映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』あらすじとネタバレ感想

黄金のアデーレ 名画の帰還の概要:82歳の女性と駆け出しの弁護士が国を訴えた。オーストラリアのモナリザと言われていた『黄金のアデーレ』返してほしいと要求した。無謀ともいえる要求の影には彼女の哀しい過去が隠されていた…。

黄金のアデーレ 名画の帰還 あらすじ

黄金のアデーレ 名画の帰還
映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』のあらすじを紹介します。

黄金のアデーレ 名画の帰還 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2015年
  • 上映時間:109分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、歴史
  • 監督:サイモン・カーティス
  • キャスト:ヘレン・ミレン、ライアン・レイノルズ、ダニエル・ブリュール、ケイティ・ホームズ etc

黄金のアデーレ 名画の帰還 ネタバレ批評

映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』について、感想批評です。※ネタバレあり

回想シーンと、現実のシーンを交互に居れることでマリアの心境が判りやすい

映画は8年に及ぶ裁判の年月と、故郷オーストリアで過ごした思い出の日々、戦争、亡命までの苦難の時を
交互に織り交ぜ展開していく。

その為、マリアの視点で描かれている内容ながら、彼女が何故頑なに故郷に戻るのを拒みつつ、
戻ると逆に懐かしむという矛盾した行動に出るのか、理解できるようになっている。

正当な理由があっても、返還に応じなかった政府

マリアの叔母アデーレは、オーストリアが華やかなりし頃に裕福な富豪の一族に囲まれ、戦争を知る事無く亡くなった。
その為、彼女の遺言が物議を醸しだす事となる。

アデーレは自らの肖像画を、死後美術館に寄贈すると遺言を書いたが、それは夫の死後という条件付きだった。

マリアの叔父は1945年、アデーレの死後20年後に亡くなっている上、
叔父は自分の財産や権限は全てマリアに譲るとしていたのだ。

これでアデーレの遺言状が無効であることを突き止めたランディとフベルトゥスだったが
ありとあらゆる方法で裁判を国に阻まれ、マリアは肖像画を取り返すのを諦めてしまう。

これほどまで紆余曲折をえた絵画の行方は

ランディは、帰国寸前、慰霊碑に音楽家だったという曾祖父母の名が刻まれているのを見て、自らのルーツもまたオーストリアにある事を発見する。
彼は、長期化する裁判で事務所からも見捨てられ、借金まみれになりながらも、このままマリアが高齢で死ぬのを待つのを見ていられなかった。

最後の手段として彼は、オーストリアの調停裁判に持ち込み、マリアの元に肖像画を返す事に成功する。

マリアは肖像画が自分の手元に帰ってきた後、むせび泣く。
それは、ここまで裁判が長引いただけではない。戦争や国家という権力に振り回された肖像画に対する申し訳なさから来たものだった。

彼女は裁判の最中に、話を持ち掛けてきた化粧品業界の大物エスティ・ローダーの息子ロナルドに絵の保存を任せる。
自分自身の手で、しかるべき人間の手に渡したい、それが彼女の目的だったと思う。

黄金のアデーレ 名画の帰還 感想まとめ

映画の最後で、ダニエル・ブリュール演じるフベルトゥスは、何故自分はマリアに協力したのか、この案件が解決したからこそ明かすという。
それは自分の父親がナチスだったから、と彼はマリアに言う。

自分の父親世代は、貴方に謝りもしないだろうし、そういう感情も持たない人も多いだろう。息子世代の僕たちから変わっていかなければいけないと述べる。
その姿は、彼のデビュー作となった『グッバイ・レーニン』を彷彿とさせる。

この映画で名画の返還に関わったランディは以降、美術返還の専門の弁護を引き受ける様になったというのだから、驚きだと思う。

ちなみに、クランクインの前に映画の題材となったクリムトの『黄金のアデーレ』をNYのノイエギャラリーで観た事があったのは、
マリアの夫フリッツ役のマックス・アイアンズだけだったそうだ。

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