映画『椿三十郎(1962)』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「椿三十郎(1962)」のネタバレあらすじ結末

椿三十郎(1962)の概要:1961年に公開された「用心棒」の大ヒットを受け、その続編的な意味合いで制作された作品。三船敏郎の演じる椿三十郎は、男臭い魅力に溢れており、殺陣での立廻りも迫力満点でありながら美しい。前作に引き続き、敵役を仲代達矢が好演しており、初々しい加山雄三や田中邦衛の姿も見られる。

椿三十郎の作品概要

椿三十郎

公開日:1962年
上映時間:98分
ジャンル:時代劇、アクション、ヒューマンドラマ
監督:黒澤明
キャスト:三船敏郎、仲代達矢、小林桂樹、加山雄三 etc

椿三十郎の登場人物(キャスト)

椿三十郎(三船敏郎)
旅の浪人。本名は謎で、たまたま椿を見て“椿三十郎”と名乗る。以前は、桑畑を見て“桑畑三十郎”と名乗っていた。頭も切れるし剣も凄腕の強者。口が悪いので誤解されやすいが、心根はとても優しく面倒見も良い。
室田半兵衛(仲代達矢)
大目付菊井の忠実な部下のふりをして、この藩を食い物にしてやろうと考えている。小物の菊井よりも大物の睦田を恐れており、睦田を陥れようと暗躍する。三十郎の腕を見込んで、相棒になれと誘う。
井坂伊織(加山雄三)
この藩の若侍。9名の仲間で結託し、次席家老黒藤の汚職を告発しようとするが、菊井に騙され、藩を窮地に追い込んでしまう。三十郎のアドバイスを受け、誘拐された城代家老睦田を救おうと奔走する。睦田の甥。
保川邦衛(田中邦衛)
井坂の仲間の若侍。血の気が多く、口の悪い三十郎に反発する。保川の軽率な行動で、三十郎の計画が台無しになる。
木村(小林桂樹)
菊井の家臣。三十郎たちに拉致され殺されそうになるが、睦田の奥方に助けられる。三十郎たちの話を聞くうちに、悪者は菊井だと気づく。
菊井六兵衛(清水将夫)
藩の大目付。黒藤と竹林と組んで、城代家老の睦田を陥れ、藩の実権を握ろうと企んでいる。切れ者のふりをしているが、大した人物ではない。
黒藤(志村喬)
藩の次席家老。菊井に踊らされている黒幕。椿の咲き乱れる自宅の屋敷に、誘拐した睦田を監禁している。
竹林(藤原釜足)
藩の用人。黒幕の仲間に加わっているが、小心者で何の役にも立たない。
睦田弥兵衛(伊藤雄之助)
藩の城代家老。様々なことを冷静に考えている大人物。温厚でユーモアセンスに富んでおり、決して偉ぶらない。
睦田の奥方(入江たか子)
睦田の妻。おっとりしているが、話すことにはいちいち説得力がある。三十郎のことを“鞘に入っていない刀のよう”と表現する。
千鳥(団令子)
睦田の娘。いとこにあたる井坂と恋仲のようである。天真爛漫なお嬢様。

椿三十郎のネタバレあらすじ

映画『椿三十郎(1962)』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

椿三十郎のあらすじ【起】

とある神社の社殿。夜半、井坂伊織をはじめとする、この藩の若侍9名が集まって、秘密の会合を開いていた。井坂は叔父にあたる城代家老の睦田に、次席家老黒藤の汚職を告発する意見書を渡しに行ったが、睦田にそれを破られていた。井坂は呑気な睦田を見切り、大目付の菊井に黒藤の汚職を訴える。菊井は井坂の話を真摯に聞き、一緒に戦うと約束してくれる。それを聞いて仲間の若者たちは歓声をあげる。

たまたま奥で眠っていた浪人の椿三十郎は、井坂の話を盗み聞きする。三十郎は若者たちに、菊井こそが黒幕かもしれないので様子を見るよう忠告する。しかし井坂は、今夜菊井とここで会う約束をしていた。

三十郎の予想通り、社殿は菊井の配下の者に取り囲まれていた。三十郎は若者たちを床下に隠し、単身で表へ出る。襲いかかってきた者を次々と峰打ちで倒し、三十郎は気迫で役人どもを追い返す。一部始終を見ていた菊井の側近の室田は、三十郎の腕を褒め、気が向いたら自分のところへ来るよう声をかける。

井坂たちは手をついて三十郎にお礼を述べる。三十郎は、危なっかしい若者たちが心配になり、もう少し面倒を見てやることにする。

とりあえず、三十郎たちは睦田の屋敷の庭へ忍び込み、中の様子を探る。屋敷は菊井の配下の者に見張られており、睦田の身が案じられた。

椿三十郎のあらすじ【承】

敷地内のまぐさ小屋へ移動した10名は、睦田の女中から中の様子を聞き出す。睦田は男たちに囲まれて何処かへ連れ去られ、奥方と娘の千鳥も屋敷内に監禁されているらしい。三十郎は、奥方と娘を助け出し、睦田が連れ出された理由を聞くことにする。10名の集合場所は、黒藤の屋敷の隣に住む、寺田の屋敷に決める。

