映画『男はつらいよ 私の寅さん』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「男はつらいよ 私の寅さん」のネタバレあらすじ結末

男はつらいよ 私の寅さんの概要:男はつらいよシリーズ第12作目となる作品。いつもは旅する側の寅さんが、柴又で留守番をすることになり、待つ身のつらさを初めて味わう。ロケ地でのおいちゃんとおばちゃんが見られる貴重な作品。芸術家肌のマドンナには、知的な岸恵子がキャスティングされている。

男はつらいよ 私の寅さんの作品情報

男はつらいよ 私の寅さん

製作年:1973年
上映時間:107分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:山田洋次
キャスト:渥美清、岸恵子、前田武彦、倍賞千恵子 etc

男はつらいよ 私の寅さんの登場人物(キャスト)

車寅次郎(渥美清)
通称寅さん。テキ屋として商売をしながら、全国各地を渡り歩いているが、今回は珍しく柴又で長期間過ごす。普段は威勢のいいことばかり言っているが、1人ぼっちでとらやに残されると、子供のように寂しがる。おばちゃんの手料理が大好き。
柳りつ子(岸恵子)
寅さんの同級生だった柳文彦の妹で、現在は画家をしている。美人だが痩せているので、兄からは「キリギリス」とからかわれている。絵の道一筋で生きてきたため、料理などの家事が苦手。芸術家肌で社会性がないため、常識にとらわれない寅さんと気が合う。
柳文彦(前田武彦)
寅さんの小学校時代の同級生で、当時のあだ名は「デベソ」。父親は柴又で開業医をしていたが、人が良すぎたため、病院は潰れてしまった。のんびり育ったお坊っちゃんで、温厚な性格。小説家を目指していたが挫折し、テレビドラマの脚本家になっている。
さくら(倍賞千恵子)
寅さんの腹違いの妹。寅さんと違って、とてもよくできた人間で、親代わりのおいちゃんとおばちゃんに九州旅行をプレゼントする。家事と育児をしながら、洋裁の内職をしている働き者。
博(前田吟)
さくらの夫。とらやの裏手にあるタコ社長の印刷工場で働いている。貧しい労働者だが非常に博学で、寅さんが恋をするのは生きている証だという知的な見解を示す。
車竜造(松村達雄)
通称おいちゃん。寅さんの叔父であり、育ての親。寅さんのことは悩みの種で、顔を合わせると必ず大喧嘩をして「出ていけ!」と叫んでいるが、本心ではない。
車つね(三崎千恵子)
通称おばちゃん。竜造の妻であり、寅さんとさくらの母親代わり。過保護なまでに寅さんのことを心配している。家庭的な料理が得意で、お芋の煮っころがしは絶品。
タコ社長(太宰久雄)
とらやの裏手にある印刷工場の社長。とらやの人々とは家族同然の付き合いで、裏の戸口から自由に出入りしている。間が悪いので、よく寅さんを怒らせる。
源公(佐藤蛾次郎)
寅さんの弟分。普段は帝釈天で小僧のようなことをしている。寅さんのことは「兄貴」と呼んで慕っている。

男はつらいよ 私の寅さんのネタバレあらすじ

映画『男はつらいよ 私の寅さん』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

男はつらいよ 私の寅さんのあらすじ【起】

東京は葛飾柴又の帝釈天参道にあるだんご屋の「とらや」に、デパートの買い物袋を抱えたさくらが帰ってくる。おいちゃんとおばちゃんとさくら一家で、明日から3泊4日の九州旅行へ行くことになっており、そのための買い物をしてきたのだ。この旅行は、普段お世話になっているおいちゃんとおばちゃんへの感謝の気持ちを込めて、さくら夫婦が計画したものだった。

おいちゃんもおばちゃんも、さくら夫婦の心遣いには心から感謝しており、初めての九州旅行も楽しみではあったが、なぜか浮かない顔をしている。2人とも、この旅行中に寅さんが帰ってきたらどうしようかと考えてしまい、憂鬱になっていた。そんなことを話していると、何も知らない寅さんが、のんきな顔をして帰ってくる。

旅行のことを言い出せないまま夕食の時間を迎えてしまい、とらやの一同は困り果てていた。ところが、御前様が旅の餞別と御守りを届けにきてくれたことで、寅さんに旅行のことがバレてしまう。

