映画『ツーリスト』あらすじネタバレ結末と感想

ツーリストの概要:女はその男をただ偶然に選んだだけのはずだった。そしてその男はただのツーリストのはずだった。ロマンチックなベネチアを舞台に、女、警察、マフィアがたった一人の男を追う。そのラストに誰もが騙される・・・!

ツーリスト あらすじネタバレ

ツーリスト
映画『ツーリスト』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

ツーリスト あらすじ【起・承】

パリの街を颯爽と歩く美しい女性。彼女は毎朝の習慣で朝食を取りにカフェへと向かう。優雅に食事を楽しむ彼女だが、遠くから黒服の男たちが厳めしい顔で監視していた。

そこへ、彼女宛の郵便物が配達される。遠目からざわめき立つ男たち。本部に連絡を取り映像をリアルタイムで送ると、イギリスのアチソン警部は「奴からだ。」と確信を持った。

彼女が受け取った封筒には「AP」と刻印されていた。メッセージは、彼女への謝罪と今も愛しているという気持ち、そして警察の監視を巻きリヨン行の列車に乗って自分に似た体格の男を選べ、と記されており、また指示通りに手紙をその場で燃やしてしまうと、エリーズはその手紙通りにカフェをあとにし、行動を移した。

リヨン行の列車でエリーズは一人の男に目を付けた。彼の目の前に腰かけ言葉を交わすと彼はアメリカからのツーリストで名前をフランクと名乗った。

フランクは彼女の美しさに見惚れながらも食事に誘う。食堂で食事を楽しみながら二人は会話を楽しむが、ふと、フランクが深刻な顔で「あの男たちに見られている気がする。」とエリーズに目配せする。エリーズがそちらを見ると、彼女を監視する捜査員らしき二人が座っていたが、彼女は冗談に変えてしまうのだった。

ツーリスト あらすじ【転・結】

ベネチアに到着し、フランクが地図を広げていると、船に乗ったエリーズが声を掛け「乗って」と誘う。渡りに船とばかりにフランクはそこへ乗り込むが、連れていかれたのは高級ホテルだった。

夜、一緒に食事を取ったあとベランダに出ていたエリーズはカメラを抱えてこちらの様子を窺う人間がいるのに気づくと、まるで写真を撮らせるかのようにフランクにキスをしたのだった。

翌日、ソファで寝たフランクが目を覚ますとエリーズは出かけた後だった。どことなくがっかりするフランクだったが、事態は急転、銃を持った男たちが部屋へ押し入ってきた。

バスルームの窓から屋根伝いに逃げるフランク。どうやらエリーズの恋人と自分を取り違えられているらしいと命からがらマフィアからは逃げきったが、運悪く現地の警察に拘束されてしまう。

無実を訴えるフランクは担当の刑事に夜中釈放されるが、実は懸賞金を狙いフランクをマフィアに売り渡すつもりだったのだ。

そこを救ったのはエリーズだった。

エリーズは巻き込むつもりはなかったと謝罪をし、アメリカへ帰るよう懇願するとフランクを駅へ送り届ける。だが、彼女に恋に落ちてしまったフランクは、エリーズが「AP」から示された次の待ち合わせ場所に現れたのだった。

ツーリスト 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:2010年
  • 上映時間:103分
  • ジャンル:ラブストーリー、サスペンス、ミステリー
  • 監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
  • キャスト:アンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップ、ポール・ベタニー、ティモシー・ダルトン etc

ツーリスト 批評・レビュー

映画『ツーリスト』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

二度以上観ることを推奨

一度目は単純にそのストーリーやキャストの豪華さ、またラストの驚きを楽しめるだろう。だが、それだけでは「さすがハリウッド映画だね。」で終わってしまう。一度目を観て気に入ったなら、是非二度三度と観ることをお勧めしたい。一度目ではその情報量故見落としがちだった幾つもの細かな伏線に気が付くはずだ。

伏線で楽しむ

フランクがエリーズを初めて見て言った一言、去る時の彼女を見つめる目線を考えるとサスペンスミステリー映画として捉えるだけではもったいない程の切なさを感じることが出来る。
また、注目してほしいのはアチソン警部だ。彼はAPの逮捕に異常なこだわりを見せるが、それは全てエリーズへの恋心故である。そう考えると偉ぶった彼の言動が、途端に恋の実らない怒りを抱えた中学生男子のそれに見えてしまい実に傑作だった。

エリーズの衣装、絶世の美女設定

アンジェリーナ・ジョリーの衣装には特にこだわりが見えた。道行く人が思わず振り返るような美女、という設定であり大胆に胸元や背中の開いたドレスやウェストの細さが強調されたワンピースに身を包んだ彼女は魅力的だった。
一つ残念だったのは、舞踏会での彼女の化粧とヘアメイクだ。ここでももちろん男女問わず彼女を振り返っていたが、しかしマッシュルーム型にまとめた彼女の髪型とキツすぎる口紅の色は残念ながら彼女を十は老けさせていた。

本国での評価はどうあれ

製作までにキャストの降板、交代が噂され、また本国での批評家からの評判は一概に芳しいものではなかったらしいが、ゴールデングローブ賞の主演・女優共にノミネートされたという。しかし、それがコメディ部門だったということは、やはりこの映画は正当な評価を受けそこなったのでは、という印象を受けた。
間違いなくエンターテイメントな映画であり主要キャストの演技も素晴らしくベネチアの美しさも過不足なく映し出されていた。
何よりラストには皆が騙されたのではないか。一見ミステリアスだったのはエリーズ、だがその実、最もミステリアスで読めない男だったのはフランクだったのである。

ツーリスト 感想まとめ

個人的意見としては非常に面白かった。確かに派手なアクションシーンはなく、サスペンスというにはぞわりと肌が泡立つような好奇心はそそられない。またミステリーというにしてもかろうじてミステリアスな女に翻弄されているらしい・・・というだけでラストを観ればそれされもハテナがつくのだ。もちろん純粋にコメディというのも違う。

あえて言うなら、エンターテイメントであろうか。どのジャンルの要素も少しずつ入っていて、それが殺し合わずむしろ引き立て合って一つのまとまった作品に仕上がっている、そんな印象なのだ。

だが、もしも主演がこの二人でなかったら、これほどまでにバランスの良い映画にはならなかったように思う。ジョニー・デップの一見シャイで素朴な男が美女に振り回されるというコミカルな芝居、そしてアンジェリーナ・ジョリーの微妙な女性心理を表した情感豊かな表情に非常に助けられた映画とも言えるかもしれない。

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