しそうな顔。
相合い傘で歩く2人の短いやりとりにはなんとも言えない甘酸っぱさがあり、ジワッと胸に染み入るようなラブシーンになっている。

“寅さんが風邪ひいて寝込んだら、私つまんないもん”というリリーの台詞は、リリーらしくちょっと意地っぱりで泣かせる愛の告白だ。

男はつらいよ 寅次郎相合い傘 感想まとめ

1969年から1997年の約30年にわたって48作も作られた「男はつらいよ」シリーズの中でも、浅丘ルリ子演じるリリーをマドンナに迎えた「寅次郎忘れな草」「寅次郎相合い傘」「寅次郎ハイビスカスの花」の3作は人気が高い。

渥美清の達者な台詞回しはいつ聴いても惚れ惚れするが、この時期は特に脂が乗り切っていて気持ちが良い。さくらやおいちゃんやおばちゃん、たこ社長や御前様もまだまだ元気で、とらやもこの映画そのものも活気に満ちている。

寅さんを観たことがないという人は意外に多い。それはとても残念なことだ。
さすがに48作全てが面白いとは言えないので、まずはこのリリーシリーズあたりから寅さんを始めてみてはいかがだろうか。

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