一同が心配した通り、寅さんはすっかりヘソを曲げ、「どうせ俺は厄介者だ」と拗ね始める。そんな兄の態度を見かねたさくらは、この旅行の趣旨を話し、「本当は私とお兄ちゃんでしなくちゃいけないことだったのよ」と寅さんを諭す。ずっと親代りをしてくれたおいちゃんとおばちゃんへのお礼の旅行なのだとさくらに言われ、さすがの寅さんも留守番役を引き受ける。

翌朝、寅さんが起きた時には、みんなはすでに旅立っていた。寅さんは、静まり返った茶の間に座り、しみじみと寂しさを感じる。

男はつらいよ 私の寅さんのあらすじ【承】

飛行機で九州に向かったさくらたちは、予定通り観光をして、旅行を楽しむ。しかし、心優しいおばちゃんは、寅さんのことが気になって仕方がないようだった。

宿に到着した一行は、温泉に入って汗を流し、上げ膳据え膳の夕食を済ませる。おいちゃんもおばちゃんもくつろいでいるようで、さくらはホッとする。一方、留守番中の寅さんは、8時にかけると約束したさくらからの電話がないので、イライラしながら電話を待っていた。タコ社長と源公も寅さんの酒に付き合い、おいちゃんの大事なウイスキーを飲み干していた。

さくらが電話をかけると、寅さんは電話が遅すぎると文句を言いつつも、全員と話したがる。長距離電話で料金がかかるのに、寅さんは満男とまで話をして、ようやく納得する。

旅行2日目。昨夜のこともあり、せっかく阿蘇を観光していても、おいちゃんとおばちゃんは寅さんのことばかり考えてしまう。特におばちゃんは、温厚なさくらが不機嫌になるほど、寅さんのことを心配していた。

その夜も、寅さんはタコ社長に酒の相手をしてもらいながら、さくらからの電話を待ちわびていた。ようやくかかってきた電話で、寅さんは「待つ身のつらさを考えろ!」と、さくらのことを怒鳴りつけ、おいちゃんと大喧嘩を始める。タコ社長は、そんな寅さんが哀れだった。

旅行3日目。ついにおいちゃんとおばちゃんが、東京へ帰りたいと言い出す。今夜の旅館も予約してあるし、さくらと博は困ってしまうが、おいちゃんとおばちゃんは寅さんのことが気がかりで、旅行を続ける気力を失っていた。

さくらたちは、1日予定を繰り上げ、東京へ帰ることにする。連絡を受けた寅さんは、タコ社長と源公にも手伝わせて家を掃除し、食事と風呂の準備までしておく。今回のことで、家族のありがたさをしみじみと感じた寅さんは、いつも自分がしてもらうように、みんなのことを迎えてやりたかった。疲れ果てて帰ってきた一行は、寅さんの心遣いに感動する。その夜のとらやの茶の間は、いつも以上に賑やかで、寅さんは満足だった。

男はつらいよ 私の寅さんのあらすじ【転】

寅さんはすっかり心を入れ替えたようで、別人のようにおとなしくなる。近所での評判も良くなり、おばちゃんたちは喜んでいたが、さくらは何となく寂しさを感じていた。喧嘩も恋もしないお兄ちゃんなんて、お兄ちゃんらしくないとさくらは思っていた。

そんなある日。満男を連れて江戸川の土手を歩いていたさくらは、変な男に追いかけられ、とらやに逃げ込む。おばちゃんは痴漢だと大騒ぎするが、その男は寅さんの小学校時代の同級生の柳文彦だった。寅さんにそう言われ、おばちゃんも「柳病院のお坊ちゃん」と呼ばれていた文彦のことを思い出す。文彦の父親は立派な医者だったが、人が良すぎて病院を潰してしまい、柴又には家だけが残っていた。文彦の両親はすでに他界しており、柴又の家には、文彦の妹のりつ子が暮らしている。テレビドラマの脚本を書いている文彦は、実家とは別の場所で、ひとり暮らしをしていた。

寅さんは懐かしい旧友との再会を喜び、2階で酒盛りを始める。盛り上がった2人は、そのまま文彦の実家で飲み直すことにする。りつ子は留守だったが、2人は勝手に家へ入り、酒盛りを続ける。りつ子は画家になり、絵を描いたり教えたりして、生計を立てていた。

