映画『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』あらすじネタバレ結末と感想

イヤー・オブ・ザ・ドラゴンの概要:若きドンに率いられたマフィア立ち向かうのは、ベトナム帰還兵の刑事。非合法の頂点を極める若きドンの野望を止める事は出来るのか。『ディア・ハンター』のマイケル・チミノ監督作。

イヤー・オブ・ザ・ドラゴン あらすじネタバレ

イヤー・オブ・ザ・ドラゴン
映画『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

イヤー・オブ・ザ・ドラゴン あらすじ【起・承】

時は’80年代前半、NYダウンタウン。
リトル・イタリーと、きびすを接するチャイナタウンのレストランで、マフィアのドン、ジャッキー・ワンが殺され盛大な葬儀が行なわれた。
チャイナタウンの大通りで行なわれた葬儀の先頭を歩くのは、若き幹部で、勢力を拡大しつつあるジョーイ・タイ(ジョン・ローン)だった。

ジョーイは、新旧マフィア勢力が対立する中で、急進的なやり方で、麻薬組織を変えようとしていた。
そんな葬儀の様子を斜に構えてみていたのが、NY市警のスタンリー(ミッキー・ローク)だった。

ベトナム帰りのポーランド人であるスタンリーは、マフィアへの憎悪だけでなく、戦争のトラウマから、東南アジア人を憎む様になっていた。
ワン殺害事件を皮切りに、スタンリーは、ジョーイの組織の捜査に乗り込む。

スタンリーの組織を無視したスタンドプレイに、彼の同僚ビューコワスキ(レイ・バリー)は心配する。
そんな荒んだ彼の心を捉えたのが、ワンの葬儀の時に葬儀の模様を伝えようとレポートしていた中国系アメリカ人トレイシー(アリアーヌ)だった。

スタンリーは、トレイシーを組織の息がかかる高級レストランに招き、その席で、メディアの力を借りて
組織を壊滅出来ないかと取引を持ちかけた。

その時レストランに突然覆面の男が乱入し、機関銃を乱射する。
トレイシーを庇い、防戦するスタンリーだが、明らかにジョーイの手先と判る犯人グループには逃げられてしまう。

スタンリーはジョーイの経営するレストランに乗り込み宣戦布告を言い放つのだが・・・。

イヤー・オブ・ザ・ドラゴン あらすじ【転・結】

スタンリーは、中国系刑事アルバートを潜入捜査官として潜り込ませ、捜査を続けるが、
アルバートの身分はすぐに割れ、殺されてしまう。

それだけでなくスタンリーの別居中の妻・コニー(カロライン・カヴァ)が、
ジョーイの手先により殺され、トレイシーはジョーイの手下に襲われレイプされた。

コニーの葬儀に泣き崩れるスタンリー、若きドンとして世界を凱旋するジョーイ。
ジョーイは東南アジアの麻薬の三角地帯に潜り込み、麻薬王バンと取引を成功させた。

怒り狂ったスタンリーは、帰国したジョーイを叩きのめし鼻をへし折る。
逃げるジョーイを追ったスタンリーは、アルバートが死に際に残した言葉から、
埠頭で、ジョーイの麻薬取引が行なわれるという手がかりを掴み、最期の望みをかけてジョーイを探す。

ブルックリン橋の上で、麻薬取引をするはずのジョーイだったが、並み居る長老を押しのけ
トップに立とうとするあまりに無謀な賭けに出て、取引の土壇場で長老たちに裏切られる。

そしってスタンリーが、ジョーイを追いつめ脇に逃げる道もない線路で、一騎打ちとなり、
ジョーイは逃げ場がないと悟ると、スタンリーの前で自ら命を絶つ。

映画は、ジョーイの葬儀が華々しく行なわれる所で終わる。

イヤー・オブ・ザ・ドラゴン 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:1985年
  • 上映時間:134分
  • ジャンル:アクション、フィルムノワール
  • 監督:マイケル・チミノ
  • キャスト:ミッキー・ローク、ジョン・ローン、アリアーヌ、ヴィクター・ウォン etc

イヤー・オブ・ザ・ドラゴン 批評・レビュー

映画『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

映画監督マイケル・チミノを救った作品

業界無二の完璧主義者で知られ『天国の門』で映画会社の屋台骨を揺るがす程の大損害を与えたとして、映画界から追放されたのが、
この映画の監督、マイケル・チミノ。

そんな彼に手を差し伸べた製作者は、かつてイタリア映画界で活躍し、’70年代以降はハリウッドに拠点を移した、
ディノ・デ・ラウレンティスである。

チャイナタウンで撮影が不可能だったこの作品の為に、本物のチャイナタウンのセットを作り、その総額が
映画制作費の3分の1にあたる20億になったという。

という事は、総製作費用は60億円。
チミノにしてはこの費用は少ない方だというのだから、もしも共同脚本のオリバー・ストーンの力がなければ、
この映画、興行的に失敗に終わり、チミノは二度と映画を作れなくなっていたかもしれない。

ジョーイは、何故最後に裏切られたのか

ジョーイは、頂点を極める為に計算して人生を生きている男である。
印象を良く見せる為に一部のスキもないスーツに身を包み、髪を整え、権力あるマフィアの娘婿となり、義理の父親を殺す。

自分の利に叶わないものであれば虫けらの様に殺すが、その一方で他人を見捨てられない温情も持ち合わせているという
矛盾したパーソナリティを持つのがジョーイだ。

義理の父であるマフィアのボス、ワンや役立たずの部下は平然と殺すが、タイの麻薬取引で、かつての取引相手の老将軍の命には
温情をかけて金で買う。

しかし彼のこの『かつての友情を重視し血縁を軽視する』という矛盾したパーソナリティが、最後の最後で、長老たちから背を向けられる事となる。

主演俳優2人の絶頂期の演技

なんと言っても、この映画最大の見所は、ミッキー・ロークとジョン・ローン、2人の最盛期の演技が見られる事にある。
この映画の数年後を境にして、2人のキャリアは、下降線を辿る事となる。

良質な作品であれば出たいが、なるべく孤独を選びたいというジョン・ローンは、殆どメディアに出る事がなく、
ミッキー・ロークもまた、格闘技乱入や、整形依存から自殺未遂までと波乱万丈の人生。

そういった意味でも見る価値はある。

イヤー・オブ・ザ・ドラゴン 感想まとめ

米国の犯罪組織の内幕に言及する事は、米国社会の社会構造、都市生活そのものを語る事とも言える。
様々な血脈のマフィアが非合法のビジネスが移民によって成立ち、しのぎを削っているからだろう。

『ディア・ハンター』、『天国の門』など、エスニックならではの生き辛さを映画にしてきたマイケル・チミノ
ならではの題材といえばそうなる。

映画の中で、ジョーイとスタンリーは、全く違う立場の人間だが、お互い所属する組織から、はみ出して行き場がない事は共通している。

そんな2人が、自分の生きた証を示すかの様に、クライマックスで橋の上で一騎打ちとなるシーンは、
人生に悩みを抱えたものなら共感出来るのではないだろうか。

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