『山猫は眠らない』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

「山猫」と呼ばれる兵士。彼らはジャングルの奥深くに潜み生活している。自然の中に溶け込み、一瞬のスキを捉えてターゲットを確実に捉える。彼らの狙撃術は戦争だけでなく人々のさまざまな思惑の中に利用されてきた。

あらすじ

山猫は眠らない』のあらすじを紹介します。

超一流の狙撃手、ベケット上級曹長はジャングルに潜みスナイパーで獲物を捉える「山猫」であった。軍の命令のもと、確実にターゲットを殺害する彼の腕前は、米軍からも政府からも評価されていた。

今回、彼に与えられた命令は、軍のアルバレスと麻薬密売組織の幹部オチョアを殺害すること。パナマの政変に伴い、オチョアはアルバレスを利用してパナマ運河を牛耳ろうとしているのである。

ベケットのパートナーかつ上官として米軍参謀幕僚9に組み込まれたのはミラーという若い男兵であった。彼は、軍の射撃隊でオリンピック銀メダルを獲得した経験や国防会議の特殊攻撃隊の経験があり優秀な軍兵である。しかし、ジャングルに潜んだ経験や狙撃による殺害経験がない。現地に向かう途中も、ミラーの乗ったヘリが襲撃されてしまうが、狙撃をためらい反乱軍を捉えることができなかった。

ベケットと合流したミラーは、さっそく命令のもと任務を果たそうとする。しかし、ベケットが指示とは違うルートを進んだり、慣れない「山猫」の生活のためあっけに取られることが山ほどあった。

ジャングルを知り尽くし狙撃のプロであるベケットと、上官でありながら経験のまったくないミラーという不安たっぷりなコンビは、果たして任務を遂げることができるのか。

評価

  • 点数:60点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:1993年5月1日
  • 上映時間:98分
  • ジャンル:アクション、サスペンス
  • 監督:ルイス・ロッサ
  • キャスト:トム・ベレンジャー、ビリー・ゼイン、J・T・ウォルシュ etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

『山猫は眠らない』について、3つ考察・解説します。※ネタバレあり

主人公のモデルとなった米軍人

この作品の見所とも言える主人公ベケットによる狙撃術であるが、このベケットおよび、作品のストーリーは実際に存在した米軍人がモデルとなっている。
そのモデルとは「カルロス・ノーマン・ハスコックII世」である。アメリカの狙撃兵の中でも、5本指に入る有名狙撃手であり「ホワイト・フェザー」とも呼ばれていた。
1942年出身の彼は、17歳でアメリカの海兵隊に入隊し、狙撃手としてベトナム戦争に出兵している。

出兵する前から彼の狙撃の能力は至るところで発揮されており、1965年のアメリカにおける競技射撃大会「ウィンブルドンカップ」では、約3000人の出場者が居たにも関わらず優勝したという。

ベトナムでの狙撃戦は米軍にとって頭を抱える悩みの種であったが、彼の出兵によってベトナム軍将校の狙撃に成功するなど、米軍の窮地が救われている。
彼はこのベトナム戦争で93名を狙撃しただけでなく、狙撃手を養成するためプログラムを策定するという功績も残している。米軍の狙撃において頻繁に耳にする「One shot, One kill(一撃必殺)」という言葉はこのプログラム内に盛り込まれている概念である。

この現役引退後は病気と戦いながらも米軍の開催するイベント等に参加するなどして幸福に生活しており、1999年に他界している。

映画で使われているのは民生用自動小銃

劇中で登場する狙撃銃であるが、ドイツのヘッケラー&コッホ社が製造した「PSG-1」と呼ばれる型だと勘違いされることが多いようだ。
実際は同社の「SR-9TC」と呼ばれる型である。

「PSG-1」は狙撃銃の中でも抜群に命中精度が高くなるよう製造されている。
現在でも各国の特殊部隊で使用されており、日本では海上保安庁特殊警備隊でも使用されている。

一方で、「SR-9TC」は前者に使われているトリガとピストルグリップを使っているのだが、一般消費者向けの小銃であり狙撃銃ではない。命中精度は格段に落ちるが、安価で手に入りやすくものであるそうだ。

トーマス・ベケットとは誰?

主人公の名前に使われている「トーマス・ベケット」はイングランドの都市カンタベリーで1162年から1170年までのヘンリー2世が着任していた時代における大司教の名前である。彼は指導者として有名であり、1964年の映画「ベケット」でリチャード・バートンがその役を演じている。

まとめ

人的に戦争や殺しを題材にした作品を目にすることがほとんどないため、殺害シーンや狙撃シーンなどは目を覆い隠したくなるものが多かった。血やエグいシーンが苦手な観覧者にとってはキツい作品である。

作品を見ながら思ったことであるが、狙撃戦というのは遠方からの攻撃および射殺であるため、実際に人を殺している感覚がないのではないかと感じた。加害者にとっては引き金を引くだけであるので、痛みも傷も残らない。

そう感じさせたのは、狙撃による殺害になれていなかったミラーが狙撃に快感を覚えてくるシーンである。人を殺すという感覚ではなく、だんだんとまるでゲームのように狙撃・殺人が行えるようになってくる。

この作品が実際の米兵をモデルにしているとのことであるが、モデルとなった彼らはどういう感覚で狙撃を行ってきたのか、非常に気になるところである。

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