寅さんと文彦は、りつ子がキリギリスみたいに痩せているという話から、キリギリスというあだ名の音楽の先生のことを思い出す。寅さんは、その先生をからかって悲しませたことがあり、そのことを思い出して切なくなる。

そんな話をしつつ、勝手に絵筆をいじっていた寅さんは、りつ子の描きかけの絵を汚してしまう。そこへりつ子が帰ってきて、作品を汚した寅さんに激怒する。芸術家肌で気の強いりつ子は、寅さんと大喧嘩をして、家から追い出す。その夜、寅さんは無性に腹が立ち、晩御飯も食べずに寝てしまう。

翌日も寅さんの機嫌が悪く、とらやの一同は困惑する。ところが、りつ子がわざわざ寅さんを訪ねてきて、「昨日は本当にごめんなさい」と素直に誤った途端、寅さんの態度が一変する。とらやの一同は、なるほどそういうことかと納得する。

その日、りつ子はとらやでご飯をご馳走になり、寅さんたちと楽しい時間を過ごす。りつ子は絵の道一筋で生きてきたため、料理ができず、おばちゃんの手料理を喜んで食べる。絵に没頭すると、パンだけを齧るようなことも多いと聞き、寅さんはりつ子のことが心配になる。寅さんは、完全に恋をしていた。

ある日、りつ子がとらやに画商の男を連れてくる。りつ子と男の親密そうな様子を見た寅さんは、失恋したと思い込んで旅支度を始めるが、りつ子がその男を嫌っていると知ると、旅に出るのをやめてしまう。

自分の作品に思い入れのあるりつ子は、気に入った絵は売りたくないと思っていた。しかし、出来の悪い絵も売りたくないので、生活は常に困窮していた。その話を聞いた寅さんは、りつ子にパンを買ってやる。寅さんに「いい絵を描けよ」と言ってもらい、りつ子は「寅さんは私のパトロンね」と言って喜ぶ。寅さんは、りつ子が好きな絵を描くためなら、どんなことでもしてやりたいと思うようになっていた。

男はつらいよ 私の寅さんのあらすじ【結】

それからしばらくして、とらやを訪れた文彦から、りつ子が寝込んでいると聞いた寅さんは、大きな果物籠を持ってお見舞いに行く。りつ子は寅さんの訪問を喜び、自分の秘密を打ち明ける。りつ子は、片思いしていた画家の男がお金持ちの娘と結婚することを知り、そのショックで寝込んでいたのだ。

りつ子の前では明るく振舞っていた寅さんだったが、家に帰った途端、りつ子と同じ症状で寝込んでしまう。この症状は、お医者様でも治せない恋の病に違いなかった。

今度はりつ子が、寅さんのお見舞いに訪れる。ぐったりして布団に潜り込んでいた寅さんは、さくらと一緒に部屋へ入ってきたりつ子の顔を見て、「お前の顔までりつ子さんに見える」と言ってしまう。寅さんの気持ちに初めて気づいたりつ子は、困惑した様子で、早々に帰っていく。

りつ子に意図せず告白することになってしまい、寅さんは荒れていた。しかし、いつまでも子供のように拗ねていても仕方がないので、思い切ってりつ子に会いにいく。りつ子は、寅さんの訪問を歓迎し、自分の正直な気持ちを打ち明ける。りつ子は、女として寅さんの気持ちは嬉しいが、自分は絵のことしか考えられないし、大好きな寅さんとは、ずっといい友達でいたいと思っていた。寅さんは自分も友達でいたいと嘘をつき、りつ子の気持ちを楽にしてやる。

その夜遅く、寅さんは旅支度を始める。寅さんは、一生懸命に絵を描いているりつ子に、余計な心配をかけたことを後悔していた。寅さんはさくらに「時々、りつ子さんにおいしいものを食べさせてやってくれ」と頼み、寒さに震えながら、旅立っていく。

お正月。とらやには、絵の勉強のためにスペインへ渡ったりつ子から、絵葉書が届いていた。りつ子は「私の寅さんはどうしていますか?」と書いていた。その頃、寅さんは、りつ子が描いてくれた自分の似顔絵を「非売品」として商品棚に飾り、阿蘇山の麓で元気に商売をしていた。

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