映画『風とライオン』あらすじとネタバレ感想

風とライオンの概要:「風とライオン」(原題:The Wind and the Lion)は、1975年のアメリカ映画。監督は「デリンジャー」のジョン・ミリアス。主演は007シリーズのショーン・コネリー。共演には「砲艦サンパブロ」、「愛の狩人」のキャンディス・バーゲン。「ザ・ヤクザ」などのブライアン・キース。「マルタの鷹」、「天地創造」などの監督として名高い、名匠ジョン・ヒューストンも出演している。音楽は巨匠ジェリー・ゴールドスミス。

風とライオン あらすじ

風とライオン
映画『風とライオン』のあらすじを紹介します。

1904年、アフリカはモロッコのタンジール。イーデン・ペデカリス夫人(キャンディス・バーゲン)は馬賊に襲われ、12歳の長男ウィリアムと9歳の娘ジェニファーと共に誘拐された。一味の首領はムレー・アーメッド・ムハメッド・ライズリ(ショーン・コネリー)といい、イーデンと二人の子供たちをリフ山脈の麓に続く丘陵地帯に連れて行く。一方、アメリカ合衆国の首都ワシントンでイーデン誘拐のニュースは、国防長官ジョン・ヘイ(ジョン・ヒューストン)を通じ、第26代大統領セオドア・ルーズベルト(ブライアン・キース)に報告された。当時モロッコには、フランス、イギリス、オーストリア、ドイツ、ロシアなどが駐屯しており、ルーズベルトはこの事件を次期選挙に利用しようとして、国威の昂揚を図った。その頃、イーデンと二人の子供たちはライズリの一行と共に砂漠と海が見える台地を進んでいた。合衆国のタンジールの領事ガマーリ(ジェフリー・ルイス)は、副領事ドライトンを伴なって太守を訪れた。太守はモロッコで最も権力のある男で、甥にあたるサルタンの背後の実力者だったが、その会談は不成功に終わり、領事はサルタンに会うことにした。ライズリがイーデンとその子供たちを誘拐したのは、そのサルタンを窮地に陥れることだった。サルタンはヨーロッパ諸国のいいなりでモロッコの民衆を苦しめているために、国土と名誉を取り返そうというのがライズリの狙いであり、そのためのイーデン母子誘拐だった。サルタンの説得に失敗したアメリカは海軍をモロッコに出動させた。海兵隊と宮殿の間ですさまじい銃撃戦が始まりサルタンは捕えられた。その報せはウェザーヌの首長によってライズリにもたらされた。罠だというウェザーヌの首長と、イーデンの警告にもかかわらず、ライズリは取引きに応ずることにし、イーデン母子を送り届けるために出発した。エル・サラフの村で、イーデン母子はジェローム大尉にひき渡され、ライズリはドイツとフランスの軍隊に捕えられた。翌朝、イーデン母子は海兵隊の援護を受けライズリを救出すると同時に、村の外に待機していたライズリの部下たちが攻め込んできた。村ではアメリカ海兵隊がドイツとフランスを相手に壮烈な戦いを展開しており、そこにリフ族が加わり四つ巴となる。ライズリ救出は成功し、彼は部下と共に去った。後日、ホワイトハウスのルーズベルトの許にライズリから手紙が届く。「貴殿は風のごとく、私はライオンのごとし。貴殿は嵐を巻き起こし、砂塵は私の眼を刺し、大地は乾き切っている。私はライオンのごとく己の場所に留まるしかないが、貴殿は風のごとく己の場所に留まることを知らない」。

風とライオン 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1975年
  • 上映時間:119分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、アクション
  • 監督:ジョン・ミリアス
  • キャスト:ショーン・コネリー、キャンディス・バーゲン、ブライアン・キース、ジョン・ヒューストン etc

風とライオン ネタバレ批評

映画『風とライオン』について、感想批評です。※ネタバレあり

モロッコの風景がひたすら美しい

モロッコの市街地や砂漠と海岸の風景が、映画の質を格調高く演出している部分が一番印象深く、ロケ地の美しさが映画の価値を相当引き上げている典型的な作品である。監督のジョン・ミリアスは黒澤フリークであるらしく、本作のアクションシーンには黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」や「七人の侍」の影響が多く見られる。リフ族の首長ライズリを演じるショーン・コネリーが幾分年齢を重ね、007のイメージから開放されたような演技と存在感が素晴らしい。誘拐された未亡人のイーデンを演じるキャンディス・バーゲンも気丈で勇ましく、人質となりながらもライズリと互角に渡り合い、主役にヒケを取らない熱演である。国同士の紛争が主題になっているので、感動して涙を流すようなストーリーでも衝撃的な話でもないが、どこかノスタルジックに駆られてしまう印象深い作品である。こういったロマンを見せてくれる映画は最近少なくなった。

画的なバランスが少々良くない

戦闘シーンなどを観ていると正直いつの時代かワケが解らなくなってしまう。西部劇的な部分もあり、アラビアのロレンスのようでもあり、時代考証がはっきりしていても各国の軍隊が全然違った出で立ちであり、どこで誰と誰が戦っているのかが慣れるまでは実に奇妙に映る。同様にアメリカのホワイトハウスでのシーンに移項すると全く違う画になってしまい、そこだけが取って付けたように見えてしまうのは少々残念である。アイゼンハウアーは確かに物語の中で重要なポジションなのだろうが、画的な部分でのバランスに工夫が欲しかったところであるが、時代を考えれば技術的にはこんなものなのだろう。

風とライオン 感想まとめ

最後のライズリの手紙は無理やりこじつけた感じが否めない。ルーズベルト大統領の人格などが史実に基づいているのかは不明だが、熊狩りのエピソードや、銃への興味などはさりげなく織り込まれている。イーデンの子供たちが良い演技で映画の中にアクセントを付けているのも好感が持てる部分である。何と言ってもショーン・コネリーが、007以降に続くイメージを確立し、印象付けを大きくした作品だろう。作品の内容としては、戦闘シーンやホワイトハウスの件を少し控えめにして、モロッコのみで展開されれば散漫な印象は拭えたのかもしれないという感が残ったが、そこは役者でフォロー出来ている佳作である。

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