映画『汚れたミルク あるセールスマンの告発』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「汚れたミルク あるセールスマンの告発」のネタバレあらすじ結末

汚れたミルク あるセールスマンの告発の概要:水道の整備されていない発展途上国では、汚れた水で薄めた粉ミルクが原因で、多くの乳児が命を落としている。パキスタンで粉ミルクを販売していた現地のセールスマンが、その事実を知りながら販売を続ける巨大企業を告発する。実話に基づいた物語で、映画化はされたものの、本国のパキスタンでは未だに公開されていない。

汚れたミルク あるセールスマンの告発の作品概要

汚れたミルク あるセールスマンの告発

製作年:2014年
上映時間:96分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ダニス・タノヴィッチ
キャスト:イムラン・ハシュミ、ギータンジャリ、ダニー・ヒューストン、ハリド・アブダラ etc

汚れたミルク あるセールスマンの告発の登場人物(キャスト)

アヤン(イムラン・ハシュミ)
パキスタンで欧州の巨大企業の粉ミルクを販売していたが、ミルクの誤った使用が原因で多くの乳児が命を落としていることを知り、企業側を告発する。パキスタンでは両親や妻子と幸せに暮らしていた。現在はカナダのトロントに住んでいる。
ザイナブ(ギータンジャリ)
アヤンの妻。賢明で美しい女性。アヤンとの間に一男一女をもうける。企業側の圧力に屈しようとしていた夫を励まし、自分の信念を貫くよう説得する。
アレックス(ダニー・ヒューストン)
イギリスの映画プロデューサー。アヤンから話を聞き、彼の告発を映画化するかどうか監督や弁護士と議論する。
ビラル(アディル・フセイン)
アヤンの直属の上司。医師を買収して自社製の粉ミルクを売り込むようアヤンに指示を出す。
ファイズ(サティヤディープ・ミシュラ)
パキスタンの小児病院の医師。アヤンとは年齢も近く、親しい友人となる。汚れたミルクが原因で乳児が死亡していることをアヤンに伝え、その後も彼に味方してくれる。
マギー(マリアム・ダボ)
パキスタンにある人権支援組織の職員。発展途上国の人々に欧州への憧れがありすぎることを危惧している。また、その心理を利用して金儲けする多国籍企業を嫌っている。

汚れたミルク あるセールスマンの告発のネタバレあらすじ

映画『汚れたミルク あるセールスマンの告発』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

汚れたミルク あるセールスマンの告発のあらすじ【起】

2006年、ロンドン。映画プロデューサーのアレックスのオフィスには、映画監督、製作会社の弁護士、そしてパキスタンで人権支援組織の職員をしているマギーが集まっていた。彼らがこれから製作する予定の映画は、欧州の巨大企業を敵に回す内容のため、慎重にリスクの有無を検討する必要があった。その内容とは、多国籍企業のラスタ社(仮名)が、発展途上国で自社製の粉ミルク育児を推奨したため、汚れた水で薄められた粉ミルクによって、多くの乳幼児が死亡している事実を告発するものだった。彼らは、この事実を告発した元セールスマンのアヤンに、スカイプで取材を試みる。アヤンは現在、カナダのトロントにいた。

1994年、パキスタン。国産製薬会社のセールスマンをしていたアヤンは、妻のザイナブと結婚する。パキスタンでは、多国籍企業の高価な薬ばかりが売れており、アヤンの仕事は行き詰まっていた。成分は全く同じでも、患者は先進国のものを信用し、医師も自国の製薬会社は相手にしない。アヤンは両親と同居して慎ましい暮らしをしていたが、家賃を払うのにも困るほど、生活は困窮していた。

ザイナブは、欧州の巨大企業のラスタ社が営業職を募集していることを知り、夫に面接を受けてみるよう勧める。父親の失業によって大学を中退したアヤンに望みはなさそうだったが、ザイナブに励まされ、アヤンは面接へと向かう。

予想通り、面接官はアヤンを相手にしてくれない。しかしアヤンは、家族のために必死で自分をアピールし、やる気が認められて採用となる。アヤンのセールスポイントは、病院で顔が広いことだった。

上司のビラルの指導を受け、アヤンはラスタ社のセールスマンとして働き始める。アヤンが売るのは、乳児用の粉ミルクで、売り上げを伸ばすためには小児科医と親しくなるのが1番の近道だった。ビラルは、「前払い金」と称する医師への賄賂をアヤンに渡し、営業のコツを伝授する。

汚れたミルク あるセールスマンの告発のあらすじ【承】

アヤンはまず病院の看護師たちにお菓子を配り、彼女たちから医師の情報を聞き出す。その医師の趣味や性格を知れば、彼らに近づきやすいからだ。若手のファイズ医師とは、趣味の音楽や野球を通して親しくなる。賢明で人当たりのいいアヤンは、すぐにセールスマンとしての手腕を発揮していく。

飲食代を世話することを条件に、アヤンは小児科医の集まるパーティへ呼んでもらう。アヤンはそこで陸軍病院の新院長となるマリク大佐を紹介してもらい、面会の約束までこじつける。しかし、人権支援組織の職員をしているマギーは、アヤンに冷たく接する。WHO関連組織は、金にものを言わせる多国籍企業のやり方を毛嫌いしており、医師を買収するような不正行為に対しても厳しかった。