三十郎は女中に頼んで菊井の部下に酒を飲ませ、隙を見て2名の見張り役を斬り捨てる。残り1名の木村という見張り役は、人質として連れて行く。救い出した奥方の話によると、菊井は“汚職の疑いがある”と口上を述べ、睦田の身柄を拘束していた。

木村は睦田の居場所を知らず、三十郎は木村を斬ろうとする。しかし奥方がそれを止め、仕方なく木村も連れてこの屋敷から逃げることにする。三十郎は、塀を登れないという奥方と千鳥の踏み台になってやり、屋敷から脱出する。

菊井は、自分たちの罪をなすりつけ、睦田を切腹に追い込もうとしていた。黒藤と藩用人の竹林も菊井の仲間で、睦田は黒藤の屋敷に監禁されている可能性が高かった。三十郎たちは隣の様子を探りつつ、次の作戦を考える。

切れ者の室田は、先手を打って睦田の罪を告発した高札を出し、世論がこちらになびくよう工作する。そして対抗勢力をおびき出すため、偽物を乗せた籠を出す。三十郎はこれを罠だと見抜くが、若者たちが納得せず、渋々彼らと街道へ向かう。

椿三十郎のあらすじ【転】

三十郎の読み通り、籠はやはり囮だった。人質の木村は、いつでも逃げられる状態だったが、奥方の人柄に惹かれて自ら屋敷にとどまる。さらに、三十郎たちの話を聞き、こちらの味方につく。

藩の世論は菊井側に傾き、今が勝負時と見た菊井は、味方の勢力を集結させる。睦田の行方は依然としてわからず、三十郎は自ら相手の懐に飛び込む作戦に出る。三十郎が菊井の屋敷へ行った後、若者たちは仲間割れを始める。井坂たちは三十郎を信じると言うが、保川たちは三十郎が裏切るかもしれないと言い出す。真実を確かめるため、井坂たち4人が、菊井の屋敷へ向かう。

室田は三十郎を歓迎し、2人きりになって自分の腹の中を明かす。この藩を食い物にしてやろうと企んでいる室田は、小物の菊井より、なかなかの人物である睦田を恐れていた。室田と三十郎はどこか似ており、室田は相棒にならないかと三十郎を誘う。

三十郎は室田を安心させ、一緒に睦田がいる場所へ向かう。井坂たちは2人を尾行するが、下手な尾行はすぐに気づかれ、4人は捕まってしまう。三十郎の機転により、4人は何とか助け出されるが、そのせいで三十郎は、多くの人を斬ってしまった。無性に腹が立った三十郎は、4人を殴りとばす。室田には自分のヘマで4人を奪われてしまったことにして、三十郎は寺田の屋敷へ戻る。

千鳥は、黒藤の屋敷とつながっている水の流れの中に、井坂が睦田に渡した意見書の切れ端を発見する。睦田は機転を効かせ、懐にあった意見書の切れ端を、密かに流しておいたのだ。これで睦田が隣の黒藤の屋敷にいることが確実になり、三十郎は睦田を救い出す方法を考える。黒藤の屋敷は、すごい数の兵力で守られていた。

椿三十郎のあらすじ【結】

三十郎は単身で黒藤の屋敷へ出かけ、光明寺という寺に大勢の敵が集まっていたと嘘をつく。黒藤の屋敷の兵力をそちらへ向かわせ、頃合いを見計らって合図の椿を水に流す暖取りになっていた。

三十郎は、黒藤の屋敷内の蔵に睦田が監禁されているのを確認する。三十郎の話を聞いて、菊井は自ら先頭に立ち、大軍を引き連れて光明寺へ向かう。三十郎も一緒に行こうと室田に誘われるが、後から行くと言って屋敷に残る。

三十郎は頃合いと見て、庭の椿を摘み始める。ところが、光明寺の話が嘘であることが室田にバレてしまい、三十郎は拘束される。室田は菊井に三十郎の嘘を知らせに走る。

三十郎は、黒藤と竹林に“隣の屋敷に大勢が集結して、俺の合図を待っている”と語り、黒藤たちを怖がらせる。その上で、赤の椿は斬り込みの合図で、白の椿は中止の合図だと嘘をつき、黒藤たちに白い椿を流させる。

合図を見た井坂たちは、一斉に隣の屋敷へ乗り込み、黒藤たちを捕獲して蔵に監禁し、睦田を救い出す。屋敷へ戻ってこの有様を見た菊井は茫然自失となり、室田は“これまでですな”と呟いて姿を消す。

後日。一連の騒動の責任を取り、菊井は自ら腹を切る。黒藤と竹林は家名断絶の上、お家追放となり、藩に平和が戻る。睦田は、自分に人望がなかったせいだと反省する。その姿を見て、事の発端を作った井坂たちは、自分たちの未熟さを痛感する。

三十郎は知らぬ間に姿を消しており、井坂たちが三十郎を探しにいく。しかし睦田は、三十郎はこんな場所にとどまるような男ではないと考えていた。

井坂たちは、室田から決闘を申し込まれている三十郎と遭遇する。三十郎は嫌がっていたが、室田は譲らない。2人は長く睨み合い、双方が動いた瞬間、室田の体から血が噴き出す。思わず“お見事”と声をかけた若者を、三十郎は怒鳴りつける。三十郎は、室田を斬りたくはなかったのだ。

正座をして深々と頭をさげる井坂たちに、三十郎は“あばよ”と言い残して去っていく。

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