映画『私のオオカミ少年』あらすじとネタバレ感想

私のオオカミ少年の概要:「私のオオカミ少年」は、2012年の韓国映画。肺を患い、ソウルから田舎へ引っ越してきた少女と野生で生きてきたオオカミのような少年との初恋を描いたラブ・ファンタジー。ソン・ジュンギとパク・ボヨン主演。

私のオオカミ少年 あらすじ

私のオオカミ少年
映画『私のオオカミ少年』のあらすじを紹介します。

47年前。肺を患い、田舎に家族で引っ越してきた内向的な少女スニ(パク・ボヨン)は、ある日、木陰に少年の姿を発見した。17才位で言葉がしゃべれず、人並み以上の優れた体力を持つオオカミの様な少年を施設に保護してもらうまでの間、チョルスと名前を付け預かることになります。
チョルス(ソン・ジュンギ)は、はじめこちらの言うことが理解できず、手づかみで物を食べていたが、スニが根気強く、身の回りの事を教えていく。やがて、スニの”待て”や”よし”という言葉を理解できるまでになり、一緒に食事をしたり遊ぶことができるまでに成長します。
チョルスは、頭を撫でてもらうことが好き。そんなチョルスは、子犬のような笑顔をみせて、スニの心を癒していく。
一緒に文字を勉強したり、替えの服がなかった日は、チョルスに女装や化粧をして2人で隠れたことも。チョルスがイチバン気に入ったのは、スニのギターの弾き語りを聞くこと。ギターを弾くスニの髪に淡い光がかかり、2人の気持ちが近づく瞬間。

スニに想いを寄せるものの相手にされない大家の息子ジテ(コ・ヨンソク)は、チョルスを妬み、殺す機会を考えます。そんな恐ろしい計画が静かに進行しているとも知らず、スニとチョルスは穏やかな日々を過ごしていた。絵本「雪だるま」を課題に、「いつか絵本を1人で読めるようになろうね。読めたら、頭を100回撫でててあげるよ」とチョルスと約束。チョルスはそのために毎日、文字を猛勉強した。気分転換に2人は外へ出て、牧草地を走ります。「先に着いた方が、言うことを聞くのよ」。
ところが、走っている途中でスニの具合が悪くなりスニは倒れてしまう。スニを助けようとチョルスはスニを背中におぶって走ります。大人たちを探すが、大人は誰もいない。そして、森の中で2人は迷ってしまう。チョルスは、スニを誘拐したと誤解され、家の納屋に監禁されてしまいます。そんなチョルスをジテが連れてきたオオカミ研究のカン・テシク教授らが監視カメラで監視することに。

病院へ向かうスニは、チョルスの事が心配でならない。カン・テシク教授らに”私が留守の間、指1本でもチョルスに触れないで!”と言い残して、病院へ向かう。数時間後、スニは戻ってきて、チョルスを抱きしめます。ジテは、チョルスの正体を暴こうと教授たちに迫ります。
教授たちは、”チョルスは人間だ。環境のせいでオオカミ少年のように見えるだけで、暴力もふるわない。”とジテに伝えます。しかし、ジテは納得しない。ある晩、ジテはガールフレンドと夜遅く酔っ払い、車でヤギ農場の柵を破壊してしまう。その事実をもみ消すために、”チョルスが柵を壊して、ヤギを食べていた”と嘘の証言を吹聴。ジテはチョルスにその罪をなすりつけようと画策します。

すぐに嘘の証言がばれたジテは逆上して、ヤギ農場主のチョンを殺してしまう。
スニに対しても暴言を繰り返し、足蹴りをするジテ。スニを守るためにチョルスの中でオオカミ男が覚醒し、ジテを噛み殺してしまう。このままでは、チョルスが村人によって殺されるかもしれない。銃が向けられるなか、チョルスはスニを抱え、森に逃げ込んだ。森の湖畔で夜を過ごす2人。”あなたは怪物なの?本当のあなたを知りたいの”とスニはチョルスに聞く。チョルスが化け物であってもそうでなくてもかまわない。ただ、一緒にいられればいい。

チョルスを殺そうと警察や村人が迫っていた。スニはチョルスを助けるために別れることを決めた。”もう一緒にはいられない、早く逃げて”とチョルスを遠ざけます。チョルスは、一緒にいたい一心で”行かないで!”と声を発して泣きます。スニはチョルスを残して、森を去っていきました。数か月後、家族と共に引っ越すことが決まり、納屋にチョルス宛ての手紙を残すスニ。会いたくて涙が止まりません。

それから47年後。スニ名義の家を売るか否か決断を迫られ、久しぶりに孫娘と共に家を訪れた年を取ったスニ(イ・ヨンラン)は一晩、この家で過ごします。雪が降る中、納屋に明かりが灯っていることに気づく。その扉を開けると懐かしいチョルスの笑顔がありました。スニをずっと待っていたのです。感動の涙が止まらない、夢のようなファンタジー。

私のオオカミ少年 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2012年
  • 上映時間:125分
  • ジャンル:青春、ラブストーリー
  • 監督:チョ・ソンヒ
  • キャスト:ソン・ジュンギ、パク・ボヨン、チャン・ヨンナム、ユ・ヨンソク etc

