映画『ウエスタン』あらすじとネタバレ感想

ウエスタンの概要:「ウエスタン」(原題:C’era una volta il West、英題:Once Upon a Time in the West)は、1968年のイタリア・アメリカ合作映画。監督は「荒野の用心棒」、「夕陽のガンマン」で一世を風靡したセルジオ・レオーネ。主演は「大脱走」、「さらば友よ」などのチャールズ・ブロンソン。共演は「若者のすべて」、「山猫」などのクラウディア・カルディナーレ。「十二人の怒れる男」、「史上最大の作戦」など名優ヘンリー・フォンダ。音楽は映画音楽の名匠エンニオ・モリコーネ。

ウエスタン あらすじ

ウエスタン
映画『ウエスタン』のあらすじを紹介します。

アメリカの西部開拓時代。カリフォルニアの田舎町の駅。腰に拳銃を携えた三人の男が列車の到着を待ち受けている。そして到着した列車が通り過ぎた後、一人の男が線路の向こうでハーモニカの妖しい旋律を奏でていた。その男の拳銃は瞬く間に三人の男たちを倒した。過去に遡り、アイルランドから子供たち三人と移住して来たマクベイン(フランク・ウォルフ)は、荒れた土地に大きな未来を描いていた。そして彼はニュー・オリンズにいる婚約者のジル(クラウディア・カルディナーレ)を迎える準備をしていた。その日、外でジルの歓迎準備をしている最中に5人組のガンマンが現れ、マクベインと長男長女が射殺される。そして残された末っ子も、そのリーダーであるフランク(ヘンリー・フォンダ)に、名前を聞かれたという理由から銃口を向けられ、無情の銃声が響いた。その頃、駅に到着したジルにマクベインからの迎えはやってこなかった。彼女が馬車を雇い着いたところには、迎えてくれるはずだったマクベイン一家の遺体が並んでいた。葬儀が終わり、ジルはそのままマクベインの家に留まった。自分が住む予定だった家で彼女が物思いに耽っていると、数人のならず者が訪れコーヒーを要求してきた。男はシャイアン(ジェイソン・ロバーズ )と名乗り、マクベイン一家を殺害したと噂されていたが、自分にその疑いが掛けられている事に不満をこぼしていた。マクベイン一家を殺害した裏には、鉄道会社の役人モートンが土地を狙いフランクを仕向けた謀略があった。シャイアンが去り、ジルも帰ろうとしているところへハーモニカの音色が流れ、”その男”(チャールズ・ブロンソン)が現れ、彼女を引き留める。やがて”その男”はモートンとフランクが乗る汽車に忍び込むが、捕まって列車の中に拘留される。フランクがジルとの直談判に出かけた後、列車の底に潜んでいたシャイアンの機転で形勢は逆転し、”その男”とシャイアンはフランクへの復讐を図る。やがてジルに所有権が移ったマクベイン所有の駅建設予定地と、鉄道会社の利権が絡みながら三者の駆け引きが始まるが、”その男”の目的はフランクに兄を殺された復讐だった。そしてついに”その男”はフランクを倒しその地を離れていったが、背景には鉄道工事が着々と進められ、新しいアメリカの礎が築かれようとしていた。

ウエスタン 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:1968年
  • 上映時間:141分
  • ジャンル:西部劇
  • 監督:セルジオ・レオーネ
  • キャスト:ヘンリー・フォンダ、クラウディア・カルディナーレ、ジェイソン・ロバーズ、チャールズ・ブロンソン etc

ウエスタン ネタバレ批評

映画『ウエスタン』について、感想批評です。※ネタバレあり

セルジオ・レオーネ監督の西部劇会心作

チャールズ・ブロンソンのミステリアスな存在感が、作品全体に一風変わった空気を醸し出している。役者の格で言えばヘンリー・フォンダだろうが、ここでの主役はブロンソンであり、その次がクラウディア・カルディナーレで、スターとしてハリウッドに地位を確立していたヘンリー・フォンダが悪役というところが渋い設定である。ブロンソンも「荒野の七人」や「大脱走」、「さらば友よ」で主役クラスの役を付けてはいたが、大スターのヘンリー・フォンダを差し置いて主役に抜擢された作品としては大出世作だろう。セルジオ・レオーネも「荒野の用心棒」、「夕陽のガンマン」、「続・夕陽のガンマン」と大ヒットのマカロニウエスタンでもう西部劇はやり尽くしたと言いながら、パラマウントからヘンリー・フォンダが出演する映画製作のオファーを出し快諾したというのだが、その敬愛するヘンリー・フォンダを悪役に据えるという大冒険は功を奏し、キャスティングは見事に嵌っている。少なめのセリフの中で迫ってくる緊迫感満点のカメラアングルも圧倒的であり、セルジオ・レオーネの真骨頂と言えるハードボイルド西部劇の真髄を見せつけられる。

西部劇にしてはプロットに富んだ作品

冒頭からやけに長く引っ張る駅のシーンが印象的であり、チャールズ・ブロンソン演ずるハーモニカ男が正体の解らぬまま、エンディングまで過去を明かさないミステリアスな展開が西部劇らしからぬ展開である。マカロニウエスタンらしい赤茶けた風景と泥臭くワイルドな演出に、元祖セルジオ・レオーネの迫力が十二分に堪能でき、イーストウッド主演の三部作を凌ぐクオリティは、3時間弱のストーリーを力技で引き込んでゆく。気の強そうなクラウディア・カルディナーレも嵌り役であり、西部の荒くれ者にヒケを取らない迫力ながら、充分にセクシーで魅力的だ。悪役を演じたヘンリー・フォンダの青い眼も冷徹なイメージが強調され、アメリカの良心というイメージは払拭され凄みさえ感じさせる。役者それぞれの個性がぶつかり合い、濃密なシナリオで西部開拓時代の転換期を描いた、ドラマ性の高い西部劇の頂点とも言える作品である。

ウエスタン 感想まとめ

セルジオ・レオーネは生涯で7本の映画しか残さず60歳でこの世を去ってしまったが、どの作品も濃密な空気感でダイナミックなカメラワークが素晴らしい。イーストウッド主演の「ドル箱三部作」は言うに及ばず、本作と「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の圧倒的な存在感は、映画史上に燦然と輝くエンターテインメント作品であり、多くの映画制作者に多大な影響を及ぼし功績を残した。本作でもレオーネ監督の特徴とも言える、男の友情や濃密な人間関係がリアルに描かれているのだが、チマチマと世知辛い今の時代に、このような硬派の映画を改めて見直す必要があるのではないだろうかと感じてしまうのだ。西部劇と日本の時代劇の良さは、もっと再認識されるべきだとつくづく思う昨今である。新しい作品が撮れないのなら、このような古き佳き作品を映画館でどんどんリバイバル上映してくれればとしみじみ想うのである。

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