映画『エール!』あらすじネタバレ結末と感想

エール!の概要:2014年のフランス映画。聾唖者の家族の中でただ一人健常者の少女が、家族を助けることだけでは無く「歌」という自分の才能を伸ばすため、音楽の腕を磨きながら四苦八苦する感動ストーリー。

エール! あらすじネタバレ

エール!
映画『エール!』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

エール! あらすじ【起・承】

舞台はフランスのある田舎の村。
高校に通うポーラは、両親と弟の4人家族である。
しかしポーラ意外は聾唖者。
家畜を育て、チーズを作り販売して生計を立てている家族にとって、健常者とのコミュニケーションの中間役としてポーラは重要な役割であった。
電話も販売説明も彼女で無いと出来ないからだ。
高校に通いながら懸命に家族を支えるポーラは、人一倍頑張り屋で良い子だった。

ある日高校で意中の男性のためにコーラス部のオーディションを受け合格したポーラは、そこで講師のトマソンから歌の才能があると言われる。
彼女は戸惑いながらも歌の魅力にはまっていく。
トマソンは彼女にあと3ヶ月で歌を練習することが出来れば、パリで行われる音楽学校のオーディションを受けないかと誘ってくる。
家のこともあり悩む彼女であったが、内緒で始めることにした。

エール! あらすじ【転・結】

レッスンは毎日トマソンの自宅で行われた。
その頃父親は村長選に立候補すると言いだし、家族は大忙し。
ポーラは中々優先に音楽の練習をすることが難しく、先生に叱責されることもしばしばだった。

そんな時、ポーラは両親に歌のことを打ち明けることにする。
今までの経緯など全て。
すると家族は愕然とした。
受かってパリに行ったらこれからの自分たちの手伝いはどうなるのか?と。
それでも「自分の人生があるのだ」と主張するポーラだったが、母は中々認めてくれない。

トマソンにオーディションの断りをしにいくポーラ。
考え直すように言われたが、家族とともにずっとここにいようと決めたのだった。
それを知った同級生のガブリエルはポーラに会いに行く。
そしてオーディションは受けなくて良いから、学園祭の時に歌おうと誘ってくれた。
トマソンが心配して彼に頼んでくれたのだ。

本番当日。
ポーラの両親と弟も来てくれた。
しかし耳の聞こえない彼らには無音。
口を動かしている娘の姿しか映らず、歌の素晴らしさがわからないまま隣の人につられて 拍手をするだけだった。
ポーラの歌唱力は絶品で、高評価だった。

終了後トマソンはポーラの両親に会い、「娘さんは才能がある。応援してあげてくれないか?」と言った。
しかしポーラの手話の通訳無しに話が理解できない家族に、ポーラはその話は訳さなかった。

その日の夜、父親は裏庭にポーラを呼び出し歌ってくれと頼んだ。
歌い出すポーラの喉元に手を当て、振動を感じる父。
何か思うところがあった。

オーディションの日を知っていた両親は、ポーラを起こし車に乗せ会場に連れて行くことにした。
ガブリエルに「オーディションを受けることにした」とメールを送ったポーラ。
彼は急いでトマソンのところに向かいパリに向かった。

会場でポーラの番が回ってきた。
練習した曲を選曲すると、「楽譜が無いと弾けない」とピアノ担当者が断った。
そこにトマソンが走って会場に入ってくる。
トマソンはピアノを弾いてくれることになって安心したポーラ。
歌い出し、緊張で声が出ないポーラにトマソンは演奏を中止し「目を閉じて飛ぶんだ」とアドバイスをする。

再び歌唱。

ねえパパとママ、僕は行くよ
旅立つんだ今夜
逃げるんじゃ無い
飛び立つんだ
酒も煙草も捨てて飛ぼう

ここまで歌った時、ポーラは手話をし始める。
ここから家族も歌詞を理解することになった。

無言のまま不安げなママ
感じてたんだね、聞こえてたんだね
きっと
僕は大丈夫、そう答えると
ママはうなずき、パパは無理に笑う

振り返らない、遠ざかる
駅から駅へ
やがて海へ

僕は行くよ
今旅立つ
飛び立つんだ、今夜
逃げるんじゃ無い
飛び立つんだ
酒も煙草も捨てて飛ぼう

見たかもしれないパパとママは僕の涙を
でも戻らない
進もう

人生を信じて自分を見つめる
どう生きよう思いにふける独り
息が詰まるこの鳥カゴ
胸がつかえ歌えない思いきり

ねえパパとママ、僕は行くよ
旅立つんだ今夜
逃げるんじゃ無い
飛び立つんだ
酒も煙草も捨てて飛ぼう

両親は頷きながら涙をこらえ聞いていた。

ポーラは審査に合格。
パリに行くことになった。
旅立ちの日、家族は抱き合い本当の大切さを噛みしめ新しい形になっていく。

エール! 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2014年
  • 上映時間:105分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、音楽
  • 監督:エリック・ラルティゴ
  • キャスト:ルアンヌ・エメラ、カリン・ヴィアール、フランソワ・ダミアン、エリック・エルモスニーノ etc

エール! 批評・レビュー

映画『エール!』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

絶品なラストシーン

ヒロインの女の子は歌の才能がある。
しかし家族は全員聾唖で、自分だけが耳が聞こえる。
そんな彼女は家族を支えて来た今までの自分とは違う自分を、自分のために見つけた。
歌が好きなのである。

先生に言われパリの音楽学校のオーディションに向かうラストシーン。
家族に責められ、一度はやめたオーディションだが彼女はやはり向かう。
しかもありがちだが家族が連れていくのである。

参加したことも感動的なシーンではあるがそれ以上に歌のシーンがかなりの名場面になっている。
耳の聴こえない家族は彼女が何を歌っているのか聴こえない。
オーディションの時、心配そうに席から見守る家族に向けて急遽手話をつけて歌ったのだ。
しかも歌詞が素晴らしい歌で、未来に向かい旅立つ、逃げる訳じゃないという意味のもので映画のダイジェストのような歌詞になっているのだ。

それまで苦労してきた彼女の姿を、スクリーンでやきもきしながら見ていた観客側は彼女の旅立ちへのドキュメントを見せられているような錯覚に陥ること間違い無しである。

家族の意味を問われる物語

助けるということは家族の中では当たり前であり、お互い様でもあり無償の愛である。
しかしそれがやがて無理になることがある。

本作品の場合はそれがポーラであった。
歳を重ねれば外の世界にも興味を持ち、自分個人としての幸せや夢を見つける。
そのことに気がついていない家族は、知らない間にポーラの善意を当たり前のように感じ彼女の人生を自分たちの物差しで置き換えてしまっているように感じた。

これは家族を持つ人は誰もが考えさせられるストーリーであり、いくら家族であっても個人の尊重は忘れてはならないという教訓でもある。
ポーラにとっても旅立ちであったが、本当に意味で家族それぞれが自立する時が来た一家を描いているとも言って良いだろう。

エール! 感想まとめ

素晴らしい作品である。
何度も見たくなり、同じシーンで何度も涙してしまうそんな名作である。
フランス映画なのに全編に渡り暗さも少なく、主軸が歌であったことから音楽的な構成力もあってとても良かった。

特に最後の歌唱シーンは歌の力や技を見せつける従来の音楽映画とは異なり、家族へのメッセージソングとして映画の成り立ちに必要なシーンとなっている。
純粋で美しい作品で近年の映画だがまれに見る優秀作品であるのだ。
多くの人に鑑賞してもらいたい作品である。

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