私のオオカミ少年 ネタバレ批評

映画『私のオオカミ少年』について、感想批評です。※ネタバレあり

初恋をファンタジーに昇華~スニとオオカミ少年チョルスの特別な瞬間(とき)

初恋がテーマの映画では異色な設定を持つ恋愛物語。肺を病んだ内向的な少女スニが出会ったのは、オオカミのような少年チョルス。言葉を介さないシンプルな交流は、互いを思いやる気持ちから生まれた。2人が笑っている時、淡い光のフイルターがかかり、少女マンガのように画面がキラキラと輝く。

2人が打ち解けるまでは、画面は寒色(青色)が広がり、部屋は青と黄色を基調にまとめられています。2人の心が通う瞬間が、スニがギターを手にして弾き語りをするシーン。チョルスじゃなくても恋に落ちてしまいそうです。2人の心情が丁寧に描かれています。

また、ソン・ジュンギ演じるチョルスの美少年さが際立つのが、替えの服が見つからずやむをえず、チョルスに女装&化粧をさせるシーン。チマチョゴリを着たチョルスはまるでお人形のようにかわいい!ソン・ジュンギの美肌がここでも美しく映えます。まだキュートなシーンがいっぱい。

きちんと言うことを聞いたら、頭を撫でてあげるとスニが言えば、よく理解して、頭を撫でてもらうことを喜ぶオオカミ少年チョルス。その姿は、オオカミではなく、かわいい子犬の様です。ソン・ジュンギのファンにとっては、たまらなく愛おしい映画になっていますよ。

社会構造学的に見る、恋愛の形

スニとオオカミ少年チョルスの仲を裂こうとする、大家の息子ジテ。乱暴で自分勝手な行動を取り、スニを無理やり従わせようとします。どちらかというと、ジテの方が悪いオオカミに見えてしまいます。社会構造学的に言えば、リベラル派(チョルス&スニ)vs保守派(ジテや1部の村人)という形になるでしょうか?

なかなか異質な存在であるチョルスは地方で受け入れられることが難しい。自分と違っているから、自分の欲しいものを奪おうとするから排除しなければならないという強い暴力・欲求がやがて村人や警察を巻き込んだオオカミ狩りへと発展していきます。スニの強い意志がなければ、チョルスを守ることはできません。

恋愛は時に社会の常識をも壊し、超える大きな力を秘めているのだとこの映画は感じさせてくれます。

中性的な美を持つ俳優~ソン・ジュンギの魅力

2010年のドラマ「トキメキ★成均館スキャンダル」でク・ヨンハを演じ、一躍人気者になりました。このドラマは、朝鮮時代の官吏養成学校・成均館(そんぎゅんかん)を舞台に男装した女の子と共に学ぶ儒学生たちの友情・愛情・青春を描いており、ソン・ジュンギの中性的な魅力も見どころのひとつです。

本作のオオカミ少年チョルス役は、これまでの彼のイメージとは異なり、オオカミのように荒々しい男性的な面と声を介さず、瞳やそぶりで伝えようとする繊細な演技が要求されます。その両方をバランスよく演じており、スニ役のパク・ボヨンとの相性も抜群です。イケメンだけでない、新しい彼の魅力を再発見できます。

特にソン・ジュンギの寂しげな瞳や共演者も羨む肌の美しさに注目して下さい。ソン・ジュンギは、2015年5月に兵役を終え、無事除隊しました。復帰後の第1作は、ドラマ「太陽の末裔」のユ・シジン役です。初恋の似合う男性スターにも選ばれ、今後の活動が楽しみです。

私のオオカミ少年 感想まとめ

ソン・ジュンギ主演の「私のオオカミ少年」は、体が弱く内向的な少女スニ(パク・ボヨン)とオオカミのような少年チョルス(ソン・ジュンギ)の初恋ファンタジーです。ソン・ジュンギの中性的な魅力に野性的な強さが加わりました。言葉を介さない繊細な演技と柔らかな色彩を帯びた映像が初恋のトキメキをやさしく映し出します。

スニに頭を撫でられ、子犬のような笑顔を見せるチョルス。そんなチョルスにスニは癒されていきます。オオカミ少年との恋という異色な設定ですが、不自然なところはなく、むしろチョルスの個性として見えてくるから不思議です。特にスニがチョルスにギターの弾き語りをするシーンでは、初恋のピュアな感情の高まりが感じられます。

また2人の別れが迫った時、チョルスが初めて声を発し、「行かないで!」と泣くシーンでは、胸がとても痛くなります。ぜひ、大切な人と一緒に観て下さい。

Amazon 映画『私のオオカミ少年』の商品を見てみる

コメント

  1. kei より:

    たまらなく愛しい映画 ずばりです。
    ソンジュンギの野生の生き物の動きも素晴らしかったから余計、ナツイていく姿や、たった一人に全身全霊での忠誠心が伝わります。『人間は勝手なもの』チョルスを作った人、チョルスを射殺しようとした人、スニすら長年彼を忘れて生きてました。
    『人間は…』
    エンドロールは悲しかったです。一緒に作るはずの雪だるま。一人で作り、スニも見てもらえなく…
    もう二度と会えないことを理解してると思います。この先、何年も何年も独りぼっちのチョルスを思うと胸を締め付けられる思いです。また、誰かにナツイテもまた独りぼっちになるでしょうから…
    人間は寿命があるから…
    私の心が動いた10の指に入る好きな作品です。