映画『運命を分けたザイル』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「運命を分けたザイル」のネタバレあらすじ結末

運命を分けたザイルの概要:前人未踏の登山へアタックした、若い登山家2人が体験した遭難事故を、再現映像と共に描く。壮絶で過酷な状況の中、絶体絶命に陥り登山家の鉄則に従ったサイモンと、骨折しつつ満身創痍となりながら奇跡の生還を果たしたジョーの真実の物語。

運命を分けたザイルの作品概要

運命を分けたザイル

公開日:2003年
上映時間:107分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ドキュメンタリー、アドベンチャー
監督:ケヴィン・マクドナルド
キャスト:ジョー・シンプソン、サイモン・イェーツ、ブレンダン・マッキー、ニコラス・アーロン etc

運命を分けたザイルの登場人物(キャスト)

ジョー・シンプソン
登山当時は25歳。数々の山を制覇して来た経験から自分の実力を過信。シウラ・グランデ峰難関の西壁登攀に自信があった。自信家で驕りのある、とっつきにくい性格。再現映像では、ブレンダン・マッキーが演じる。
サイモン・イェーツ
登山当時は21歳。素人登山家にも優しく、人当たりの良い性格。ジョーと共に数々の山を制覇して来た経歴を持つ。再現映像では、ニコラス・アーロンが演じる。
リチャード・ホーキング
たまたま1人旅でリマを訪れていた際、ジョーとサイモンに誘われて山へ来た青年。登山は初心者。キャンプの留守番を頼まれる。再現映像では、オーリー・ライアルが演じる。

運命を分けたザイルのネタバレあらすじ

映画『運命を分けたザイル』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

運命を分けたザイルのあらすじ【起】

1985年。登山家のジョーとサイモンは当時まだ20代で、世界の山に登るのが楽しくて仕方なかった。頭の中は登山のことしかなく、野心家だった2人は南米のシウラ・グランデ峰、標高6400メートルの未踏の西壁へ挑んだ。

ジョーは25歳、サイモンは21歳。前人未踏の山や新ルートに挑むことが、彼らの登山人生における原動力であった。
山の麓から6~8キロの位置にキャンプを設営し準備を行う。目指す峰は山群の向こうだ。
キャンプには、リマで会ったリチャードも同行していた。1人旅という彼を山へ誘ったのだ。ところが、リチャードは登山には素人で、場所も分からぬまま何が始まるかも不明の状態。ジョーとサイモンは、リチャードにキャンプの留守番を頼んだ。

シウラ・グランデ峰西壁に挑戦した登山家は数知れないが、登攀の成功例はなかった。故に、野心家であるジョーはサイモンよりも登攀の成功に燃えていた。

1日目、2人はザックに着替えや用具を詰め、ベースキャンプを起点に一撃で攻め上がるアルパイン・スタイルで登頂を開始。固定ロープも張らず、拠り所となるキャンプも設営しない。シンプルな登山方法であるため、小さなミスが重大な事態を呼ぶ。失敗は許されず、大怪我は死を意味する。

西壁へ到着。出だしは快調だった。ジョーとサイモンは、驚異的なスピードで300メートルを登った。氷の滝が垂直に立つ部分から、彼らは複雑な登り方を始める。互いをザイルで繋ぎ1人がルートを確保、もう一人が安全を確保するやり方だ。この登り方は、互いに技術やスキルに全幅の信頼がなければできない。そうして、1日目が過ぎていく。

2日目。高山では脱水が激しく、大量の水分補給が必要となる。酸素が薄いため、ガスで雪を溶かして飲み物を作るのに1時間もかかる。短期決戦なので、ガスもあまり持って来ていなかった。
午後になると天候が悪化。強風と吹雪に晒されながら、標高6100~6200メートル地点まで到達。彼らは暗くなってからも登り続けたが、低体温症の危険を感じ、その場に雪穴を掘って休んだ。

運命を分けたザイルのあらすじ【承】

3日目、天気は快晴。登頂部には新雪なだれが作り上げた、細かい雪ひだができていた。キノコや蛇腹状のひだが一面を覆っている。新雪が深く積もった場所では、固い部分を探してルートを確保しなければならない。危険な登攀になった。
そして、午後2時。西壁を抜けて北稜に到達。体力を使い果たし、へとへとの状態だった。

問題は下山である。山での遭難の80パーセントは下山中に起きる。2人は登攀前に下山ルートを考えていたが、予想よりもひどい難路に苦戦苦闘。そのせいで頂上を出発後、1時間以内でルートを見失った。
当初の予定では1日で下山する予定だったが、暗くなっても2人はまだ、6000メートル上にいた。その夜、飲み物を作った時にガスが切れる。

4日目。最悪の稜線を抜け、その日中には下山する自信があったジョーとサイモン。この日はジョーが先頭を行く。しかし突然、稜線を分断する絶壁に遭遇。ジョーは氷壁を下ったが、アックスの打ち直し中に落下。どうにか留まるも、右足に激痛が走る。思わぬ骨折であった。ジョーはサイモンに骨折を知らせる。すると、彼は逡巡した後、ジョーに鎮静剤を飲ませた。

通常、高山でこのような怪我があった場合、怪我人を見捨てるのが常識である。そうしなければ、もう1人も死んでしまうからである。だが、サイモンは2人で下山することを選んだ。話し合って下山方法を考案。45メートルのザイルを1本に結んで90メートルにし、サイモンが上からジョーを先に降下させれば、90メートルずつ下山することができる。