その後もアヤンは営業成績を伸ばし、会社に認められる。営業用にと新車のバイクまで与えられ、報酬もアップする。ザイナブとの間には元気な男の子が生まれ、新居に移り住むこともできた。ザイナブは第二子も妊娠し、アヤンの人生は順調そのものだった。

そんな日々が2年ほど続いた頃、キャリアアップのためカラチに出向いていたファイズ医師が、パキスタンに戻ってくる。2年ぶりに再会したファイズ医師は、「君に見せたいものがある」と言って、アヤンを小児病棟へ連れていく。そこには、ひどい下痢で急性脱水症状を起こした瀕死の乳幼児たちが入院していた。その原因が、自分の売った粉ミルクにあると言われ、アヤンは驚く。

ファイズ医師は、汚れた水で薄めた粉ミルクが原因で、多くの乳幼児が死亡しているという現実をカラチで初めて知った。同じことがパキスタンでも起きていたが、その事実は母親たちに全く知らされていない。現実を知ったアヤンは、強い怒りを覚え、すぐに会社を辞める。驚いたことに、会社側はその事実を把握していながら、粉ミルクの販売を続けていた。アヤンは、一刻も早く粉ミルクの販売を停止させるため、会社側に告発文書を送る。

汚れたミルク あるセールスマンの告発のあらすじ【転】

アヤンが医師に授与してきた金品の領収書を持っていることを知ったラスタ社は、2万ルピーで和解を申し出てくる。しかし、粉ミルク販売中止への回答はなく、アヤンはWHOへ、パキスタンの医師が多国籍企業から賄賂を受け取っている事実を告発する。

WHOから倫理違反の通達を受けた医師たちは、アヤンに対して冷たくなる。アヤンの行動は町中に知れ渡り、彼の方が悪者にされてしまう。アヤンの家には嫌がらせの電話がかかるようになり、彼は身の危険を感じる。しかし、2人目を出産したばかりのザイナブには、この事実を隠す。相談を受けたアヤンの父親は、全面的に息子に協力する。

唯一アヤンの味方だったファイズ医師まで、会社側から脅迫を受ける。2人は、マギーがいる人権支援団体に助けを求めることにして、事務所を訪れる。しかしマギーは「精査に時間がかかる」と答え、アヤンを失望させる。

アヤンはマリク大佐に呼び出され、告発を撤回するよう強要される。パキスタン政府もラスタ社に金で買収されており、アヤンは牢屋に拘置されてしまう。このままでは、家族にまで危険が及ぶと考えたアヤンは、戦うことをあきらめて帰宅する。

ちょうど自宅にはマギーとファイズ医師が来て、ザイナブに全てを話していた。マギーは、アヤンが持ち込んだ領収書は使えると判断し、協力を申し出る。アヤンは、家族のことを考えて躊躇するが、ザイナブは夫の背中を押す。ザイナブは、我が子だけでなく、どの子の命も大切だと考えていた。アヤンは改めて、自分の信念を貫く決意を固める。

汚れたミルク あるセールスマンの告発のあらすじ【結】

家族を田舎の隠れ家に移し、アヤンはマギーの事務所に寝泊まりして、告発本を出版する準備を進める。しかしマギーは、国内での出版は危険だと考え、外国に協力を求めるつもりでいた。実際にアヤンは常に命を狙われていた。

アヤンはラスタ社の尾行をかいくぐり、家族が暮らす隠れ家へ移動する。マギーは、ドイツのテレビ局に、アヤンのドキュメンタリー番組を放送してもらうことにする。撮影のためドイツへ向かう息子に、父親は「家族は私が守る、やりなさい」と声をかける。欧州で番組が放送されれば、英雄として帰国できるというマギーの言葉を信じ、アヤンは単身ドイツへと旅立つ。

マギーもテレビ局も、アヤンの告発は世界中から注目されるはずだと期待していた。発展途上国では、粉ミルクから母乳育児に切り替えるだけで、150万人もの乳児が救えるという説まであった。ところが、放送直前になって、テレビ局側からストップがかかる。

テレビ局には、ラスタ社から録音テープが届いていた。そのテープには、アヤンがラスタ社と和解のための金銭交渉をしている音声が録音されていた。大佐に呼び出されたあと、アヤンの信念は揺らぎ、金で解決する方法を選択しようとしていた。しかしザイナブや父親に説得され、その交渉を蹴ったのだ。アヤンは身の潔白を主張するが、テレビ局側はこのテープの内容を重要視し、放送を中止する。

その話を聞いたアレックスたちも、アヤンの告発を映画化すべきかどうか悩む。もし企業側に訴えられて敗訴した場合、製作会社は莫大な金を失うことになる。幹部は難色を示すが、アレックスはこの議論も脚本に組み込むという方法で、映画化に踏み切る。アヤンにグレーな部分があったとしても、汚れた水で薄められた粉ミルクによって、多くの乳児が命を落としていることは、まぎれもない事実だからだ。

アヤンはドイツでの放送が中止されたため帰国できなくなり、両親を看取ることもできなかった。2007年になって、ようやく家族と再会を果たし、現在はトロントで一緒に暮らしている。映画内で使われた乳児の映像は、一部を除いて2013年にパキスタンで撮影されたものである。

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