互いに協力して降下を繰り返した。
日が暮れると嵐になる。体感温度は零下60度ほどで、吹雪は酷くなる一方だった。だが、確実に下山はしていた。あと1回、降下すれば氷河に辿り着く。そこからは、徒歩で行けるはずだ。しかしその時、最悪の事態へと陥ることになる。

降下したジョーは、地形から危険を察知して叫んだ。しかし、強風のせいでサイモンへは制止の声が聞こえず、ジョーは断崖絶壁で宙刷り状態となってしまう。彼がぶら下がる真下には、底が見えないクレバスが大口を開けていた。
ジョーは必死に体勢の維持を図ったが、零下60度の世界では指先の感覚もなく、体勢の維持に失敗。

運命を分けたザイルのあらすじ【転】

1時間半ほど、その状態を続けた2人。ジョーを支えるサイモンの確保場所が崩れ始める。絶体絶命に追い詰められた。この状況下で選べる選択肢などない。サイモンは悩んだ末、ナイフでザイルを切った。
その後、雪穴を掘り避難したサイモンは、ジョーのことが頭から離れずに1夜を明かす。

ザイルを切られ、クレバスに落下したジョー。彼は奇跡的にもクレバス内の雪棚に落下し、助かっていた。天井の穴には、まだザイルがぶら下がっている。ジョーはこの時、サイモンも落下し死んだと思っていた。だが、引っ張ったザイルには何もついて来ない。切れ端を見たジョーは、サイモンがまだ生きていることを確信すると同時に、自分の死を覚悟した。
しかし、骨折で人は死なない。ジョーは不気味な暗闇と静寂の中、恐怖に苛まれながら1夜を明かした。

5日目。辺りが白んだ頃、ジョーはひたすらサイモンを呼び始める。
その頃、サイモンはジョーのことを思いながら、下山を開始。昨夜のジョーの状況を知る。彼はクレバスの穴を見つけるが、ジョーが死んだと思い込んでいたため、クレバスを調べずに名前を呼んだだけで去った。この時、もっとクレバスを調べていれば、ジョーを救出できたかもしれない。

たった1人、クレバス内に取り残されたジョー。彼はイチかバチかの賭けに出た。クレバスの底へ向かってみることにしたのだ。足掻いて死ぬか、足掻かずに死ぬかだ。

サイモンは氷河を単独で渡り切り、キャンプへ無事に帰った。迎えてくれたリチャードに、全てのあらましを話すと、憔悴した様子で身体を休めた。

無事にクレバスの底へ降下したジョーは、出口を発見する。彼は腹ばいになり、右足を庇いつつ斜面を登った。そしてようやく、陽の目を見るのである。
外は快晴。そして、そこは氷河のど真ん中。ここから更に下山するには、悪路が延々と続く。それでもジョーは、身近な目標を立てて進んだ。
氷河の雪原には、サイモンが下山した足跡が残っている。その跡を辿って地道に進むジョー。次第に天候が悪化し、吹雪のせいで足跡が消える。

運命を分けたザイルのあらすじ【結】

6日目。ジョーは道を確かめつつ氷河を抜けるが、その先からは岩場が続く。この先の道程を考え用具を捨てて、骨折した脚を防御。けんけんで進み、転んでは立ち上がる。彼は再び、身近に目標を据えて進んだ。雪がある内は雪を口に含む。孤独な戦いだった。
時間が経つにつれ、精神に異常をきたし始める。妄想と幻覚が交差。とにかく渇きが酷い。水が無いのに水の音が聞こえ、地面を無暗に掘ったりする。

その頃、キャンプでは憔悴したサイモンを心配して、リチャードが帰ろうと言う。朝になったら帰る準備をすることにした。

朝になって再び立ち上がったジョー。せめて、キャンプの傍まで行きたい。道中、本物の水を発見して、ひたすら飲み続けた。もうこの際、失禁してもお構いなしだ。キャンプの近くの湖にまで到達。サイモンと別れて4日が経過していた。もう、キャンプには誰もいないだろう。

ジョーはキャンプが見える場所まで来たが、ここで限界を迎える。意識が混濁し錯乱状態に。好きではない曲が延々、頭の中で鳴り続けた。
日が暮れると、雪が降り始める。ジョーはふと、匂いに気付いた。トイレの匂いだと分かり、テントが近いと確信。彼は必死になって相棒の名前を叫んだ。これで最後だと思いながら。

リチャードとサイモンは、ジョーの声に気付いた。クレバスに落ちて生還する者などいない。しかし、サイモンは相棒の声をしっかりと耳にして、テントから飛び出す。キャンプから約200メートル先にジョーが倒れていた。信じられなかった。

サイモンとリチャードは満身創痍のジョーを救出し、テントへ。
ジョーはその場で、サイモンに感謝を述べた。自分を下山させようとしてくれたり、色々してくれたことを。そして、ザイルを切ったことについては相棒を許した。それが、奇跡の生還を果たしたジョーが、サイモンへ最初にかけた言葉だった。

その後、ジョーは2年と6度の手術後、再び登山を始め、英国に戻ったサイモンは、ザイルを切ったことで山岳界から酷いバッシングを受けた。ジョーは今も彼を擁護し続けている。
彼らの後、シウラの西壁登頂に成功した者はいない。

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